【VW不正改造事件】絶対服従の雰囲気が悲劇をもたらす

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写真(独自動車大手フォルクスワーゲンのウィンターコルン前会長兼CEO) 出典:ロイター/Wolfgang Rattay
写真(独自動車大手フォルクスワーゲンのウィンターコルン前会長兼CEO) 出典:ロイター/Wolfgang Rattay

 フォルクスワーゲンは、約60万人の従業員を抱えるドイツの巨大自動車メーカーです。アメリカの排気ガス規制をパスするためにソフトを違法改造していた事件には、私も驚かされました。賠償金や売り上げ減などにより、天文学的な損害が生まれるのは確実でしょう。

 現代ビジネスの2015年10月12日付記事が関連内容を扱っています。リンクを以下に示します。

フォルクスワーゲン社の「恐るべき社風」とは~優秀な企業が陥りやすい罠に、VW社もハマってしまった スペシャルリポート!日本も他人事ではない

 上記リンク記事から一部を引用いたします。

引用始め
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フォルクスワーゲンは中央集権的な性格が強い企業として知られる。社員の中には、「上司の言うことは絶対であり、反論してはならないという、『不安に満ちた空気』があった」と語る者もいる。

フォルクスワーゲンが抱える4万人の研究開発陣から、不正のからくりを徹底的に追及する者が出なかった背景には、その「社風」があった。

「米国の厳しい規制に合格するために排ガスシステムを改善するには、多額のコストがかかります」

在ドイツジャーナリストの熊谷徹氏は言う。

「ドイツの市場関係者の間では、『一部のエンジニアがその提案を上層部に行って叱責されるよりは、不正ソフトによって規制当局のテストに合格する道を選んだのでは』との憶測が流れています」

ドイツのニュース週刊誌『シュピーゲル』のアルミン・マーラー記者は、9月26日号の巻頭言で次のように指摘した。

「ドイツの大企業の幹部には、自分は絶対に間違わないと思い込む者が多い。目標を達成するためには、どのような手段も正当化する。フォルクスワーゲンの場合には、トヨタを追い抜いて世界の自動車市場のナンバーワンになること、これが最大の目標だった」

トヨタを追い抜くという目標のために分別を失い、不正行為に手を染めた—あるいは、見て見ぬふりをしたというわけだ。マーラー記者は、フォルクスワーゲンは大企業が陥りがちな傲慢さとうぬぼれを捨てるべきだとも記している。
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引用終り

 私もサラリーマンを長年やってきた経験から、フォルクスワーゲンの不祥事は他人事に思えません。上司の言うことには絶対反論してはならないという雰囲気から、様々な問題が発生するのを見てきました。

・100%のイエスマンでなければ社内出世できず、意見を言うものは干される。
・経営幹部であっても、トップに一度でも反論したが最期、左遷される。
・サービス残業が違法行為と判っていても、誰も異を唱えず、事態が悪化・エスカレートする。
・社員性悪説に基づく管理を行い、どんどん裁量権を奪うので仕事がやりにくくなる。
・遊びや余裕がなくなるので、息苦しい澱んだ雰囲気になる。
・親身になって会社方針に協力しようという気持ちが社員から無くなり、新しい提案が出なくなる。
・従順だが主体性のない、社内下請け業者のような社員ばかりとなる。
・経営幹部・管理職クラスも自分の身を守るだけで手一杯なので、部下を育てるという視点が無い。
・意思決定の場から女性が完全に排除されている。
・福島原発から数十キロしか離れていない所に、原発事故以降、事業所を開設する。社員は誰も不安を口に出せず、言われるがまま赴任・出張させられる。

 会社システムの中では、民主主義的雰囲気が育ちにくいのは確かです。狭い世界だと思います。山本太郎議員が、安倍総理に対して堂々と論戦を挑むことが出来る国会をうらやましく感じることがあります。

写真(山本太郎議員) 出典:saigaijyouhou.com
写真(山本太郎議員) 出典:saigaijyouhou.com

 別に100%民主的な制度を会社システムに導入すべきとは思いませんが、トップに立つものは部下との気楽で真面目な雑談を少しは心掛けた方がいいでしょう。上に意見を言いやすいという雰囲気が少しくらいは無いと、大切な情報が上がってこなくなります。事実の詳細を把握している末端の従業員が、クレームなどのマイナス情報を出さなくなったら大変です。

 軍隊のように上意下達を強制していた方が精神的には楽かもしれません。しかし、部下とのやり取りの中から、自分の誤りや自分に足りない見識を見つけるという努力を経営者が怠ると、いつの間にか会社が傾くという事態を招く可能性があります。フォルクスワーゲンの事例は他山の石とすべきでしょう。

以上


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投稿者:

J Iwasaki

J Iwasaki

大学卒業後、民間企業に勤めています。 皆さんに役立つ情報を提供したいと思い、ブログを始めました。 気軽に読んで頂けると嬉しいです。 なお、ブログ記事の無断転載は法律で禁止されています。 どうぞよろしくお願いいたします。

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