【敵国によるミサイル攻撃?】安倍総理の作り話を山本太郎氏が論破した件

写真(原発への弾道ミサイル着弾の影響について、山本太郎議員が安倍総理を追い詰める) 出典:参議院議員山本太郎のオフィシャルホームページ

写真(原発への弾道ミサイル着弾の影響について、山本太郎議員が安倍総理を追い詰める) 出典:参議院議員山本太郎のオフィシャルホームページ

 戦争遂行のための国策プロパガンダとして、イギリスの政治家アーサー・ポンソンビーは次の10要素を導き出しました。

1.われわれは戦争をしたくはない。
2.しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
3.敵の指導者は悪魔のような人間だ。
4.われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命(大義)のために戦う。(正戦論)
5.そしてこの大義は神聖(崇高)なものである。(聖戦論)
6.われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為におよんでいる。
7.敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
8.われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大。
9.芸術家や知識人も正義の戦いを支持している。
10.この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である。

 安倍総理も例外ではなく、憲法違反の安保法制を推し進めるために敵国の名を具体的に挙げています。中国や北朝鮮の脅威が高まっておりミサイルが飛んでくる可能性がある、と述べています。敵国を名指しして恐怖を煽ることは、安保法制反対運動を抑えるのに有効だと思います。日本人は、お上の言うことを素直に信じるように教育されていますので。しかし、安倍総理自身は、実際にミサイルが飛んでくるとは思っていません。現実に日本へミサイルが飛んでくる可能性はありません。ミサイルは、都合の良い想定として用いているだけです。そういう脅威から国民の生命と財産を守るのが安保法制なんだ、と言いたいわけです。

 「ミサイルが飛んでくるぞ!」という安倍総理のウソを利用して、山本太郎議員が安倍総理を追い詰めていく場面が国会でありました(2015年7月29日)。そのビデオを以下に紹介しますので御覧ください。

山本太郎 安倍晋三を問いつめる【抜粋20分版】原発へのミサイル攻撃に無策(20分38秒)

 ビデオの中で山本議員は、安倍総理に対して次のように質問しています。

「総理、さまざまな事態を想定し、各種シミュレーションを行っているそうでございますが、川内原発の稼働中の原子炉が弾道ミサイル等攻撃の直撃を受けた場合、最大でどの程度、放射性物質の放出を想定していらっしゃいますか?」

 安倍政権としては本音では、ミサイル攻撃自体があり得ないと思っているので、ミサイル攻撃による被害想定などしていません。

原子力規制委員会の田中俊一委員長の答弁:
「弾道ミサイルが直撃した場合の対策は求めておりません」

山本議員の質問主意書に対する安倍総理の回答:
「仮定の質問であり、お答えすることを差し控えたい」

安倍総理の答弁:
「武力攻撃事態はですね、その手段、規模の大小、攻撃パターンが異なることからですね、実際発生する事態もさまざまであり、一概にお答えすることは難しいということでございます」

山本太郎議員の反論:
「でも、考えてみてください。今回の(安保)法案の中身、仮定や想定をもとにされてませんか?“A国がB国に攻撃をしかけた”“友好国のB国から要請があり、新3要件を満たせば武力行使ができるのできないの”、これ、仮定ですよね? 仮定でしょ。仮定でよくわからないとごにょごにょ言うわりには、仮定で物事をつくっていこうとしてるんですよ」

「都合のいいときだけ仮定や想定を連発しておいて、国防上、ターゲットになりえる核施設に関しての想定、仮定、できかねますって、これどんだけご都合主義ですか?って話だと思うんです。“我が国を取り巻く安全保障環境、著しく変化”してるんでしょ? 飛んでくるかもしれないんでしょ、ミサイル。“中国が!北朝鮮が!”。いろんな話されてるじゃないですか。“10分で到達します!”。え、で、飛んできたときは? 何もできてませんよ。困りますよね。本気で守る気、あるんですか? この国に生きる生命、財産、幸福追求権守るんだったら、いちばん脆弱な施設、しかも核施設を、どのように防御するかを考えなくてはいけない・・・」

 さらに山本議員は川内原発にミサイルが撃ち込まれた場合の防災計画についても質問していますが、大庭誠司・内閣官房内閣審議官は、事態が発生してから対策を考えるという回答しかできませんでした。何も考えてないということがバレてしまいました。ミサイル攻撃のことなど考える必要がないから考えてないのです。

 敵国からのミサイル攻撃などから国民の生命と財産を守るのが安保法制なんだ、と安倍総理は主張しています。しかし、本音ではミサイル攻撃など想定しておらず、国民の恐怖心を煽るためにウソを言っているということが証明されました。安倍政権に対する山本議員のカウンタープロパガンダ(敵のプロパガンダに対抗するためのプロパガンダ)が成功した事例です。

 そもそも、貿易や国際交流がこれだけ活発になった現代において、戦争など起こしたらお互い損なことばかりです。侵略した側も経済的損失を負い、社会機能が低下するのです。自国のマイナスになることはしないのが外交の基本です。プチ覇権主義やプチ軍国主義のファンタジーに溺れている安倍総理など相手にする必要はありません。ネトウヨの皆さんも、いい加減、目を覚ました方がいいです。

最後に:
 山本太郎議員による、この貴重な国会追及場面はテレビニュースでほとんど取り上げられていません。大手を中心に御用メディアばかりなので、安倍政権にとって都合が悪い部分はカットされてしまうのです。結果として、国民が疑問を持つ機会が奪われています。

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以上

コメント

  1. より:

    抑止力の問題ですよ。そもそも戦争なんて想定していない。想定しているぞってて帰国に見せることがこの法案の本当の意味。

  2. ふろんた より:

    まずミサイルによる原発攻撃は想定しています。
    但しこの検討内容を公表することは基本的にありません。
    敵を利するだけだからです。
    私が想定した検討内容は以下の通りです。
    1.現行ミサイルの精度で原子炉の建屋に命中させる精度はそれほど高くない(おそらく10%ぐらいではないだろうか?)
    2.現在日本が保持しているミサイル迎撃システムの実験では90%以上のミサイルの迎撃に成功している。
    3.つまり現状の防衛力で勘案すると100発のミサイルを発射して原発に命中するのは1発ということである。仮に命中した場合は福島の再来の可能性は考えられる。これについては原発の大事故による原子炉の
    爆発を防ぐ正しい手順の確立と復旧方法について検討が必要といえる。

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