「安倍晋三首相を通じて国際社会を学ぶトランプ米大統領?」産経新聞の安倍礼賛記事を読んでみた。

 私のブログでは、安倍政権に対する批判的な記事が多いため、私自身、安倍政権の広報係である産経新聞にはほとんど興味がない。しかし、真反対の態度をとる新聞社の主張をたまに読んでみるのも悪くはない。

 2017年2月12日付の産経新聞で、「安倍晋三首相を通じて国際社会を学ぶトランプ米大統領」というタイトルの記事を見つけたので読んでみた。トランプ氏が大統領に就任後に行われた初の首脳会談の様子をリポートしている。記事リンクを以下に示す。

特別版 安倍晋三首相を通じて国際社会を学ぶトランプ米大統領

 当該リンク先記事では、安倍総理のことを北朝鮮の将軍様並みに褒めちぎっている。以下、当該記事から引用する。

引用始め
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「トランプ米大統領は安倍晋三首相を通じて国際社会を学び」
「政治歴も軍歴もなく外交・安保に詳しくないトランプ氏は、安倍首相を相談相手にしたいのだろう」
「安倍首相自身も、頼りにされているとの感触を受けている。それはやはり、首相が世界のリーダーの1人としての存在感を高めてきたことが大きい。」
「第2次政権発足以降、4年以上がたつ安倍首相は、すでに先進7カ国(G7)ではドイツのメルケル首相に次ぐ古参であり、内閣支持率が6割を超えるなど国内の政治基盤も強い。」
「ロシアのプーチン大統領はどんな人物か。中国の習近平国家主席は何を考えているのか。欧州連合(EU)とのつき合い方は…。これらの諸問題について何でも答えられる人物は、トランプ氏にとって安倍首相のほかにはそうはいないだろう。」
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引用終わり

 安倍先生から見れば、新米のトランプ氏は生徒に過ぎないとでも言いたいのだろうか?いくら産経新聞が安倍政権の広報誌に過ぎないとしても、これはやり過ぎである。まともな知性を持った日本人ならば、苦笑しかしないのではないか?権力の犬になり果てた姿勢は、国際社会から軽蔑されるのみだ。

 事実を言えば、トランプ大統領はジャイアンであり、安倍総理はスネ夫なのだ。戦後70年間、実質アメリカの植民地状態が続いており、日本国憲法よりもアメリカの意向が優先されてきた。原子力政策にしても、日本が自由に決められるのは電気料金だけである。日本が独立国ではなく、アメリカの属国に過ぎないことは国際社会では常識なのだ。安倍総理が指導役で、トランプ大統領が生徒、などというウソを堂々と言ってはいけない。

写真(トランプ大統領の出迎えを受ける安倍総理) 「TPPから離脱するけど、文句ないよな?」「はい、もちろんです。自民党の公約でもありますから。」という会話が交わされている・・?

記事引用始め
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「各国首脳は首相を通してトランプ氏を知る-。大げさに言うのではなく、こんな構図が生まれつつあるのではないか。」
「各国首脳も、すでに「未知」の存在であるトランプ氏の正体を、安倍首相に尋ねる状況が生まれている。」
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記事引用終わり

 トランプ氏の発言や政策に対しては、諸外国の首脳から批判的なコメントが出ており、関係が良好でないことは事実である。実際、現段階で、これだけ長い時間を首脳会談に費やし一緒にゴルフを楽しんでいるのは安倍総理だけである。だからといって、トランプ氏のことは安倍さんが一番詳しいという結論にはならない。トランプ氏に関する情報の収集・分析は各国とも、日本に負けず劣らず実施しているはずである。トランプ氏のことを知りたいがゆえに各国首脳が安倍総理に頭を下げる場面を本当に想像しているのだろうか?

 日本は独立国でないだけでなく、安倍総理自身の発言も支離滅裂で一貫性がない。海外に何十兆円というバラマキをしなければ相手にしてもらえないような存在感の薄い人物が安倍総理であり、基本的に信用されていないのだ。これが事実である。事実を認めたくないからといって、事実と真反対のウソを記事に書いてはいけない。

 その他、産経新聞の記事によると、安倍総理はトランプ大統領に対して、日本の侵略戦争を否定する歴史改竄の態度を押し付けたいようだ。国際的な恥さらしとは正にこの事である。

 産経新聞に対して、権力の監視というジャーナリスト精神を期待するのは無理としても、ここまで露骨なヨイショ記事を書いていると、従来からの保守層読者もバカバカしくなって購読をやめてしまうのではないか?少なくとも、ミサイル発射実験で国際社会を騒がせている北朝鮮の悪口を言う資格はあるまい。将軍様を無批判に礼賛しているという点で、産経新聞も同じ穴の狢(むじな)なのだから・・・。

以上

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