沖縄の米軍基地から流出した毒物が、県民の水道システムを汚染しているという記事を見つけました。リンクを下記に示します。
FOIA Request: U.S. Base Released 21,000 Liters of Chemical Agents into Okinawa Drinking Water Supply
上記リンク先の英文を邦訳し、以下に記します。
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沖縄県民が米軍基地の移転に500日以上抗議して日本政府を訴えている理由が良くわかる。
沖縄県民は、生活用水が米軍基地により汚染されているのではと、長らく疑ってきたが、情報公開法に基づいて公開された文書は、彼らの主張の正しさを裏付けた。沖縄県の飲料水が汚染されたのは、嘉手納基地で起こった一連の事故が原因と考えられる。15年間にわたり、少なく見積もっても21,000リッターの消火剤が流出しており、中には有毒なものもある。
酔っぱらった海兵隊員が、「JET-X 2.75 percent」という消火剤1500リッターを格納庫に漏らしたこともあった。この消火剤はアメリカ政府により危険物に分類されており、癌・神経障害・生殖障害を引き起こす。
特に懸念されるのは、この消火剤は近くの水路や海にダダ漏れしているということだ。米軍は、日本政府はおろか被害を受ける立場の住民に対しても事故の報告をしていない。
消火剤が17,000リッター流出する事故は、2001年にも三日間に渡って起きている。この事故は明らかに、機械系・電気系の故障が原因で起きている。2012年から2014年にかけても、3,400リッター流出する事故が設備不良により起きている。
2014年2月から2015年11月にかけて沖縄県企業局が実施した調査結果により、汚染の実態が明らかになった。嘉手納基地近くの水路で、ペルフルオロオクタンスルホン酸塩という消火剤成分が最大1,320 ng/Lという高レベルで検出されたのだ。その水路は、7つの市と町へ飲み水を供給している。
米国環境保護庁は、ペルフルオロオクタンスルホン酸塩を新たな汚染物質だと見なしている。それは人体へ容易に吸収され、血液・腎臓・肝臓に蓄積される。人体から除去するのは困難であり、半減するのに9年もの歳月を要する。生殖障害や発達障害を引き起こすため、米国環境保護庁は、短期の曝露限界を200 ng/Lと定めている。沖縄県内で検出された最大値は、短期曝露限界値の6倍にもなる。
日本政府は過去6年に渡って、ペルフルオロオクタンスルホン酸塩の生産を禁止している。しかし、米軍の流出事故を見ていると、日本政府の対応は何の役にも立っていないことが判る。
泥酔海兵隊員が起こした事故に関して米軍基地関係者がやり取りした電子メールを分析した結果、彼らが一番心配していることが判明した。「事故は夜に起こったので、朝までには泡が消滅する。だから、誰にも気づかれていない可能性が高い。こうした事故は氷山の一角に過ぎないと思う。」報告されていない流出事故があることを通信記録は示している。
日米間の協定によれば、重大な化学物質流出事故が発生した時には、日本人が基地内に立ち入れることになっている。しかし、事故を日本側へ報告するかどうか決定する権限を米軍に与えているのが、「日本環境管理基準」だ。沖縄国際大学の政治学教授であるManabu Sato氏は、事故報告をするかしないか米軍へ一任しているのはおかしいと述べている。
「沖縄県や基地近くの市町村は、流出事故に関する独立した調査を行うべきだ。さらに、流出規模に関わらず、健康被害が起こる可能性があるものはすべて報告するように、日本政府は米軍へ要求するべきだ。流出状況の判断を米軍へ丸投げするなど、とんでもないことだ。」
(元々の記事ソースは、ジャパンタイムズとアルジャジーラである。)
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翻訳終わり
日本がアメリカの植民地と化している現実が理解できると思います。日本のメディア(特に大手)はだらしがないので、普段、何気なく日常生活を送っているだけでは気づかないかもしれません。権力側にとって都合が悪い事実を知るには、海外メディアから情報を収集するのが有効だと思います。
何かしらお役に立てば幸いです。
以上