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【意外?】過労死という日本語から「karoshi」という英語が生まれた。

日本語から英単語が生まれる?

元々日本語でありながら英語に借用された言葉はどのくらいあるのでしょうか?

放送大学准教授の井口篤氏によると400個以上あるそうです。(注1)

ずいぶん、たくさんあるんですね。

注1)「英語の軌跡をたどる旅 – The Adventure of Englishを読む」井口篤/寺澤盾著 (放送大学教育振興会) 170ページ参照

日本語でありながら英語化した言葉の中には、「改善=kaizen」のように、日本人が誇りにすべきこともあります。

これは、「日本の良いところを見習おう」「日本の生産技術力は世界トップレベルだ」と、国際的に評価されていることを意味します。

しかし逆に、反面教師になっているような言葉も存在します。

英単語「karoshi」はどうして生まれたのか?

写真(ワタミグループの経営理念)

私は長い間、サラリーマンをしてきましたので、組織の中で人に使われることの悲哀を理解しているつもりです。

悲哀を感じる程度で済むならば、まだ恵まれているのかもしれません。

職場での「過労死」関連のニュースを頻繁に目にすると、この国は一体どうなっているんだろうと思います。

取り返しのつかない「過労死」が発生した会社では、管理職や経営者は自分の身を守るだけで手一杯だったのでしょうか?

しかし、遺族の心の傷に塩をすり込むような見苦しい言い訳を並べている姿は見るに堪えません。

写真(ワタミで過労自殺に追い込まれた犠牲者とその遺族) 出典:朝日新聞

ブラック企業の応援団である歴代自民党政権は、労働者からの搾取をエスカレートさせる政策を推進してきました。

写真(自民党公認の渡邉美樹議員と安倍総理) 出典:www.logsoku.com

日本にはブラック企業が無数に存在し、「過労死」は世界的に有名になりました。

その結果、「karoshi」という英語が生まれてしまったのです。

「karoshi」は英語圏でどのように使われている?

「karoshi」が初めてOxford辞書に登録されたのは2002年だそうです。

英単語としての歴史は長いとはいえません。

Oxford English Dictionary Online によると、次のように定義されています。

( )内は私の邦訳です。

”death brought on by overwork or job-related exhaustion” – a reflection of the strains imposed by Japan’s strong work ethic.
(仕事による過労が原因の死。日本の過激な労働倫理によるストレスが影を落としている。)

ちなみに私の手元にあるOxford Advanced Learner’s Dictionary 第8版(オックスフォード大学出版局)には載っていませんでした。

ワシントンポスト:2008年7月13日付の記事では、「Japan’s Killer Work Ethic(日本の殺人的な労働倫理)」と題して次のような文章が書かれています。

( )内は私の邦訳です。

TOKYO — Death from too much work is so commonplace in Japan that there is a word for it — karoshi.
(日本では過労により死に至るケースが常態化しており、過労死と呼ばれている。)

There is a national karoshi hotline, a karoshi self-help book and a law that funnels money to the widow and children of a salaryman (it’s almost always a man) who works himself into an early karoshi for the good of his company.
(国が運営する過労死ホットライン、過労死対策本、そして、残された遺族に補償するための法律がある。過労死の犠牲者はほとんどがサラリーマンの男性である。会社への忠誠心から働き過ぎて早死にしてしまうのだ。)

「過労死」を意味する単語は、英語圏には元々無かったのでしょうか?

もしあれば、それが使われているはずですから、無かったんでしょうね。

日本でよく見られる異常現象として外国人は認識しており、それを一つの単語で表現する必要に迫られたんですね。

しかし、どうしても既存の英単語の中には見当たらない。

そこで仕方なく、「過労死」をローマ字にした「karoshi」を英単語として使うようになったのでしょう。

日本語が英語に借用されるケースは好ましいものばかりではありません。

「karoshi」は明らかに不名誉なことです。

しかし、私たち日本人が努力をして「karoshi」という悲劇を根絶すれば、「karoshi」という英語が消滅する日が来るかもしれません。

逆に現状をこのまま放置したり悪化させれば、どの英語辞書でも必ず見られるような有名な英単語になる可能性もあります。

今後「karoshi」以外に、次のような新しい英単語が生まれるかもしれませんね。

( )内は私の邦訳です。

「black-corporation」(ブラック企業)
意味:
「companies who intentionally or knowingly ignore labor laws and/or drive their workers hard by harassment or other aggressive means」注2)
(意図的に違法行為を行い、パワハラなどにより従業員を過酷な労働に駆り立てる企業)

