【原発事故の避難基準】国民の生命がいかに軽んじられているか理解しよう。

図(原発事故の避難基準) 出典:阿部憲一氏のフェイスブック投稿資料

 上の図は、日本とウクライナの原発事故避難基準を比較したものです。

 チェルノブイリ原発事故で苦しんでいるウクライナ国民と比べて、日本国民の生命がいかに軽んじられているか理解して頂きたいと思います。これが安倍政権の我々国民に対する明確で具体的なメッセージなのです。

 ウクライナでは、原発事故から5年経過した時点で、年間追加被ばく線量が5ミリシーベルト未満で移住する権利が与えられています。0.5~1ミリシーベルトで医療支援が受けられます。

 これと比較して日本では、年間20ミリシーベルト未満ならば、元の居住場所に帰還することが許されているのです。福島原発事故前、日本での基準値は年間被ばく線量が1ミリシーベルト未満でした。しかし、事故後に原子力緊急事態宣言が発令され、緊急時の数値である年間20ミリシーベルト未満が適用されたのです。

 この年間20ミリシーベルト未満という緊急対応が、事故後6年経過した2017年3月時点になっても適用され続けています。なぜでしょうか?元の1ミリシーベルト未満に基準を引き下げると、 何百万~何千万にんという住民を避難させねばならなくなるからです。1%の権力層の利益を最優先にしている安倍政権に対して、当たり前の対応を期待するのは無理なのです。

 事故を起こした福島第一原発では、毎日、放射性物質が放出され続けており、溶融核燃料の場所や状態さえ確認できていません。従って、原子力緊急事態宣言を解除出来ないのは当然です。だからといって、緊急時の外部被ばく線量年間20ミリシーベルトを、住民帰還政策の基準にしてはなりません。本来なら飲み食いすら許されない放射線管理区域への住民帰還を許可するなど狂気の沙汰です。帰還を拒むという住民は、金銭的サポートが打ち切られるので経済的に困窮するのは明らかなのですが、日本会議と経団連に操られている安倍政権は気にする素振りすら見せません。悪魔の所業です。

 数字の話はまだ続きます。ウクライナの20ミリシーベルトと日本の20ミリシーベルトは意味が異なります。日本では、内部被ばくを無視したり、測定場所を高くする(地上1メートル)などして数値を誤魔化しているため、被ばく線量が過小評価されています。結論を言うと、ウクライナの20ミリシーベルトは日本での80ミリシーベルトに相当します。

 特に恐ろしいのは、放射性物質を体内に取り込むことで生じる内部被ばくです。人間の五感で検知できないからといって安心してはいけません。目に見えないものほど恐ろしいのです。詳しくは下記リンク先の記事を参照してください。

【福島原発事故の影響】放射性物質の中で生活するのはナゼ危険なのか?

 これだけ馬鹿にされて、なぜ日本国民は怒らないのでしょうか?原子力マフィアたちの巧妙なダマシ・隠ぺい工作の数々については、下記リンク先の記事を参照してください。あまりの悪質ぶりに唖然とするはずです。

【福島原発事故への対応】現実逃避するための、涙ぐましい「努力」の数々を紹介

【原発プロパガンダ】原発の広告宣伝はナゼ反社会的なのか?

 放射性物質に汚染された地域は少なくとも300年は居住することができません。何兆円もかけて無駄な除染作業をするくらいならば、そのお金を移住費用などに充てるべきでしょう。本来、日本政府が行うべき施策は下記の通りです。

①放射能レベルの正確な測定を日本全国で行い、結果を全て公表する。

②外部被ばくだけでなく内部被ばくの危険についても、最新の知見を国民へ提供する。

➂避難・移住地域選定については、最低限、チェルノブイリ基準を適用する。

④避難・移住先で不自由がないように、住居、仕事、収入については十二分に援助する。

⑤避難対象者の医療費については生涯無料とし、診断結果は本人へ丁寧に説明する。

⑥原発は即廃止し、福島原発も含めて廃炉作業は安全第一で進める。

 安倍政権をはじめとする原発マフィアがやっていることは全て、これらの原則に反しています。国民を危険地域に放置して、壮大な人体実験でもやりたいのでしょうか?実は、そうなのかもしれません。

 放射性物質は、目も眩むような閃光を発しません。鼻を突くような異臭がありません。耳をつんざくような爆音もしません。顔をしかめるような激痛もありません。だからこそ、科学的な知識、利害関係者以外からの情報、健康被害への想像力、冷静な思考力・判断力、雰囲気に流されない自律心などが必要になります。

 「見て見ぬふり」や「臭い物に蓋」は身を滅ぼします。国民は、自分の身は自分で守るしかないと思います。実被害がある時に「風評被害」などという言葉を被害者国民自身が多用するのは自殺行為です。喜ぶのは原発マフィアだけだ、ということを肝に銘じましょう。

写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

以上

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