【雨あがる】現代に失われつつある優しさを表現した映画を紹介

Pocket

 現代社会は、他人を押しのけ、絶望に陥れるような人物で溢れている。息をするようにウソをつき、人の言うことに耳を傾けず、失敗しても責任を取らずに言い訳ばかりをする。小賢しく他人を不愉快にさせる一方で、上役の御機嫌取りは一流で世渡りが上手い。無教養で哲学が無く、「今だけ良ければよい」「自分だけが得すればよい」という安易さが目立つ。実行力はあるが、他者への想像力や共感力に欠けており、それゆえ、長い目で見ると所属する組織・社会に害悪を与える人物。

 以下に、いくつか紹介する。

写真(稲田朋美氏)彼女にだって表現の自由がある・・・
写真(稲田朋美氏)彼女にだって表現の自由がある・・・

写真(橋下徹氏の問題発言)
写真(橋下徹氏の問題発言)

工事を粛々と進めると発言し非難される菅官房長官
写真(デイヴィッド・ロックフェラー氏) 出典:Photo by Cindy Ord/Getty Images
写真(デイヴィッド・ロックフェラー氏) 出典:Photo by Cindy Ord/Getty Images

写真(記者会見する甘利大臣) 出典:ロイター
写真(記者会見する甘利大臣) 出典:ロイター

写真(安倍総理と世耕弘成内閣官房副長官) 出典:自由民主党 参議院議員 世耕弘成オフィシャルサイト
写真(安倍総理と世耕弘成内閣官房副長官) 出典:自由民主党 参議院議員 世耕弘成オフィシャルサイト

写真(生活保護費削減に熱心な自民党:片山さつき議員)
写真(生活保護費削減に熱心な自民党:片山さつき議員)

写真(靖国神社を参拝する石原慎太郎氏) 出典:不明
写真(靖国神社を参拝する石原慎太郎氏) 出典:不明

安保法制強行採決時における、佐藤元隊長の強烈パンチ 出典:EPA
安保法制強行採決時における、佐藤元隊長の強烈パンチ 出典:EPA

写真(安倍首相に経団連ビジョンを手渡す榊原会長(左)) 出典:経団連のホームページ
写真(安倍首相に経団連ビジョンを手渡す榊原会長(左)) 出典:経団連のホームページ

東電幹部不起訴処分
写真(福島原発事故により大量の放射性物質が放出されたが、健康問題は発生しないと安倍総理は断言した。)
写真(福島原発事故により大量の放射性物質が放出されたが、健康問題は発生しないと安倍総理は断言した。)

 別に、これらの人物に存在価値が無い訳ではない。人間だから何かしら良いところがあるはずだ。各自が努力し、今の地位を得て「活躍」していることは認める。しかし、私はどうしても彼らを好きになれない。今の地位に留まりたいならば、もう少し自省してもらいたいという気持ちがある。今の自分をどうしても変えられないならば、役職を辞退してもらいたい、というのが本音だ。同時に、政治家を選ぶ側の見識も疑う。

 その一方で、世の中には対照的な人物も存在する。実力はあるのに他人を押しのけず、腰が低く、思いやりがある。自分の損得よりも他人の役に立つことを優先し、他人の喜びを自分の喜びとする。上役の御機嫌取りはせず、愚直で不器用であるがゆえに、組織の中で昇進は遅いが、組織にとっては居ないと困る人物。

 このように、目立たないけれど、社会をうまく機能させるためには必要不可欠な人物にスポットを当てた映画を見つけた。

雨あがる

新品価格
¥2,000から
(2016/8/29 21:15時点)

 上記サイトの中から、映画の紹介文を引用する。

「武芸の達人だが職につけない武士、三沢伊兵衛とその妻たよ。妻は、人を押しのけず人々に希望を与える夫をあたたかく見守っているが、職のない伊兵衛は日々妻に申し訳なく思っている。旅の途中、折からの豪雨が夫婦を河畔の宿場町に足止めさせる。やがてその雨があがる頃、城主にその腕を偶然認められた伊兵衛は、藩の剣術指南番に招かれるが…。現代に失われつつある“優しさ”を見事に表現した、心が晴れ晴れとする温かい感動作。」
主演:寺尾聰, 宮崎美子, 三船史郎
再生時間:1 時間, 31 分

