いわゆる美人コンテストについては賛否両論ありますが、その是非をこの記事では取り上げません。
さて、2015年のミスユニバースジャパンに宮本エリアナさんが選ばれました。彼女は日本で生まれ、ずっと日本で暮らしてきました。
海外メディアは競うように彼女のことを取材しているのですが、日本のメディアはほとんど無視しています。なぜでしょう?
無視するだけでなく、「ハーフをミス日本に選んでいいのかよ?」「彼女が日本代表だなんて気分が悪いわ!」、などの中傷を浴びています。なぜでしょう?
この件に関してBBCが報道しているビデオを見つけましたのでご覧ください。(2分35秒)
こちらがBBCの記事リンクです。↓(2015年6月4日付)
「The beauty contest winner making Japan look at itself」(ミス日本が日本社会を見直すきっかけを作った)
以下は私の意見ですが、宮本エリアナさんが、ハーフでない他のミス日本と異なる扱いを受けている原因を述べます。
1)日本に住む外国人の割合が極めて低い。
移民は全人口の1%程度に過ぎませんし、そのほとんどが中国人と韓国人です。日本は他国とは海で隔てられた島国という地理的要因も大きいでしょう。日本人とだけ交流をして一生を終わる、という人がほとんどなのではないでしょうか?
このような状況下では、ハーフを日本人だと素直に認識できる人は稀でしょう。大なり小なり戸惑うのが普通です。
2)思考停止で、ステレオタイプ的なものの見方しかできない人が多い。
ある言葉を聞くと、固定化・単純化されたイメージしか思い浮かべないのです。自分独自の考えを進歩・発展させようという態度に乏しいのは、知的怠惰といえます。忙しさを言い訳にして惰性で生きていると、視野が狭く固定観念に囚われたままになり易いのです。
外国と異なり、日本人は議論の仕方を学校で学びませんし、お上の言うことを素直に受け入れるように教育されます。自発的隷従(=奴隷根性)という情けない知的怠惰が日本で蔓延しています。「常識」にとらわれ、ステレオタイプ的なモノの見方しかできない人が多数派になってしまうのは当然でしょう。政府広報御用メディアの跋扈もこれに拍車をかけています。
上記1)、2)が原因となり、日本人の間では、無意識のうちに肌の色による人種差別感情が醸成されているのです。無意識、すなわち自分でも気づいていないので厄介です。結果として、ハーフの宮本エリアナさんをミス日本として素直に受け入れることができないばかりか、差別・誹謗・中傷発言も生まれました。
最後に:
政府は英語教育に力を入れようとしていますが、たとえ語学を堪能にしても、それだけでは国際化への対応はできません。日本人が持つ基本的な態度や考え方に対しても問題意識を持ち続けることが必要です。
BBCの記事の中から宮本エリアナさんの意見を引用して本記事を終わりにしたいと思います。
「There will be more and more international marriages and there will be more mixed kids in the future. So I believe we need to change the way of thinking for those kids, for their future.」
(国際結婚やハーフの子供は、これからどんどん増えるでしょう。その子たちの将来のためにも、我々日本人は考え方を変えなきゃいけないと思います。)
以上