2017年9月9日、右派系の団体が、TBS本社付近で「TBS偏向報道糾弾大会・デモ」と題して約500人規模の抗議デモを行いました。
抗議内容の要点は、産経新聞によると下記のとおりです。
「TBSの偏向報道を許さない」
「TBSの印象操作を許さない」
「加計学園問題をめぐり、安倍晋三首相に行政を歪められたと主張した前川喜平前文科事務次官の発言ばかりを取り上げるな」
「TBSの報道は放送法4条に違反しており、偏った報道は多くの視聴者を裏切っている。反省を示さないなら、貴社の電波停止を総務省に要求するしかない」
「テレビは真実を伝えない。日本を中国や北朝鮮に差し出そうとしている。Jアラートが鳴ったことをおかしいと言ったり、北朝鮮と話し合えば大丈夫だなどと言って国民をだましている。」
一言でいえば、安倍総理の擁護ですね。お友達である加計孝太郎氏のために国民の税金を無駄遣いしても目をつむれ、と言いたいのです。政府に都合の悪い報道をした放送局を停波処分にすることは、憲法で禁じられた事後検閲にあたりますが、そんなことはお構いなしです。安倍政権は、北朝鮮を挑発し、国民の恐怖感を煽り、原発を止めず、外交努力を放棄した対米隷従外交をしています。それらについて問題意識は無いのでしょう。日の丸を掲げた情報弱者たちはとても哀れです。
そんな情報弱者たちに応援されて、安倍総理は涙を流して喜んだことでしょう。
昔からほとんどの大手マスコミは、政府の広報機関に堕しており、実は、今回抗議を受けたTBSも例外ではありません。TBSの社内では、権力の監視というジャーナリストの役割を遂行しようという勢力は少数派でしょう。その少数派が、「出世」をあきらめ、勇気を出して、権力批判を行った結果が一連の報道なのです。
その勇気ある報道の結果、正しい情報が少しは国民に知れ渡るようになりました。全国ネットの大手テレビ局の影響力は大きいです。内閣支持率低下にも貢献したと思います。
今回、冒頭の抗議活動を受けたことを、TBSは誇りに思うべきです。もしも、完全に政府の広報しかしていなかったら、抗議は受けていなかったはずです。右派団体の抗議は、本来するべき仕事をしていることの証明なのです。情報弱者になっている国民はTBSに感謝すべきです。
民主主義の根幹をなす国民の知る権利など無視して、記者クラブの既得権益に守られ、権力者の都合を忖度した報道をしていた方が楽だし、おいしい生活ができるのは確かです。しかし、そんな安易な姿勢に流される者だけで報道機関が構成されていたら、北朝鮮と同じ状況になってしまいます。
ジャーナリストという権力と対峙する仕事を全うしようとしたら、命の危険にさらされます。安易で楽な道を選びたいという誘惑にも勝たねばなりません。下図・写真のような腐敗幹部の下で、反骨精神や批判精神を保ち続けるのは容易なことではありません。
TBSに限らず、大手マスコミの中に少しはは存在するジャーナリストたちを応援したいと思います。
以上