あらすじはこちらを参照:

印象に残ったセリフを一部紹介する。

主人公:三沢伊兵衛の妻たよの言葉
「これだけ立派な腕を持ちながら、花を咲かせることができない。なんという妙な巡り合わせでしょう。でも私、このままで良う御座います。人を押しのけず、人の席を奪わず、機会さえあれば、貧しいけれど真実な方たちに、喜びや望みをお与えなさる。このままのあなたも立派ですもの。」

写真(映画:雨あがるの一場面)
写真(映画:雨あがるの一場面)

 この映画を観ると、人生の「勝ち組」「負け組」などという言葉を流行らせた人物の浅薄さを理解できる。この記事の冒頭で紹介した著名人たちは、尊敬すべき対象でないことも解る。

 人間がどういう生き方をすべきかは、各自が考えて決めねばならない問題だ。日々の忙しさ・慌ただしさに流され、マスコミの流す「常識」の渦に巻き込まれ、いつの間にか視野が狭くなっていることもあると思う。

 この映画の主人公は、決して理想的な人生を送っているとは言えないが、その生き方・考え方は、現代人が見失ってしまったものを表現していると思う。見た後に清々しい気持ちになりたい人にオススメの映画だ。

以上

Pocket

【鳥越さんは知らない?】がん検診・手術・抗がん剤治療に対する間違った「常識」を一変させた革命書を紹介します。

Pocket

写真(がん検診100%を目指す鳥越俊太郎氏)
写真(がん検診100%を目指す鳥越俊太郎氏)

 がん検診を熱心に勧める東京都知事候補がいるみたいですね。時代錯誤も甚だしい、とうのが私の感想です。

 「がん検診は必要」、「がんだと診断されたら手術や抗がん剤漬けは当然」と思い込んでいる人は多いと思います。そのような間違った「常識」に一石を投じた名著を紹介します。

「患者よ、がんと闘うな」文藝春秋社 近藤誠著

患者よ、がんと闘うな

新品価格
¥1,468から
(2016/7/16 18:27時点)

 下記に、内容の概略を紹介します。

・抗がん剤の約9割は無意味であり、むしろ逆に命を縮める結果をもたらす。
・苦しむ患者に抗がん剤という猛毒を投与し利益を得る製剤メーカーと病院。
・がん患者を切り刻む手術偏重体質の恐怖。
・医師たちはがんの恐怖を煽り、がん治療のために多くの患者がのたうち回って死んでいく現実。
・放射線治療は正しく使えば手術よりも利点が多いが、日本で普及しなかった理由。
・戦中の731部隊を彷彿させる人体実験が横行している。
・がん検診は有効でなく、拒否すべきだ。内視鏡検査での感染や医療被曝による発癌の方が怖い。ここでも病院側の利益追求体質が見て取れる。
・「本物のがん」と「がんもどき」を区別せよ。「本物のがん」は早期発見される以前に転移している。
・がんと闘うという間違った姿勢が、無意味で有害な治療を横行させ、患者に過酷な人生を強要している。

 本書を読むと、がんに対する不安や恐怖は、がんに関する無知や誤解に基づいていることが理解できます。また、本書の特徴として、次の点が挙げられます。

・がんや治療の本質を科学的・論理的に解き明かしている。
・医学の知識が無い一般人でも理解できるように説明されている。(→これはかなり高度な技術だと思います)

