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「子供をたくさん産んだら表彰してやろう」という政治家の発言に共感できますか?

写真:自民党の山東昭子議員

 朝日新聞によると、2017年11月21日に行われた自民党の役員連絡会で山東昭子・元参院副議長は次のような発言した。

「子供を4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」
「女性活躍社会で仕事をしている人が評価されるようになって、逆に主婦が評価されていないという声もあるので、どうだろうかと発言した」

 申請制にして希望者を表彰する案だというが、随分と時代錯誤な考えだなというのが率直な感想だ。安倍総理は少子化を国難だと考えているようだが、政府に褒められたいから子供を産もうと考える人などいる訳がない。

 山東 昭子氏(さんとう あきこ、1942年5月11日)は、元女優・テレビタレントで、参議院の当選回数7回は史上最多だという。1974年、田中角栄内閣総理大臣(当時)に請われて参議院選挙自由民主党公認で出馬し、約125万票を得て32歳の最年少参議院議員として初当選した。タレントとしての知名度が有利に働いたのだろう。

「日本会議国会議員懇談会」、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」に所属しているくらいだから、政治家としてマトモな見識は期待できない。2016年の相模原障害者施設殺傷事件を受けて、「犯罪予告やほのめかした人物、再犯の恐れのある性犯罪者などに対して、GPSを埋め込むようなことも含めた議論をすべき」との考えを示している。権力が国民を監視することを正当化したいのである。

 山東昭子議員は、2014年の第186回国会において、大臣、副大臣、政務官、補佐官、議長、副議長、委員長のいずれの要職にもついていなかったのみならず、質問、議員立法、質問主意書提出のいずれもなかったことが指摘された。自民党議員は、違憲法案を成立させるための数合わせ要員に過ぎないが、その中でも怠惰な部類に属するのだろう。ちなみに山東氏は、暴言王として有名な麻生太郎氏の派閥に属する。

 女性の出産をめぐる政治家の問題発言で有名なのは、2007年に柳沢伯夫厚労相(当時)だ。「女性は子どもを産む機械」と述べて、安倍晋三首相が陳謝している。また、2009年には当時の麻生太郎首相が、「(自分には)子どもが2人いるので、最低限の義務は果たしたことになるのかもしれない」と発言し、その後、撤回している。山東氏の「4人以上出産した女性を表彰」発言も、戦前回帰内閣にふさわしい妄言として歴史に刻まれることだろう。

 山東議員の発言は、戦前の「産めよ殖やせよ」と同じである。旧ソ連でも10人以上出産した女性を「母親英雄」として叙勲して特典を与える制度があった。

 また、ナチスが4人以上の子を産んだ母親に「母親十字章」なる勲章を授与したことを想起させる。

 山東氏は、「頑張って子供をたくさん産んだら表彰してやろう」と言えば、国民が喜んで協力してくれるとでも思ったのだろうか?上から目線も、ここまで度を越していると見事である。子供のいない夫婦に対して増税してやろうという発想と表裏一体だ。

 言うまでもないことだが、少子化を食い止めたかったら、安心して生み育てられるような環境整備をするのが一番良い。子育てに必要なお金と時間が無くて苦しんでいる現実を直した政策を実行すべきだ。そのうえで、産む・産まないなど個人的なことは各自の選択に任せればよい。

 自民党の愚か者議員たちは、出生率アップに成功している諸外国の事例に学ぶなど、政策の勉強をする気はさらさら無いようだ。もちろん教育関係に使うお金を増やす気もない。「たくさん産んだら褒めてやるぞ。産まなかったら罰金だ」という一番安易な発想をしているのである。安倍亡国政権は基本的に、99%の庶民から搾取し1%に貢ぐことを目的としている。搾取の究極的な形が徴兵制度だ。紙ぺら一枚で命を差し出せと言い出す日も、そう遠くはあるまい。

 あなたは、「子供をたくさん産んだら表彰してやろう」という政治家の発言に共感できますか?このまま安倍政権が続けば、人間が暮らしやすい社会が実現すると思いますか?

以上

JUN: こんにちは。JUNといいます。 中年の男性です(既婚者)。 大学卒業後に民間企業(メーカー)に勤め、いつの間にかベテランと言われる年齢になりました。 皆さんに役立つ情報を提供したいと思い、ブログを始めました。 政治社会問題を扱うことが多いです。 れいわ新選組の山本太郎さんを支持。 難しい問題を分かり易く丁寧に解説するのが基本方針。 気軽に読んで頂けると嬉しいです。 その他プロフィール: ・大学は理系の学科を卒業 ・働きながら通信教育で心理学と人間行動学の修士号を取得 ・独学でTOEIC940点を達成(2020年1月) なお、ブログ記事の無断転載は法律で禁止されています。 どうぞよろしくお願いいたします。