日本は、人種差別が存在しない「美しい国」だと思っている人は意外に多いと思います。そう思っている人は、差別が無いことをどのように確認したのでしょうか?
そのように思い込んでいる人は、日本における人種差別の記事・報道を見ると感情的に反論してくる場合が多いです。「それは偏った意見だ!」など・・・。
見かけが日本人ならば、他の日本人から人種差別されたことはないと思います。そういう人達同士で井戸端会議をしていても、日本における人種差別の有無を判断することはできません。見かけが普通の日本人とは異なる、日本在住の人達の意見を聞くことが必要です。
彼らの意見は、日本の暗部・欠点を指摘することにつながりますので、刹那的に生きている人達は憎悪感を抱くかもしれません。しかし、ある社会の本質的部分を知りたければ、差別に苦しんでいる人達の声に耳を傾けることは必須です。
2015年3月にミス・ユニバース世界大会の日本代表に選ばれた宮本エリアナさんをはじめ、いわゆるハーフと呼ばれている人達が日本社会でどのような扱いを受けているのか、下記のYouTubeビデオで紹介されています。
日本の御用マスコミよりも海外メディアの方が冷静な視点を持っている場合があります。参考にしてください。
【BBC】 「日本人」とは? ミス・ユニバース日本代表の問題提起(3分15秒)
さらに、生まれてからずっと差別に苦しんできた宮本エリアナさんの訴えを以下のリンクで紹介します。ハフィントンポストの日本版です。
宮本エリアナさん「人種への偏見、日本と世界からなくしたい」【ミス・ユニバース日本代表】
上記リンクの記事は差別される側の重要な視点を提供してくれています。
日本人の隠れた差別意識は、次のようなニュースにも表れています。
抗議という権利を行使している市民に対して、機動隊員たちが「土人」という言葉を使って罵っています。「土人」とは肌の浅黒い人や黒人に対して使う差別語です。冷静さを失い感情的になった時、人間の本性・本音が表れます。自分が潜在意識の中で見下している対象を「土人」という言葉で表し、抗議する市民に対して浴びせかけたのです。市民への侮辱だけでなく、肌の黒い人たち全体に対する差別でもあります。警察庁長官が陳謝し通達を出して済む問題ではありません。無意識の中にこびり付いている根強い差別意識は、自分で認識することすら困難です。この機動隊員たちの発言は、日本での特殊な事例ではありません。「黒んぼう」といって黒人をからかう人は年配者の人の中でも多いのです。
公的な立場にある者、社会的地位が高い者、人を指導する立場にある者は特に、自分自身を振り返り、無意識の領域を少なくするよう努力し、差別的言動をすることがないよう注意して欲しいものです。若年層は目上の人間の発言・行動を、知らぬうちに真似しますので・・・。
以上