 私は、近親者をがんで亡くしたことがあります。ずいぶん昔のことですが、手術や抗がん剤の副作用に苦しみ続けた様子を鮮明に覚えています。本物のがんだったので、早期発見時にはすでに転移していたのです。「がんと闘え」「手術や抗がん剤は必要」という間違った常識を家族全員が信じていたため、病院の言いなりでした。抗がん剤という猛毒で生活の質は著しく低下し、のたうち回りながら死んでいきました。その当時の担当医師は患者を食い物にしていた悪徳者だったのか、本当に無知だったのかは分かりません。しかし、患者の時間・労力・お金を無駄にしたという点で、社会的役割を果たしていなかったと思います。

 今回紹介している著書「患者よ、がんと闘うな」は、1996年の出版です。2016年の現在では、本書の主張に共感する人は多くなっていると思いますが、20年前当時、この主張は非常に珍しいものでした。がん利権に溺れている医療関係者や製薬メーカーを敵に回す危険な行為だったのです。異端視されることを恐れず、真実を世に発表した著者:近藤誠氏には敬意を表せざるを得ません。

 「常識」は嘘と偏見で充満しています。「常識」を疑わなければ真実に到達できないし、視野も広がらないことを痛感しました。一人でも多くの人に本書を手に取って頂き、新たな知見を得て欲しいと思います。

患者よ、がんと闘うな

新品価格
¥1,468から
(2016/7/16 18:27時点)

以上

Pocket

【矢部宏冶氏の著書】『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』を読んでみた。

Pocket

安保法制強行採決時における、佐藤元隊長の強烈パンチ 出典:EPA
安保法制強行採決時における、佐藤元隊長の強烈パンチ 出典:EPA

 上の写真は、日本が法治国家でなくなったことを世界に示した瞬間です。安保法案という名の戦争法が強行採決された場面であり、世界中に配信されました。大混乱と怒号の中、採決を求める声は聞き取れなかったにもかかわらず、「議事経過」という文言がねつ造され書き加えられたことが判っています。これでも、安保法案が正常な手続きのもとで採決されたことになっているのです。

 世界に誇れる先進的な日本国憲法を持ちながら、戦後70年経って、ナゼこのような醜態を見せられなければならないのでしょうか?2015年9月、「日本は戦争ができる国になったんだぞ!」と世界に向かって宣言したのですが、ここに至るまでの経緯を分かりやすくまとめた書籍を以下に紹介いたします。

日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか

新品価格
¥1,296から
(2016/6/14 20:01時点)

 本書の内容を元にして、戦争法成立に至る道程を、かいつまんで紹介しましょう。

1)
 1950年に始まった朝鮮戦争のため、駐留米軍が出撃し、空になった日本国内の米軍基地を守る必要が生じた。そのために、警察予備隊という日本の軍隊が創設され、米軍基地内に配備された。また、海上保安庁は、朝鮮海域で機雷の除去作業という軍事作戦に参加させられ、機雷の爆発で戦死者が出た。これらは、明らかな憲法9条違反である。

2)
 1952年7月と1954年2月に当時の吉田首相はアメリカと口頭で、「戦争になったら、日本軍は米軍の指揮下に入る」という密約を交わした。

3)
 砂川裁判は裏でアメリカによりコントロールされ、最高裁判決では、「安保条約などの国家の存立にかかわるような高度の政治性をもつ問題については、裁判所は憲法判断ができない」という判例を作ってしまった(1959年12月)。つまり、日本政府がアメリカとの間で違憲の条約を勝手に結んでも、それを食い止める手段がなくなったのである。日本国憲法は事実上、権力者の暴走を防ぐ機能を停止した。

4)
 1960年1月、日米安全保障協議委員会(2+2)が設置された。1978年11月、「ガイドライン(日米防衛協力のための指針)」が作成され、1997年9月、ガイドラインが改定された。(第二次ガイドライン)

5)
 2015年4月に了承された日米新ガイドラインにより、日本軍はアメリカの指揮下で、世界中で戦争をする必要が生じた。昔アメリカと交わした密約は、あくまで、日本とその周辺だけの話であり、その地域的な縛りを外さねばならない。「存立危機事態での集団的自衛権行使」を可能とする国内法を整備する必要に迫られたのである。その結果、安保法制(=戦争法)の強行採決が、2015年9月に行われた。

