ネトウヨさん達がこんな記事タイトルを見たら烈火のごとく怒りそうだが、事実なのだから仕方がない。
結論を先に言おう。「自民党+公明党+希望の党+日本維新の会」は、日本を破壊する集団であり、共産党こそが保守愛国集団である。なぜそう言えるのか?理由を以下に述べる。
1)国会での乱暴な手続き
「多くの国民が持つ良識や経験を最大限汲み取り、時間をかけて慎重に議論し、少しずつ変えていこう」というのが保守思想の王道である。不完全な人間が拙速に事を進めれば必ず失敗するという謙虚さがベースにある。国民の少数派の票しか得ていない自民党が国会で議席の多数を占めてしまうような欠陥選挙制度の元では、なおさら慎重さが求められる。
自分は選挙で選ばれて、国会で総理大臣に指名されたんだから、あとは俺の好きなようにやらせてもらうという安倍総理のスタイルは明らかに間違いであり、民主主義の冒涜である。質問にもまともに答えず、形式的な審議時間が経過したら、多数決で強行採決を繰り返すことが許されるなら、議会など不要であろう。橋下徹氏も安倍総理と同様のスタイルに魅了されている。
アジア・太平洋戦争で犠牲となった310万人の日本人と2000万人以上の近隣諸国民の“死者の叫び”が、日本国憲法には込められている。これら犠牲者が礎となり日本国憲法は生まれ、歓迎され、定着し、効力を発揮し続け、世界中の国から尊敬されているのだ。手続きに時間のかかる民主主義制度は、私たちに対する歯止めの役割を果たしている。議論をすっ飛ばして、閣議決定で簡単に歴代政権の憲法解釈を覆すようなやり方は権力の暴走であり、死者への冒涜であり、愛国保守とは相いれない。
2)自公政権が進める弱肉強食の上意下達社会
下図が分かりやすいので見て頂きたい。
図の縦軸は税金の配分方法である。下に行くほど自己責任が強調される弱肉強食社会になり、強者すらも安心して暮らせない状態となる。上に行くほど、みんなで支え合う仕組みが充実している。図の横軸は価値観を表しており、左側は寛容で個人の価値観や違いを尊重する。右側に行くほど、硬直化した権威主義になりやすく、画一的な価値観を押し付ける傾向が強まる。
弱肉強食で上意下達の戦前社会を目指す安倍自民党は、間違いなく、図の右下領域に属する。自民党のゴバンザメに成り下がった公明党、安倍さんと価値観を共有する小池百合子氏の希望の党や日本維新の会も同様だ。旧日本軍の侵略戦争という歴史的事実に向き合う勇気がなく、在日韓国人排除を叫ぶだけの人間は、多様性や寛容性という言葉と無縁だ。形だけ国際化や夫婦別姓を唱えても内実が伴わなければ選挙向けのアピールに過ぎない。
立憲民主党、共産党、社民党は自民党と真反対であり、上図の左上領域に属する。今の安倍自民党よりも遥かに国民の信任が厚かった昔の自民党政権とも部分的に連携し得る立ち位置である。保守勢力として国を維持発展させたいならば、この立ち位置にいなければならない。図の右下に位置するの安倍自民党その他は、保守ではなく、社会の劣化要因であり、反動集団と言わざるを得ない。
3)雇用・経済政策
グローバル資本主義や新自由主義が暴走し、アメリカ社会は人間がまともに暮らせる所ではなくなった。この事実を反面教師とするならば、TPP・日豪EPA・日米FTAに反対するのは当然である。内部留保を貯め込む大企業へ応分負担を求め、高所得者の税率を上げ、逆進性の高い消費税率を下げることも格差低減のために必要だ。地方における零細企業の雇用を守る、農家の所得を護る、国民の生活を守る政策は保守的なものであり、共産党のそれと一致する。
一方、安倍政権が5年間続けてきたアベノミクスは保守とは真反対の政策であり、国民生活破壊行為に等しい。1%以下の国民にしか恩恵が感じられず、格差の拡大を招いただけなので失敗である。派遣社員などの不安定な非正規雇用割合が増え、企業の利益が労働者に行き渡らないシステムが強化された。搾取労働や過労死に疑問を持たないブラック企業が蔓延したのは、安倍政権の「成果」の一つである。国民から集めた年金資産を株式市場に注ぎ込み、リスクに晒し、内閣株高を演出して支持率アップのために利用している。これはエゴの極みであり、喜んでいるのはグローバル企業だけだ。経済の健全な発展を妨げ、国民生活を破壊する者を保守とは呼べない。困っている国民がいたら助けましょうという連帯意識を持っていない政治家は愛国者ではない。
