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【試してみる価値あり?】不安・ストレスを大幅に低減できる音楽を神経科学者が発見。

図(音楽は脳内活動に影響を与える)

 今回は、下記のリンク先記事を紹介いたします。私の邦訳を下に記しますので参考にしてください。

「Neuroscientists Discover Most Relaxing Song to Reduce Anxiety by 65%」

邦訳始め
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アメリカ国立衛生研究所によると、米国内の10代若者の約1割、成人の約4割が不安障害を患っており、国家にとって年間420億ドル以上の損失になっているという。ケンブリッジ大学とハートフォードシャー州立大学の精神科医によると、イギリスでは800万人以上が不安障害になっており、年間で100億ポンド以上の損失につながっている。世界保健機関の発表によると、抑うつや不安による精神疾患患者数は、1990年の4億1600万人から2013年の6億1500万人へ増えている。つまり、全世界で約50%も増大しているのだ。

不安障害は恐怖や心配事に襲われるだけでなく、人間関係や仕事をも台無しにしてしまう。精神的に疲弊し、失望し、イライラしても、実際に病院で治療を受けるのは約3分の1に過ぎない。治療の具体例としては、投薬、認知療法、瞑想、ヨガ、音楽療法などが挙げられる。生活上のプレッシャー、科学技術の氾濫、取り残されるかもしれないという恐れ、そしてソーシャルメディアなどがストレス原因となっているのだ。

イギリスの神経科学者たちが、世界で最も心を落ち着かせる曲を発見した。Marconi Unionによる“Weightless”という曲は、不安を65%も減少させ、幸福感を増進し、体調を改善することができた。心拍数や血圧を下げるだけでなく、ストレス・不安原因となるステロイドホルモンの低減にもつながったという。

“Weightless”↓(8分9秒)

この件に関して、Mindlab Internationalという市場調査会社が2~3年前に研究を行った。そこで被験者たちは難しいパズルを解くことを要求されたのだが、その時、異なる曲を聴かされつつ、ストレスレベルが測定された。具体的には、心拍数、血圧、呼吸、脳の活動状態だ。

神経科学者であるDavid Lewis-Hodgson博士によると、“Weightless”という曲は、他の曲よりも11%心を落ち着けやすく、被験者の不安を65%も減少させ、さらに、生理的な休息率を35%向上する効果があったという。この曲は不眠症にも効果があるというのが、博士の見解だ。

David Lewis-Hodgson博士のコメント:
「この曲には明らかに、テストした他のどの曲よりも大きなリラクゼーション効果があった。脳内の視覚化に関する研究によると、音楽は脳の深いレベルに働きかけ、音を処理する領域だけでなく、感情を左右する部分にも影響を及ぼしている。実際、“Weightless”という曲はとても効果が高いため、女性被験者の多くは眠くなってしまった。危険なので車の運転中にこの曲を聞かないようにアドバイスするよ。」

この曲は、自然界の音をギター、ピアノ、電子音で表現している。音楽療法のイギリスアカデミー創立者であるLyz Cooperがテレグラフ紙に語ったところによると、Marconi Unionは科学的理論を用いており、音楽療法家たちと協力し、世界で最もリラックスできる曲を作り上げた。

Lyz Cooperのコメント:
「“Weightless”という曲には持続的なリズムを内包しており、1分当たり60拍で始まり徐々に50拍まで下がっていく。聴いているうちに心拍数が曲のそれと同じになっていく。重要なのは、曲の長さが8分であるということだ。同調という現象が起きるのに5分間を要するからだ。心拍数が落ち着くと、血圧も下がっていく。
和音を使う時の音程の隔たりは、幸福感や快適さを生み出すように設定された。繰り返しのメロディはなく、聴き手が次を予測しないようにすることで、脳の状態が常にスイッチオフを保てるのだ。ランダムにチャイム音が散りばめられ、それが深いリラックス感を生み出している。低い音程のシューという音やハミング音はお経のようだ。高い音程は刺激的だが、低い音程は、まるで昏睡状態のような感じをもたらす。」

この研究は2011年に行われたものだが、“Weightless”という曲はネット上で反響を生んでいる。現代では、ストレス低減が大きな課題となっているからだろう。スタンフォード大学とハーバードビジネススクールの研究者たちによって最近行われた228件の研究を総合的に分析すると、次の結論が得られている。「長時間労働、不安定労働、ワークライフバランス喪失などの職場ストレスは、糖尿病・アルツハイマー・インフルエンザなどよりも死につながりやすく、アメリカでは1900億ドルの医療費が費やされている。

しかしながら、音楽療法家のFrançois-Xavier Vrait は納得していない。

François-Xavier Vrait氏のコメント
「音楽を聴くと、体内では神経生物学的な変化が起こる。エンドルフィン・ドーパミン・オキシトシンが分泌されればリラックス効果が得られるが、この程度は人により異なる。鳥や水のようなホワイトノイズの感じ方は人によりバラバラなのだ。従って、たった40人の被験者を使った調査結果を元にして、最もリラックス効果がある曲だと断定することはできない。音楽がもたらす効果や音楽の感じ方に、普遍的なものはない。」

この記事の読者の皆さんは、“Weightless”という曲の効果に納得しましたか?この8分9秒の曲を聴いてストレス状態が解消され、心が落ち着いた状態になりましたか?
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邦訳終わり

以上

JUN: こんにちは。JUNといいます。 中年の男性です(既婚者)。 大学卒業後に民間企業(メーカー)に勤め、いつの間にかベテランと言われる年齢になりました。 皆さんに役立つ情報を提供したいと思い、ブログを始めました。 政治社会問題を扱うことが多いです。 れいわ新選組の山本太郎さんを支持。 難しい問題を分かり易く丁寧に解説するのが基本方針。 気軽に読んで頂けると嬉しいです。 その他プロフィール: ・大学は理系の学科を卒業 ・働きながら通信教育で心理学と人間行動学の修士号を取得 ・独学でTOEIC940点を達成(2020年1月) なお、ブログ記事の無断転載は法律で禁止されています。 どうぞよろしくお願いいたします。