 戦後70年以上に渡ってアメリカの属国であり続けた結果、日本はついに戦争ができる国になったのです。憲法はあからさまに蹂躙され、法治国家としての枠組みは崩れ去りました。政治家がマスコミの力を借りてどんな詭弁を弄しても、世界中からは無法国家だと見られているのです。

 著者である矢部宏冶氏は、公開された密約資料も含めて膨大な文献を調査し、本書をまとめ上げました。分かりやすく書かれているので、特別な知識が無くても理解できます。特定の政治信条というものは感じられず、事実を元に冷静で論理的な記述となっています。

 アメリカの属国をやめ、真の独立国として歩むために日本人は何をすればいいのか、著者自身の考えも述べられています。軍部をコントロールしなければ民主主義は実現できないこと、アメリカとの話し合いを重ねて駐留米軍を撤退させることは可能であることなど、外国の事例を交えながら説明しています。決して、非現実的なことではありませんし、あきらめる必要はありません。

 アメリカと交渉し独立を実現するには、日本国民全体の意識が高まり、議論が活発にならなければなりません。政治家任せではいけないのです。その前提となるのが、知識・情報です。本書から知識・情報を得れば視野がぐっと広がり、考えるためのヒントを得ることができます。「日米同盟堅持」を叫ぶ政治家が哀れに見えるようになればシメタものです。

 2016年7月の参議院選挙前に日本国民全員が読むべき良書だと思います。

日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか

新品価格
¥1,296から
(2016/6/14 20:01時点)

以上

Pocket

【憲法よりも上位にあるもの?】日本社会を支配する本当のシステムは何か?

Pocket

「日本は原爆を投下された唯一の国なのに、アメリカに気兼ねして核廃絶を主張できないのはナゼだろう?」
「沖縄で駐留米軍による犯罪が発生しても、加害者がロクに罰せられずに済むのはナゼだろう?」
「在日駐留米軍の飛行機は米国人住宅上空の飛行は避けるのに、日本人住宅の真上を飛行しまくるのはナゼだろう?」
「世界最悪の福島原発事故が発生しても、責任者が誰も罰せられず、原発の再稼働・新設・輸出が推進されるのはナゼだろう?」
「住民は放射性物質による内部被ばくの怖さを知らされず、放射能汚染地帯への帰還が許されるのはナゼだろう?」
「東京地検特捜部が逮捕するのは、自民党政治家でも経世会系ばかりであり、清和会系が無傷なのはナゼか?」
「一国の総理大臣が憲法を無視しても平気でいられるのはナゼだろう?」

 日本人ならば誰でも上記の疑問を持つと思います。これらの疑問に対して回答してくれている良書を紹介します。

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

新品価格
¥1,296から
(2016/6/13 10:08時点)

 この本を読むと、学校で習った憲法・法律や三権分立の仕組みなどが、日本では実質機能していないことが理解できます。憲法よりも上位にある裏の仕組みが日本社会を支配しているのですね。

1)駐留米軍問題
 日米安全保障条約の下に、在日米軍の法的な特権について定めた日米地位協定というものがあります。日米地位協定の具体的運用方法について、日本の官僚と米軍側が「日米合同委員会」で毎月会議をしています。議事録もありますが、記録されない密約も多々あり、国民に対しては原則非公開です。
 外務省のホームページに掲載されている日米合同委員会組織図を以下に示します。

図(日米合同委員会組織図) 出典:外務省ホームページ
図(日米合同委員会組織図) 出典:外務省ホームページ

 日米合同委員会に出席するのは官僚の中でもトップに位置する人たちですが、米軍側の意向には逆らえません。その会議での決定事項は絶対であり、日本国内の憲法や法体系よりも優先されます。自民党は官僚機構によりコントロールされている政党ですから、日米合同委員会の決定に反するような政策を進めることはできません。沖縄県民の反対が強くても基地工事を「粛々と進める」しかないのです。アメリカの国務省が2006年に認めた通り、自民党は結党当初からCIAより資金援助を受けており、アメリカのコントロール下にあるのです。哀れですね。
 
 ちなみに、フィリピンやイラクは国民の意思により米軍を完全撤退させています。日本政府は、義務でもないのに毎年何千億円という「思いやり」予算を米軍に献上して駐留して頂いています。自ら進んで属国になることを望んでいるのです。これを奴隷根性といいます。日本が真の独立国になるのはいつのことでしょうか?