4)原発政策
原発という巨大で複雑なシステムは故障が頻発しやすく、本質的に不安定で危険なものだ。その原発を地震大国である狭い日本に50基以上も建てるなど、狂気の沙汰である。大量に発生した核のゴミは10万年以上管理せねばならず、子々孫々の負担となる。福島第一原子力発電所の事故で大量の放射性物質が拡散し、放射線管理区域に何百万人という人間が放置され、健康被害に怯えながら暮らしている。この期に及んで原発再稼働を進めようとしている自民・公明・希望・維新には、愛国心のかけらもないし保守政党でもない。再稼働させずに直ちに廃炉プロセスを実行する政策を掲げる共産党こそが、本物の保守政党である。
5)日米関係・自衛隊
日米安全保障条約の下に、在日米軍の法的な特権について定めた日米地位協定というものがある。日米地位協定の具体的運用方法について、日本の官僚と米軍側が「日米合同委員会」で毎月会議をしているのだ。議事録もあるが、記録されない密約も多々あり、国民に対しては原則非公開だ。
日米合同委員会に出席するのは官僚の中でもトップに位置する人たちだが、米軍側の意向には逆らえない。その会議での決定事項は絶対であり、日本国内の憲法や法体系よりも優先される。自民党は官僚機構によりコントロールされている政党なので、日米合同委員会の決定に反するような政策を進めることはできない。沖縄県民の反対が強くても基地工事を「粛々と進める」しかないのだ。アメリカの国務省が2006年に認めた通り、自民党は結党当初からCIAより資金援助を受けており、アメリカのコントロール下にある。
日本政府は、義務でもないのに毎年何千億円という「思いやり」予算を米軍に献上して駐留して頂いている。自ら進んで属国になることを望んでいるともいえる。奴隷根性丸出しだ。日本が真の独立国になるのはいつのことなのか?
東京の上空はアメリカに抑えられていて、羽田から飛び立った飛行機は大きく遠回りせざるを得ない。米軍が事件や事故を起こしても、日本の法律で裁くことが出来ず、加害者はロクに罰せられることもない。実質的な治外法権が長年に渡り続いてきたのだが、安倍政権のアメリカ隷従は、歴代自民党政権の中でも特にひどい。
アメリカは長年の戦争により国内がすっかり疲弊し、国民の理解も得にくくなっている。しかし、軍需産業を儲けさせ続けなければならないので、戦争を止める訳にはいかない。そこで、植民地である日本の自衛隊に米軍の代わりをさせることを考えた。これが、集団的自衛権を可能にする安保法制を日本に要求した理由である。素直な安倍総理は、日本国民に説明する前に、アメリカ議会で安保法制成立を約束するという暴挙に出た。
その後の、反則技を多用した違憲立法強行採決はご存じのとおりである。つまり、安倍自民党は、国民の生命・財産をアメリカに売ったのである。まさに売国奴であり愛国心のかけらもない。日本の主権を取り戻そうという気概がない以上、絶対に保守とは呼べない。
一方、共産党は正反対の政策を掲げている。日米安保条約の破棄をアメリカへ通知し、別途、日米平和条約を結び、駐留米軍は不要なので撤退してもらう。これは、主権を取り戻そうという強い意志であり、保守の本道である。外交は最大の防衛であり、武力に頼らない平和外交にいそしむというのも現実的な考え方であろう。北朝鮮のミサイル騒動でも危機を無理に煽っていたのは日本の安倍総理だけであり、他の国は対話での解決というリアリズムを追及していたのだ。
共産党は、自衛隊をすぐに廃止するなどと言う非現実的なことは言っていない。当面は継続し、縮小に向けての努力を続けるという現実路線であり、柔軟な態度を示している。その際、憲法九条の戦力不保持は人類の理想を示した目標として重要であり、この目標があるから努力の継続が可能になるのだ。これほど愛国的な姿勢があるだろうか?わざと危機を作り出し、国民に不安を与える安倍自民党とは正反対である。
まとめ:
自民党とその補完勢力よりも、共産党の方が愛国的で保守的である理由がお分かり頂けただろうか?自民党の方が保守だなどという「常識」にとらわれず、素直に考える必要があると思う。
以上