2014年の12月に私は別のブログで、「政党名が悪い為にすごく損をしている日本共産党」というタイトルの記事を書きました。要旨は以下の通りです。
・共産党という名前には悪いイメージが付いてしまっている。
・日本共産党がどんなに死に物狂いで努力しても汚れた怖いイメージを払しょくすることはできない。
・多くの人は、共産党いう名前を聞いただけで無視してしまう。
・せっかく良いものを持っていても、振り向いてもらえないのは勿体ない。
・共産党という名前自体が共産党の主義・主張を届ける邪魔をしている。
・支持者を増やして近い将来に政権を取りたいのであれば、政党名を変える必要がある。
フェイスブックで記事を公開したら、たくさんのコメントを頂きました。半分くらいは賛成意見でした。しかし、批判や反対意見も多かったです。
「どっかの党みたいに、名前をコロコロ変えるなんて軽薄だ」
「共に産みだすなんて、最高の名前じゃないか?」
「名前を変えたって、(元共産)とマスコミが記載すればおしまいだよ」
「変なキャンペーンをするな!」
「共産党のイメージが悪いだと!?アカで結構だ!」
・・・・
とあるフェイスブックのグループでは、管理人さんから「共産党への侮辱だ!今後、類似の意見を投稿したらネトウヨとみなし、即刻追放する!」と言われました。
下記のYouTubeビデオでは、日本共産党の志位委員長が「共産党」という名前にこだわる理由を述べています。(22分50秒以降)
要旨↓
「資本主義経済は矛盾に満ちた不完全なものであり、貧富の格差などを引き起こし、社会を不安定化させています。人類の幸福に必ずしも結びつくものではない。利潤第一主義が根底にある制度は、人類が目標とすべき理想ではない。遅かれ早かれ、社会主義・共産主義と呼ばれるものに発展していくだろうという展望を持っています。だから、共産党という名前は変えないのです。まずは、極端な大企業中心やアメリカ依存を正し、その後に、共産主義社会を目指すのです。」
「資本主義よりも共産主義の方が素晴らしいんだよ」という理屈は、共産党関係者に対しては通用すると思います。赤旗の熱心な読者も理解してくれるかもしれません。しかし、それ以外の人に対しては通用しません。一般の人は、「共産」という名前を聞いてもピンときませんし、むしろ、警戒します。
「政府の方針に反対するとは、お前は共産党か?」
「え!?共産党に投票したの?一体、どうしちゃったの?」
「普通は、ありえねえだろ!共産党なんて。」
「面倒だけど選挙に行ってくるよ。共産党が政権を取ったら大変だからな。」
共産党の支持者であることを公言したら、社会の中での異分子だとみなされることを覚悟しなければなりません。これが現実です。様々な歴史的経緯や反共産党のブラックプロパガンダが原因で、共産という名前にはすっかり手垢がついてしまったのです。
「共産」という言葉は日常生活の中では使われません。政治の話をする時だけ聞くことがある特殊な記号です。そのため、マイナスイメージが付いてしまったら、それを払しょくすることは極めて難しいのです。一般人に対して志位委員長が一生懸命に共産主義の良さを説いても、話を聞こうという土俵に上がってもらえません。無視されるのが普通でしょう。
安保法制(=戦争法)で危機感を覚える人が増えました。それに伴い共産党の支持者も増えたようですが、国民全体から見れば少数派に過ぎません。「反安倍政権の受け皿はどこかな~?」と悩んだ末に、消去法で共産党を選んだパターンが多いのです。「私は共産党員じゃないけど、今回は、共産党へ投票した。」「私は、共産党支持じゃないけど、仕方なしに共産党へ投票した。」というセリフをたくさん聞きます。ただでさえ、政治のことを日常生活の中で話しにくい日本社会において、「共産党支持」ということを公言するのはとても勇気が要るのです。「共産」という名前自体が、原因の一つになっています。
皆に親しみを持ってもらえるお馴染みの言葉、例えばですが、「主権在民党」とかならば、事情は違ってきます。
「主権在民党と協力なんてあり得ねえだろ!」
「主権在民党はシロアリみたいなもんだ。協力したら土台が崩れてしまう。」
「選挙協力は、主権在民党を除いて行いたい。」
こんなセリフを吐いたら、セリフを吐いた本人が非難されそうですね。
どんな政党名が良いか私から具体的な提案はありませんが、親しみを持ってもらえて誰でも意味が分かる言葉がいいと思います。自分に関係があると感じられれば、話を聞いてみようと思うものです。「共産」と聞いても、意味が分かる人はほとんどいません。私も具体的なイメージが湧きません。
記事のタイトルや本のタイトルも同じことです。読者は、困りごとを解決するために無数の情報の中から選び出そうとしますが、その時に役立つのがタイトルです。タイトルを見て自分に関係があるかどうか瞬時に判断します。無関係だと判断された情報はスルーされます。読者にとって、スルーした情報は存在しないのと同じです。「共産党」というタイトルは、ほとんどの一般人にとって無関係・異質な存在と感じさせるものです。結果としてはスルーされ、話を聞いてはもらえません。厳しい言い方になりますが、振り向いてさえもらえないような政党は存在していないのと同じです。
日本共産党の志位委員長自身は、共産党アレルギーの存在を認めています。国民連合政府樹立のためには野党間での選挙協力が欠かせませんが、アレルギーを乗り越えるために色々と努力なさっていますね。
・連立政権への関与については、「閣外協力もありうる。そのときの状況を見てベストの選択肢を採る」との姿勢を示した。
・暫定政権下では「日米安全保障条約の廃棄」「自衛隊の解消」などについて党の方針を「凍結」する。
・消費増税など各党間で意見が異なる課題についても「欲張りすぎない」と言及した。
・2016年1月4日召集の通常国会開会式は天皇陛下をお迎えして開催されるが、共産党議員も出席すると意思表示した。
野党間での選挙協力を実現するために色々と譲歩していますね。安保法制廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を、何としてでも実現しようという熱意が伝わってきます。良いことだと思いますが、政党名を変更するのも有効な手段ではないでしょうか?
日本共産党の志位委員長の考え:
「利潤第一主義が根底にある制度は、人類が目標とすべき理想ではない。遅かれ早かれ、社会主義・共産主義と呼ばれるものに発展していくだろうという展望を持っています。だから、共産党という名前は変えないのです。」
「素晴らしい考えですね。さすがは志位さんだ。共産党という名前は絶対に変えちゃだめですよ。」
→安倍官邸の面々は、きっと、薄ら笑いを浮かべていることでしょう。
以上