写真(アメリカの議員にペコペコする安倍総理) 出典:http://news.sina.com.cn/w/p/2014-01-21/233429310152.shtml
写真(アメリカの議員にペコペコする安倍総理) 出典:http://news.sina.com.cn/w/p/2014-01-21/233429310152.shtml

2)原発問題
 日本の法律では、放射性物質に関して規制基準が定められていません。だから、チェルノブイリならば強制避難命令が出るような汚染地域に住民が帰還をすることを日本政府が許可できるのです。市民団体などが集団訴訟を起こしても、現在の法的構造の中では絶対に勝てません。恐ろしいことですが、これが現実です。また、福島原発事故後に国民の関心が高まり「脱原発」や「廃炉」に賛成する人が増えましたが、日本の政治家がいくらそのような政策を掲げても、日本側では何も決めることはできません。

 このような理不尽な状況を可能なのは、日米原子力協定というものが存在しているからです。日米地位協定と同じく、日本国憲法よりも上位に日米原子力協定が君臨しているのです。表には出てきませんが、日米間での密約も多数あるはずです。現在の法的構造の中では、アメリカの了承なしに日本側で決めていいのは電気料金だけなのです。

 例えば2012年9月、アメリカのエネルギー省や国家安全保障会議の高官たちは、日本の原発稼働ゼロ政策についての懸念を、日本国外務省官僚に対して伝えました。その結果、当時の野田内閣は閣議決定を見送らざるを得なくなりました。米国の意を受けた官僚たちに逆らうことはできなかったのです。

最後に:
 冒頭に紹介した書籍「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」は、著者の矢部宏治氏による丹念な調査を元にした秀作です。2016年5月時点で10万部を超えるベストセラーになっています。本書のあとがきにも書かれていますが、日本社会の最大の欠点は、「政府のあらゆる部門に対して、憲法によるコントロールが欠けており」、その結果、「国民の意思が政治に反映されず、国民の人権が守られない」ことだと理解できるようになります。

 テレビや大手新聞の薄っぺらな情報に流されて閉塞感に悩んでいる方にお勧めです。「目からウロコ」になると思いますよ。

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

新品価格
¥1,296から
(2016/6/13 10:08時点)

以上

Pocket

【象徴天皇制の毒】社会を息苦しくする根本原因を明らかにした書籍を紹介

Pocket

写真(2015年の新年一般参賀) 出典:The Huffington Post
写真(2015年の新年一般参賀) 出典:The Huffington Post

「新年一般参賀で皇族たちが顔見せすることに何の意味があるんだろう?」
「熱狂して涙を流している人は、天皇を尊敬しているのだろうか?」
「日の丸や君が代を強制する理由は何だろうか?」
「象徴天皇制には、どのような社会的機能があるのか?」

 上記のような素朴な疑問は誰でも抱くと思います。しかし、原発問題以上に天皇はマスコミにとってタブーであり、通常、調査報道の対象にはなりません。本家本元の天皇とは別に、日本社会には何とか天皇と呼ばれる存在が充満しています。天皇的な存在に安易に依存することで成り立っている日本。その安易さ、奴隷根性ゆえに衰退の道を辿っている日本。

 目には見えませんが、確実に社会を蝕むメカニズムが存在します。経済問題ほどには一般の関心は高くありませんが、日本で起こっている全ての社会問題の根っこにあるのが近代天皇制です。日本社会を息苦しくしている根本原因は何だろうと、一度でも考えたことがある人にオススメの書籍があります。

