自己責任という言葉は、ウソとゴマカシですっかり汚れてしまったと思います。
自己責任とは、「自分の判断で行った行動の結果については、自分自身で責任を負う」という意味ですが、最近は、次のような使い方をされるケースが増えてきました。
以下、アンサイクロペディアより引用
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・高齢になれば働けなくなるのは当然であり、自己責任において老後の備えをすべきである。
・一家の働き手(夫や父親が多い)が唐突に事故死して収入を失っても、そうした事態に対して十分な備えをしてこなかった家族が悪いのであり、自己責任で処理すべき問題である。
・派遣労働者が切り捨てられるのは自己責任である。そもそもスペックが高ければ正規雇用の職を取得できているはずであり、派遣会社の過剰なマージン搾取などは事実無根の誹謗中傷である。
・福知山線脱線事故で沿線のアパートが被害を受けたが、これは鉄道敷、しかもカーブの外という、事故に巻き込まれる可能性の高い土地に住居を選んだ住民たちの自己責任であり、賠償を求めることはできない。
・福島第一原子力発電所のメルトダウンは地震や津波に備えていなかった東京電力の自己責任と思えるかもしれないが、「原発列島」と呼ばれる程原発の多い日本に住んでいた日本人の自己責任であり、政府や東京電力には一切の過失は認められないので国民全員に痛みを感じていただく(自民党・経団連談)。
・東日本大震災での津波被災者は、元来津波の危険性が容易に予見できる海沿いの低地をわざわざ選んで居住していたのだから天災といえども自己責任であり、みだりに国家に救済を求めたりなどすべきではない。津波に流されて行方不明になっても自己責任である。
・広島土砂災害では甚大な被害が発生したが、当該地区は古来より同様の災害が多発していた地域であり、そのような場所にろくに調べもせず居住した住民が悪いのであり、自己責任である。
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引用終り
参考リンク↓
「自己責任」
2017年4月4日の記者会見で今村復興大臣は、「原発事故避難者への支援打ち切りは国の責任放棄だ」と指摘されてブチ切れてしまいました。公の場で発狂してはいけませんね。彼は「自主避難は自己責任でやれ」と言っていました。「文句を言わず帰ってこい。放射線管理区域で生活しろ」と言っているのと同じです。ひどいですね。
「自己責任」という言葉は、権力者や企業経営者が自分の責任や義務を回避し、被害に遭った弱者に責任を押し付けたい場合によく使われるようになりました。権力者側だけでなく、多くの国民が同調し、自己責任論を振りかざしながら弱い者いじめをしています。ネット上でのバッシングはひどいものです。彼らはなぜ、権力者の自己責任論に簡単に同調してしまうのでしょうか?理由をいくつか考えてみました。
・他者への共感能力が欠落しており、視野が狭い。
・自分も被害者になる可能性がある、という想像力が働かない。
・権力者の暴論でも同調していた方が楽。権力者に反論するのは労力を要する。
・自分の頭で物を考え判断する習慣がないので、簡単に流されてしまう。
・弱い者いじめをして憂さ晴らしをしたい。
・単純に、被害者が金銭的補償を受けるのが許せない。
・同調圧力が強い日本社会において、被害者がお上に対して声を上げる行為自体が許せない。
国民がしっかりしていれば、自己責任論を安易に振りかざす政治家・権力者が跳梁跋扈することはないでしょうから、国民側にもかなり責任がありそうです。
自己責任という言葉を使うこと自体は悪いことではありません。正しい使い方をしていれば害はないでしょう。卑しい人間により悪用されていないかどうか、慎重に見極める必要があると思います。
以上