まず最初に、アベノミクスに関する安倍総理のコメントを確認しましょう。
アベノミクスで潤ったのは輸出比率の高い一部の大企業とその経営者、株主のみで、下請けの中小零細企業や庶民の懐は寒くなるばかりです。
アベノミクスは失敗しました。そもそも成功させる気もありませんでした。その結果、社会的に弱い立場の人にしわ寄せが行きました。
若い世代を中心に非正規の不安定雇用が激増し、自分一人が食べていくのがやっとという人が増えたのです。当然、貯蓄などする余裕はありません。「若者が消費をしなくなった」と嘆く財界人のコメントは、現実を見ていない寝言なのです。
一人親世帯の貧困率は先進国中最悪レベルです。
教育費・学費の個人負担が重く、親が裕福かどうかで学力や学歴に差が出てしまう日本は、明らかに後進国です。さらに、貧困家庭の子どもは、学校の給食で飢えをしのぐというケースも多いようです。
生活保護は日本国民にとってのセイフティネットであり、最後の砦です。この制度は、日本国憲法の第25条の精神に則っています。
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」
生活保護を受けているのは、高齢者、身体障碍者、病人がほとんどですが、国の搾取政策で追い詰められた貧困層も当然受け取る権利があります。「働けるなら風俗嬢をやれ!」と言って、申請窓口で追い返す公務員もいるそうですが、言語道断ですね。生活保護受給の権利があるにもかかわらず捕捉率が2割程度という現状は、国を挙げての嫌がらせ追い返し作戦の成果です。制度の周知徹底も行われていません。
そうは言っても、度重なる搾取政策の結果、生活保護支給額は増加傾向にあります。庶民からむしり取り吸い上げて、その分を大企業や富裕層にばらまくのが安倍政権の基本精神ですから、弱者に分配する金は何が何でも減らさなければなりません。情報弱者である国民に偏見を植え付けるため、悪知恵を働かせたキャンペーンを繰り広げています。
「生活保護は不正受給の温床で、働きもせずヌクヌクと生活している奴ばかりだ」という悪意満載のキャンペーンです。安倍総理の御機嫌取り・忖度も大変ですね。ご苦労様。
低福祉国家の日本では、生活保護を受けても健康で文化的な最低限度の生活を営むことはできません。それなのに、生活保護支給額をさらに1割以上減らそうと企んでいます。生活保護をもらっていない貧困層よりも生活保護受給者の方が収入が多いからだそうです。貧困層に生活保護受給を促したり、収入アップの施策をすればいいと思うのですが、どうしても庶民を苦しめたいようです。日本はいつから悪魔に支配されるようになったのでしょうか?
しかし、今のところ国民からは大きな反発は起きていません。みんな他人事だと思っているのでしょうか?
安倍政権にとって、生活保護費削減政策はメリットだらけです。まず、「生活保護は不正受給の温床で、働きもせずヌクヌクと生活している奴ばかりだ」と誤解している国民の留飲を下げる効果があります。さらには、そういう偏見に取り憑かれている多くの国民の給料を下げ、福祉政策に使うお金を減らすことが出来ます。
悪質な生活保護バッシングキャンペーンが功を奏し、生活保護受給者に対する国民の偏見と差別感情が助長されてきました。さらに、福祉政策などについてほとんどの国民は無関心です。そのおかげで、生活保護基準切り下げを打ち出しても国民からの反発はほとんどありません。自民党としては万々歳ではないでしょうか。
男たちの悪だくみや高笑いは、当分の間続きそうです。
以上