マンガ 日本人と天皇

新品価格
¥1,620から
(2016/5/23 11:33時点)

 ネトウヨにとっては苦痛でしかないでしょうが、少しでも知的好奇心を持っている人には新たな視点を提示してくれる本です。私にとっても、目から鱗でした。

 本書の内容を、かいつまんで引用します。

*********************
1)天皇とは何か
 「近代天皇制」は、日本人一人一人の精神の中にまで侵入し、すべての理性を失わせたのだが、その大元が「教育勅語」であることを我々は忘れてはならない。我々は理性と科学的な歴史観をもって「近代天皇制」を検討しなければならないのだ。

2)近代天皇制の毒
 「生身の人間を神と崇める」近代天皇制は、ナショナリズムと相まって非理性的であるからこそ、人間の心の一番低いところに食いこみ、剔抉するのが難しい。今、歴史の書き換えを企んでいる人たちは、天皇制を再び復活させようとしている。天皇制の毒は再び日本の社会にまわりはじめているのである。天皇制の毒は厳しい。この毒を何とか取り除かなくては、私たちは過去の過ちを繰り返すしかないだろう。

3)天皇の軍隊
 日本の社会に根をはる上下関係の締めつけ。その源に、奴隷の服従を下の者に強いた天皇の軍隊がある。
 天皇がいなかったら、軍の指導者層の思い上がりもなかっただろうし、日本軍兵士の苦しみも、アジアの人民の苦しみも、なかった。かくまで愚かしく、無惨な日本軍の上から下までを貫き通していたのが、天皇の存在だったのである。

4)臣と民
 甘く見てはいけない。彼らは本気で日本を天皇中心の社会に戻そうとしているのだ。天皇制がある限り、天皇を利用しようとする勢力が、また同じようなことを企むだろう。象徴天皇制というと一見無害なようだが、支配する側にとっては「日の丸・君が代法案」にように、役に立つ武器を与えてくれる制度なのである。ここに、現代の天皇制の持つ問題が表れているのだ。

5)象徴天皇制
 どうして、そんなに元首が欲しいのだろう。元首に寄りかからないと安心していられないその精神構造は、自立した人間のものではない。
 私たち国民が一人一人個を確立していれば、誰かに自分たちの国を象徴してもらう必要はない。我々が真に民主的な結びつきで国をつくっていれば、我々の統合を誰かに象徴してもらう必要はない。
 我々の上に生身の人間を頂き、象徴として仰いでいる限り、我々の個としての確立もあり得ないし、民主主義的な結びつきによって成り立つ、真に自由な国を築き上げることもあり得ないのだ。

6)昭和天皇の戦争責任
 天皇になるべく生まれて近代天皇制の天皇教育を受ければ、誰でも昭和天皇のようになるだろう。そして自分が神聖な存在である現人神であるとしたら、いったい誰に対して責任をとれと言うのか。神が人間に対して責任をとることはありえないことだろう。
 最高責任者である天皇が責任をとらなかったことが、どれだけ日本人の心を荒廃させたことか。相次ぐ官僚の汚職、金融関係の不祥事。責任ある立場の人間が無責任の限りを尽くす。
 アジア諸国民に対する責任とは別に、今の日本のこんな風潮を生み出したのが、昭和天皇の最大の戦争責任ではないだろうか。

7)天皇制の未来
 天皇制とは、やんわりと空気のように充満している権力。どうすれば我々は天皇制から自由になれるのか。
 憲法から天皇を外すことによって初めて、我々は近代天皇制から引きずってきた重い鎖を断ち切り、近代天皇制の呪いを振りはらって、正気に戻ることができる。そして、それこそが、我々が21世紀に成しとげなければならないことだし、もし成しとげられなかったら、日本に明るい未来はないのだ。
*********************

 この本の原作者は、マンガ「美味しんぼ」の原作で有名な雁屋哲氏です。膨大な文献を丹念に調査・分析・検証し、分かりやすくまとめてくださいました。歴史・社会学・政治学など様々なものがミックスされた労作だと思います。私はこの本を読んだおかげで、日本社会の病理を明確に認識でき、時流に流されず物事の根本に目を向ける習慣を強化することができました。

