2016年10月16日、反原発を掲げる米山隆一氏が、新潟県知事選で勝利しました。本来ならば、自民党・公明党の支援を受けた森民夫氏が勝って当たり前の選挙だったのですが、東京電力や安倍政権の謀略やデタラメがあまりに露骨だったため、眠っていた有権者を起こしてしまったようです。投票率は53%と低いですが、前回よりも10%くらい上昇しています。良い傾向だと思います。
何十年にも渡って天文学的な原発マネーを新潟に投入してきたのに県民は拒否の意思表示をしたのです。この人は冷静を装っていますが、内心はうろたえているに違いありません。
ところで、海外メディアは今回の新潟県知事選をどのように報道しているのでしょうか?一例として、2016年10月17日付のイギリス:ガーディアン記事リンクを以下に示します。
「Japanese anti-nuclear candidate wins election at site of world’s biggest atomic power station 」
上記リンク先の記事内容要約を以下に記します。
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世界最大の原子力発電所を抱える日本の地方で、反原発を掲げる候補者が知事に選出された。福島原発事故後に原発の再稼働を目論んでいた東京電力にとっては大打撃である。
医師で弁護士の米山隆一氏(49)は、主に野党系の支持を受けて新潟県知事選に勝利した。「県民の生命や生活を脅かしかねない状況下で、原発の再稼働など認められない。東京電力の野望と対峙してきた泉田前知事の政策を継続する。東京電力は、事故時の甲状腺がん防止策を持っていないし、まともな避難計画も立てていない。」というのが彼の主張だ。
福島原発事故後、柏崎刈羽原発の安全性を懸念する人が増えており、安倍政権の原発政策に対して拒否の意思表示がされたのだ。投票所での出口調査によると、県民の約7割は原発再稼働反対だ。
テレビニュースが米山氏当確を報じ始めると、米山陣営では万歳三唱が沸き起こった。自民党の支援を受けた森民夫氏(67)は国土交通省の官僚だったが、選挙に敗れた。森氏は選挙中、あからさまな原発再稼働推進を口することが出来なくなっていた。
世界最悪の福島原発事故を起こしただけでなく、その後繰り返された隠ぺい行為により、東京電力の信用は地に落ちた。新潟県の柏崎刈羽原発は800万キロワットの発電能力を有しており、その再生は東京電力にとって死活問題だ。日本で稼働中の原発は現在2基だけであり、安倍政権も積極的に再稼働したがっている。
今回の新潟知事選挙は、原発の安全性を問う機会になった。安倍政権の原発政策や、福島原発事故に対する東京電力の対応に対して、人々の関心が再び集まったのだ。
柏崎刈羽原発のうち数基は、2007年の地震以来停止したままだ。2007年の事故では放射能漏れや火災が発生しており、東京電力の対応もひどかった。そしてそれが、福島原発事故につながっている。
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上記のガーディアン記事は、全体として、米山隆一氏の当選を好意的に報じていると思います。世界的には原発産業は衰退しており、どこの国も撤退を推進しています。金銭的な損得勘定を考えても割の合わない商売なのです。目先のことしか考えられない原発推進派が跳梁跋扈しているのは日本くらいなものです。日米原子力協定により、アメリカが日本の原発政策を牛耳っているのも大問題です。
参考リンク:【憲法よりも上位にあるもの?】日本社会を支配する本当のシステムは何か?
今回の新潟県知事選の結果をバネにして、より多くの日本人が原発反対の声を上げて欲しいと思います。
以上