経団連の榊原会長は、2016年12月26日に開かれた会合の挨拶で、日本経済について、「個人消費はようやく底這いから脱しつつある」「来年は正念場の年だ」と発言し、政府や民間が協力して景気回復に取り組むべきだという認識を示しました。その一方で、安倍政権に対しては、「国民の痛みに伴う改革にも、真正面から取り組んでもらいたい」と述べ、社会保障制度改革や財政健全化の実現に向けて注文をつけました。
長年の自民党政治によって、国民はかなりの痛みを感じてきたという事実を、経団連の榊原会長は知らないのでしょうか?知っていても知らないふりをして、もっと搾取してやろうと考えているのでしょうか?その一方で、自分が属する大企業群や幹部たちが必要以上に優遇されてきた事実を知らないはずがありません。
下の図を見ると、1989年に消費税が導入されて以降、徴収された消費税収は、法人税率引き下げのために使われてきたことがよく解ります。所得が低い庶民ほど負担が重い消費税の税率をどんどん上げている一方で、大企業を優遇しているのです。経団連傘下企業の自民党に対する多額の政治献金や、選挙での応援がとても効いています。経団連はお金の力で政治を操っています。
例えば、トヨタ自動車は様々な優遇税制をフル活用することで、多額の利益を上げているにもかかわらず法人税をほとんど払っていません。
企業の内部留保はドンドン蓄積されていますが、有効に活用することができていません。無駄ですね。お金を貯めること自体が目的化してしまったのです。こういうのを無能と言います。
企業経営者の器が小さくなってきたせいか、従業員をコストとしか見なせず、目先の利益を上げるために非正規雇用の割合を高めています。政府は労働規制を緩めて雇用の不安定化の後押しをしています。
大企業としては、長時間労働させても残業代は払いたくない、過労自殺の悲劇が起こっても知ったことではない、というのが本音です。
家計の貯蓄率はドンドン低下しており、近年ではとうとうマイナスになってしまいました。これでは、消費が活発化するはずがありません。
東芝では長年に渡って粉飾決算という犯罪が行われてきましたが、歴代3社長には多額の報酬が支払われてきました。自民党を裏から操っている経団連には傘下企業がたくさんありますが、この手の事象は氷山の一角に過ぎません。
国会議員たちも多額の収入を得ています。一位は、ブラック企業の創業者で自民党公認の渡邉美樹さんです。
詐取される側の庶民たちはますます生活が困窮し、貧困率も上昇の一途を辿っています。
悪徳権力者による搾取で生活が成り立たなくなった場合、最後の砦が生活保護制度です。しかし日本では、生活保護を受けるべき人のうち実際に利用できているのは二割以下です。わざと利用しにくくしたり、申請者を追い返したり、情報の周知を行政側が怠っているためです。
貧困とは無縁の権力者たちは、国民から徴収した税金で豪遊を繰り返しています。
年金の支給開始年齢はドンドン引き上げられていますが、75歳まで上げることを検討するようになりました。何百兆円という大金を国民から徴収したのは、国民の老後の生活を安定させるのが目的ではありません。それは大義名分です。グリーンピアなどの無駄な箱モノを全国に作ったり、天下り先を無数にこしらえたりして、官僚・政治家たちが不労所得を得るのが真の目的です。こういう輩を、ゴクツブシといいます。
安倍政権では、多額の年金を株式市場に投入して運用する動きが顕著になりました。国民のためを思って、年金資金を増やそうとしている訳ではありません。株高を演出して、内閣支持率を上げるのが目的です。損失が出ても誰も責任を取りません。大笑いしているのは、売り逃げして莫大な富を得ている強欲投資家たちです。
最後に:
自民党政権をこのまま続けさせれば、事態はもっと悪化します。惰性で自民党に投票してきた庶民の皆さん、そして、面倒くさいから選挙を棄権してきた庶民の皆さん。死にたくなければ、一刻も早く目を覚ました方がいいですよ。
以上