注2)「Japan Press Weekly」2013年6月28日付の労働関係記事 タイトル「8 companies nominated for ‘Black Corporation’ of the Year Award 」から引用。

ChatGptに「karoshi」を質問してみた

2022年11月末にリリースされたChatGptは、OpenAIという会社が運営しているチャット形式の情報収集ツールです。

2023年の2月15日に、「karoshi」という言葉の意味を説明してもらいました。

以下が、ChatGptの回答です。

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“Karoshi” is a Japanese word that means “death from overwork”. The term was coined in the 1970s to describe the phenomenon of people dying as a result of working excessively long hours, often in highly stressful environments. The typical victims of karoshi are middle-aged male employees, who work long hours and have high levels of stress.

Karoshi is a serious issue in Japan, where the culture of hard work and dedication to one’s company or organization is deeply ingrained. In recent years, there have been efforts to address the issue, such as limiting work hours and encouraging employees to take time off for rest and relaxation. However, karoshi remains a significant problem in Japan and other countries where overwork is common.

The term has gained international recognition and has been used to describe similar phenomena in other countries, such as “death by overwork” in China and “burnout” in Western countries.
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さらに、ChatGptに上記英文の日本語訳もお願いしました。

以下が回答です。

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「karoshi」は、「過労死」という意味の日本語です。この用語は1970年代に生まれ、過度に長時間働いたり、高ストレスな環境で働くことが原因で人々が死亡する現象を表すために使われています。典型的な過労死の犠牲者は、長時間働き、高いストレスを抱えた中年男性の従業員です。

日本では、働くことに対する献身や会社や組織への忠誠心が根付いた文化があり、過労死は深刻な問題となっています。近年は、労働時間の制限や、休息やリラックスのための休暇を取ることを奨励する取り組みがなされています。しかし、過労死は、労働時間が長い国々で依然として深刻な問題です。

この用語は、国際的に認知され、中国の「過労死」や、西洋諸国の「バーンアウト」といった、同様の現象を表すために使われています。
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なかなか素晴らしい回答ですね。

人工知能の進歩は日進月歩だと、改めて実感いたしました。

最後に:

アナタが会社勤めをしていて過労死を防ぎたいなら、自己防衛が大切です。

1)今いる会社で何とか改善したい場合

自力では困難ですので、外部の労働基準監督署を利用するといいです。

具体的な方法は、こちらを参照してください。

2)今いる会社を辞めて転職を望んでいる場合

転職エージェントは無料ですし、ネット上で簡単に登録できます。

情報収集も兼ねて気軽に行動できますね。

具体的には、こちらを参照してください。

転職エージェントとの面談であなたが質問・確認すべきこととは?

3)今いる会社を辞められなくて困っている場合

ブラック企業には、モラルも法律も通用しません。

あの手この手で奴隷労働者を脅し、騙し、搾取し続けようとします。

サラリーマンの辞める権利も平気で侵害します。

ですから、退職代行サービスが流行っているのです。

面倒な交渉や手続きは、【退職代行ガーディアン】、に任せることを考えてみましょう。

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何はともあれ、行動することでしか活路は切り拓かれません。

座して死を待つのではなく、具体的に動くことで自分を守ってください。

以上

JUN: こんにちは。JUNといいます。 中年の男性です(既婚者)。 大学卒業後に民間企業(メーカー)に勤め、いつの間にかベテランと言われる年齢になりました。 皆さんに役立つ情報を提供したいと思い、ブログを始めました。 政治社会問題を扱うことが多いです。 れいわ新選組の山本太郎さんを支持。 難しい問題を分かり易く丁寧に解説するのが基本方針。 気軽に読んで頂けると嬉しいです。 その他プロフィール: ・大学は理系の学科を卒業 ・働きながら通信教育で心理学と人間行動学の修士号を取得 ・独学でTOEIC940点を達成(2020年1月) なお、ブログ記事の無断転載は法律で禁止されています。 どうぞよろしくお願いいたします。