熱中症を警戒すべき時期にオリンピックを開催するのはナゼか?

東京オリンピックは、2020年の7月24日から8月9日にかけて開催される予定です。統計的には猛暑が予想される時期ですが、特に屋外で行われるスポーツ競技で選手が熱中症にならないか心配です。

 私が個人的に一番心配しているのはマラソンです。

 まだ二十代の頃、真夏に10kmを50分位かけて走ったことがありますが、その時はフラフラになった記憶があります。昔どこかのオリンピックで、30℃を超えた条件でマラソンを行った結果、優勝候補の選手が途中で倒れて棄権した場面をテレビで見ました。夏の暑い時期に炎天下で長距離走るのは危険なのです。野生動物たちは暑いときには日陰でじっとしていますが、あの姿こそが正しいのです。

 私が小学生だった頃は、学校行事として2〜3km程度のマラソンに取り組んでいましたが、冬の一時期だけでした。正月恒例の箱根駅伝も冬の寒い時期に行われます。夏季オリンピックと呼ばれてはいますが、熱中症で毎日多くの人が救急車で運ばれるような時期をわざわざ選ぶ必要はないはずです。ナゼ、もっと涼しい時期に開催しないのでしょうか?理由は下記の通りです。

アメリカでは、アメリカンフットボール・バスケットボール・アイスホッケー・野球の4つの人気スポーツがある。

野球は夏の時期も行われるが、それ以外の3つは夏以外の時期に実施される。

何か大きなスポーツイベントは夏にやってもらった方が、全体としてうまく分散できる。

もしもオリンピックを秋などの涼しい時期に開催すると、他の人気スポーツ番組の視聴率を下げる原因になる。オリンピックのテレビ視聴率を抑制する原因にもなる。結果、スポンサー収入が落ちてしまう。

オリンピックを夏に開催すれば年間を通した番組視聴率を高くすることができるのでスポンサー料が多くなる。

IOC(国際オリンピック委員会)は、アメリカテレビネットワークから支払われる放映権料に依存しているので、視聴率を高くした方が収入が多くなる。

IOCはオリンピック開催候補地に対して、7〜8月に実施するよう要請した。

 熱中症を防ぐといった健康管理は後回しにして、金儲けを優先する構図が良く理解できますね。

 1964年の東京オリンピックは10月、1988年のソウル五輪は9月中旬から10月初めに行われていますが、1990年以降は、シドニーを除きすべてが夏に実施されています。

 昨今のテレビニュースで、「今日で東京五輪の開会式まで○○年となりました。」と説明していますが、その直後の天気予報で、「熱中症には厳重な警戒を」「野外での運動は控えてください」と言っていました。もはやギャグにしか思えませんね。熱中症とオリンピック開催の危険性を結びつけることを、故意に拒否しているのです。

 熱中症の危険があると分かっているなら、オリンピックの開催を喜んではいけないし、理不尽な真夏開催の背景を探るなどしてほしいものです。

 このままでは、ブラックボランティアに関わる国民たち・海外からの選手・観光客が、熱中症でバタバタ倒れることは確実です。都合の悪い事実は隠蔽して報道しなけりゃいいやと思っているのでしょうか?(海外メディアの口は防げませんが・・)

 とにかく、オリンピック憲章の精神に従って、暑さも含めた安全面をもう一度考え直す時期に来ています。時期を変更するなり、返上するなりの英断が必要です。皆が思考停止して戦中のインパール作戦を繰り返すことだけは避けねばなりません。

以上

コメント

  1. 麻生博美 より:

    こんにちは。初めまして。時々拝読させていただいています。成る程と思う良い記事が多いので、ツィッターに投稿させていただきます。

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