 貧富の格差、景気の長期低迷、ブラック企業の増殖、税金の無駄遣い、財政の破綻、原発事故による健康被害の隠ぺい、特定秘密保護法の制定、憲法蹂躙による安保法制強行採決・・・・ 息苦しく暮らしにくい社会で、当然の結果として出生率は低下し、日本は衰退の一途を辿っています。

 搾取され続けてもダマされ続けても怒らず、疑問さえ持たず、空気を読みながらひたすら流される国民。国のあるべき姿について自分で考え判断することを避け、選挙権を放棄し、お任せ民主主義に安住する国民。奴隷根性が染みついた国民は、権力者にとって誠に都合が良い存在です。

 この国を腐敗させ、息苦しいものにしている根本原因は何なのか、その処方箋は何か、考えるきっかけを与えてくれる本です。権力者たちが庶民に読んでほしくない本の筆頭に挙げていいと思います。オススメです。下記のリンク先でも情報をご確認ください。

マンガ 日本人と天皇

新品価格
¥1,620から
(2016/5/23 11:33時点)

以上

Pocket

【電通の正体】マスコミ最大のタブーを明らかにした書籍を紹介

Pocket

東京五輪招致買収疑惑

 最近、「電通」という言葉を聞くことが多くなりました。力を持ってそうな会社だけど何か怪しいよね、と思っている人は多いと思います。

・東京オリンピックの裏金疑惑報道で海外メディアが「Dentsu」と書いていたにもかかわらず、日本のマスコミはその部分を削除していた。
・衆議院予算委員会の質問パネルには、「電通」ではなく、「D社」と表記されていた。

 マスコミ最大のタブーと言われる電通はどんな会社なのか、興味を持っている人は多いと思いますが、なかなか実情をつかみにくいのは確かです。名実ともに日本最大の広告代理店であり、「広告界のガリバー」の異名を持つ電通の正体を明らかにした書籍を紹介いたします。

電通の正体―マスコミ最大のタブー

新品価格
¥1,296から
(2016/5/21 22:46時点)

 (株)金曜日が出版している本です。週刊金曜日という雑誌は広告に頼っておらず、定期購読者が支えている雑誌なので、広告主の企業に遠慮することなくジャーナリズム活動を続けています。電通に関する一連の記事を内容をまとめたのが本書です。従って、普通では得られない裏情報が満載です。

 本書の目次部分を以下に記載します。

1.広告業界制覇のカラクリ
2.テレビを支配するメディアの地主
3.公正取引委員会が本格調査に着手した広告業界
4.新聞社にも圧力
5.葬式から五輪・万博まで
6.永田町との深い関係
7.ブランド人材を買い漁る
8.電通前史 テレビと広告に転機はくるのか―只野仁
9.対談:大下英治×佐高信「小説電通」の作者が語る舞台裏

 安倍内閣の支持率アップのためにアドバイスしているのは電通です。少し昔になりますが、小泉総理にワンフレーズポリティックスなどをアドバイスし、驚異的な支持率実現を手助けしたのも電通です。自民党とのつながりが深く、権力者にとってはありがたい存在なのでしょうが、有権者が適切に判断するのを邪魔しているとも言えます。

 電通に関しては、ネットでもある程度の情報は得られると思いますが、様々な情報がバラバラに存在し、かつ、一つ一つの情報の真偽を確かめるのも大変です。本書を読めば、信頼できる情報をまとめて得ることが出来ます。

 日本版CIAと呼ばれ、マスコミを支配する電通。マスコミ最大のタブーである電通。その電通の正体を知ることで、今のマスコミの惨状が把握できます。オススメです。詳しくは、下記リンク先でご確認ください。

電通の正体―マスコミ最大のタブー

新品価格
¥1,296から
(2016/5/21 22:46時点)

以上

Pocket