小学生が作った議論のルール10選:
以前、ネット上で「フィンランドの小学5年生が自分たちで作ったという議論における10のルール」というものを見つけました。
1. 他人の発言をさえぎらない
2. 話すときは、だらだらとしゃべらない
3. 話すときに、怒ったり泣いたりしない
4. わからないことがあったら、すぐに質問する
5. 話を聞くときは、話している人の目を見る
6. 話を聞くときは、他のことをしない
7. 最後まで、きちんと話を聞く
8. 議論が台無しになるようなことを言わない
9. どのような意見であっても、間違いと決めつけない
10. 議論が終わったら、議論の内容の話はしない
(出典:図解 フィンランド・メソッド入門)
議論をするには技術や経験だけではなく、他人を思いやる気持ち・共感力・誠実さ・想像力、なども必要になります。
人間としての全人格的な実力が要求されますので、短期間で身に付くものではありません。
特に日本人の場合は、学校の授業でも議論することがほとんどありませんし、実社会でも上意下達、ナアナア、もしくは口論が基本なので実践する機会は少ないでしょう。
よく、「日本人は国際会議の場で英語を使って議論できない」という話を聞きますが、「議論自体ができない」というのが正しいと思います。
さて、上記10個の各ルールについて私なりに内容を考えてみました。参考にしてください。
1. 他人の発言をさえぎらない
自分一人では無理でも他人と協力することで実現できることがたくさんあります。例えば、議論をすることで複数の異なる意見を出し合い、より良いアイディアを構築することが出来ます。すなわち、相手の意見を如何に上手く引き出すかが重要なのです。気持ちよく喋ってもらうには礼儀や配慮を示す必要があります。相手に喧嘩を売るような態度は論外ですね。
2. 話すときは、だらだらとしゃべらない
たとえゆっくりとした喋り方であっても、無駄がなく解り易い説明であればOKだと思います。しかし、意味不明で理解し難いことをダラダラ長時間話したりすると、聞かされる側は疲れてしまいます。
3. 話すときに、怒ったり泣いたりしない
自分の意に沿わないことを言われたからといって、泣いたりわめいたりしてはいけませんね。相手は遠慮して意見を言いにくくなってしまいます。冷静さを失うとまともな思考力が失われますし、実力がないのを自らさらけ出してしまうようなものです。
4. わからないことがあったら、すぐに質問する
あるテーマで議論する時にはお互いが必要な知識・情報を持っていることが前提だと思います。しかし、準備不足で知らない事柄が出てくることもありますので、そういう時は、その場で質問し不明点を解消しておく必要がります。解ったフリをされてしまうと、後々お互いに不利益が生じる可能性があるからです。その逆に、知っているのに知らないふりをするのも不誠実だと言えましょう。
5. 話を聞くときは、話している人の目を見る
6. 話を聞くときは、他のことをしない
自分が話しかけても、相手がパソコンの作業をしながら顔をこちらに向けることもしない場合があります。真面目に人の話を聞いていないと判断せざるを得ないので腹が立ちます。人が話しているうちに居眠りをしてしまうのは最悪ですね。議論になりません。
7. 最後まで、きちんと話を聞く
議論をする時、相手は自分が期待する内容をしゃべるとは限りません。話が予想より長くなってしまうこともあるでしょう。だからといって、途中で野次を飛ばすなど嫌がらせをしてはいけません。相手は軽んじられたと受け止め、喧嘩になってしまいます。
8. 議論が台無しになるようなことを言わない
あるアイディアの是非を検討するために議論をする場合があります。そのアイディアが100%正しいならば議論をする必要はありません。間違っている可能性があるのでわざわざ時間をかけて話し合いをするのです。アイディアの提案者は自信があったとしても謙虚に他人の意見に耳を傾けるべきです。「俺が言ってるんだから間違いない。何も心配するな。」なんて言われたら、議論に参加している人はシラケてしまいます。
9. どのような意見であっても、間違いと決めつけない
新しい提案については今まで実績が無いので、何か問題が発生する可能性があります。トラブル対応は大変なので、事前に様々な角度から検討し、リスクがないかどうか十分に検討する必要があります。色々な意見を出してもらえることを有り難いと思うべきです。
10. 議論が終わったら、議論の内容の話はしない
あるテーマについての議論は、その話し合いの場で言いたいことを全て出し尽くし、皆が納得できるように努力すべきです。全員が100%納得することはあり得ないかも知れませんが、努力はしなければなりません。発言をさせないまま議論を打ち切り強引に決定してしまうと、今後に禍根を残すことになります。
おまけ:
2022年11月にリリースされたChatGptにも、試しに訊いてみました。
以下が答えです。
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「議論を通じて革新的なアイデアを生み出すために最も重要なことは何か」という質問について、いくつかの重要な要素があると考えられますが、私は以下の3つが特に重要だと考えています。
- 開放的な思考:革新的なアイデアを生み出すためには、参加者全員が開放的な思考で議論に臨むことが重要です。つまり、異なる視点やアイデアに受容的であり、新しい情報を考慮し取り入れる意欲があることを意味します。
- アクティブリスニング:アクティブリスニングとは、相手が言っていることに完全に集中し、理解してから考えを述べることができる能力のことを指します。相手の話にアクティブに耳を傾けることで、参加者同士がお互いの視点をより理解し合い、それを基により革新的なアイデアを生み出すことができます。
- コラボレーション:革新にはしばしば、異なるバックグラウンド、経験、専門分野を持つ人々とのコラボレーションが必要とされます。協力して意見を磨き合うことで、より多様なアイデアや解決策が生まれるとともに、潜在的な課題や制約を特定することができます。協力してアイデアを洗練させ、より革新的な解決策を生み出すことができるでしょう。
以上のように、開放的な思考、アクティブリスニング、コラボレーションを促進する環境を作り出すことで、参加者は本当に革新的なアイデアを生み出すことができます。
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フィンランドの小学生でもAIでも、議論のルールに関しては似たようなことを言っていますね。
何かのお役に立てば幸いです。
以上