【原発の本質とは?】事故が起きた福島原発近くに一人で暮らす男性の話を紹介します。

 東京電力の福島第一原子力発電所で事故が発生し、大量の放射性物質が世界中にばら撒かれ続けています。危険なのは皆知っているので、なるべく遠くに逃げたいと思うのは当然です。下写真の関係者たちも福島県には近寄りたがらないはずです。

写真(強制起訴される東京電力元幹部3人)

写真(強制起訴される東京電力元幹部3人)

写真(「風評被害」払しょくのため、避難区域産のコメを試食する丸川環境大臣) 出典:FNN

写真(「風評被害」払しょくのため、避難区域産のコメを試食する丸川環境大臣) 出典:FNN

田中俊一委員長

 チェルノブイリ事故の基準では強制退去させられるような場所にもかかわらず、日本政府は一部の福島県住民に対して帰還の許可を与えました。しかし、許可を与えた官僚・政治家達は福島県から離れたところに住みたいはずです。

 福島県双葉郡富岡町は現在、避難指示解除準備区域・居住制限区域・帰還困難区域の3区域に分けられています。被曝による健康被害の危険があるにもかかわらず、富岡町に一人で住み続けている男性がいます。彼がそうしている理由は何か?どんな状況なのか?具体的には下記のビデオをご覧ください。

 また、My Modern Metという海外のサイトが、この男性のことを記事に書いています。リンクを以下に貼ります。( )内は私の日本語訳です。

「The Selfless Hero Who Braved Radiation and Stayed Behind to Feed Fukushima’s Abandoned Animals」(放射能に晒される危険を冒して福島県に留まり、置き去りにされた動物たちの面倒をみる:英雄の献身的な行動)

 上記リンク英文記事の一部を翻訳して引用します。

引用始め
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写真(松村直登氏) 出典:My Modern Met

写真(松村直登氏) 出典:My Modern Met

福島原発の周囲20km圏を政府が警戒区域に指定した後、何千人という住人が避難した。放射線被ばくの危険がある為だ。

農家の五代目である松村直登氏も富岡町から避難した住人のうちの一人だ。彼は両親と共に南へ向かった。しかし、放射性物質まみれだという理由で、叔母の家には入れてもらえなかった。また、避難所はごった返しており、入る隙は無かった。松村氏は、自分の家で飼っている動物たちを確認するため富岡町の自宅に帰ることにした。

松村氏が見たものは、原発によって生命感を奪われた荒涼とした大地であった。・・・生きているのは動物たちだけだった。

避難する時、ペットや家畜を置き去りにした人が多い。犬・猫・牛・アヒル・仔馬、そしてダチョウなどだ。

「私の飼っている犬たちは事故が起きてから2〜3日は何も食べていなかった。私が彼らに餌を与えた時、近所の犬たちが狂ったように吠え出した。見に行くと鎖に繋がれたままだった。町のみんなは避難する時、一週間かそこらで帰れると考えていたと思う。それからというもの私は毎日、全ての犬と猫に餌を与えてきた。私のトラックが着くと、待ちきれずにワンワン吠えながら集まって来た。私が行くところは常に泣き声の嵐になった。「喉が渇いたよ〜!、何も食べてないんだよ〜!」、と言わんばかりだった。だから私はあちこちを巡回し続けたんだ。」

食事のほとんどが、警戒区域の外から缶に入った状態で運ばれてくる。松村氏と動物たちにとっては寄付が頼りだ。

「とりあえず、ただ一人の住民として彼が出来ることは、生命の息吹を絶やさないように精一杯頑張ることだ。日本政府の役人は避難するように言っているが・・・。」

「我々は皆、政府に見捨てられたんだ。だから私は動物たちと一緒にここに居るんだよ。」
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引用終り

 物事の本質を知るには、現場に行き、現物・事実を確認し、現地人から話を聞くのが最も確実な方法です。皆さんは、原発の本質をどう感じていますか?人間と原発が共存できないことが再確認できたと思います。

 数ある発電手段の中でも、このような悲劇を社会にもたらすのは原子力発電所だけです。原発は、人間性なき科学の象徴です。

その他の参考リンク:
鉄の釜石と原発の富岡(その2止) 巨大産業、爪痕深く

以上

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