福島原発事故は、人類史上最悪レベルの事故であり犯罪です。しかし、東京電力の関係者は今だに誰もまともに裁かれていません。責任追及がされないだけでなく、原子力マフィアたちは原発の再稼働に熱心です。そればかりか、「福島を食べて応援」などというふざけたキャンペーンを行い、事故自体を過去のものにしようとしています。
なぜ犯罪者たちが野放しになっているのか、その背景も含めて論じている記事を紹介します。
The Japan Timesの2015年3月13日付の記事リンクを下に示します。
「It’s time to punish Tepco」(東京電力に制裁を加えよ)
上記の英文記事は、私が運営する別のブログサイト「英語ニュースと英語学習のブログ」 でも紹介しています。今回は、日本語訳の部分をより解り易くするため、修正・加筆・要約などを施しました。以下に示しますので参考にしてください。
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「2011年3月の福島原発事故により大量の汚染水が発生したが、太平洋への流出を防げていないのでは?」 現地で引き網漁をしている漁師たちの疑念は当たってしまった。2015年2月24日、責任者の東京電力は汚染水流出の事実を認めた。
東京電力は汚染水流出の事実を2014年5月から把握していたが、約一年間も隠ぺいしてきたのだ。
東京電力がついに白状して以降時間が経つが、いまだに東京電力本社の捜査が行われていない。規制当局は責任者の処罰を求めていない。安倍総理も説明を求めない・・・ 他の主要民主主義国と異なり、日本は何もしないのだ。
東京電力の組織運営はずさんだが、日本社会のもたれ合い体質にも大きな原因がある。
安倍晋三総理は2012年に政権の座に返り咲いた時、企業の重役には国際行動規範に基づいて説明責任を求めていくと約束したはずだが、どうなっているのか?
2020年のオリンピック招致活動の中で、「東京電力ではなく政府が前面に出て事故対応を行う」と安倍総理は世界に向けて宣言した。
しかし、安倍政権は何の対応もせず、東電任せの状態が続いている。事故以来4年経つが、福島原発ではいまだに汚染水が漏れ続けている。約12万人が避難生活を強いられている。東京電力の隠ぺい体質は改善されていないし、競争原理も働いていない。
福島原発事故が起きた後ですら、政治家・官僚・電力会社は原発再稼働に向けて邁進している。福島原発事故の収束などは二の次なのだ。その一方で、太陽熱・風力・地熱などの安全な電力供給方法に対しては消極的だ。
事故から4年が経過したが、東京電力は何も学んでいないのではないか?
津波の警戒線より下に原発を建設し、その結果、事故被害がひどくなったにも関わらず、東京電力は罰せられていない。さらには、後始末の費用を消費者に転嫁するため電気料金を引き上げている。怒りを感じざるを得ない。
日本社会はなれ合い体質だが、東京電力関係者の誰も刑務所に入っていないのは理解できない。
企業経営者が投獄されるケースは日本でも過去に存在する。例えば、光学部品メーカーのオリンパス経営陣は、2011年に決算粉飾で逮捕された。また、インターネット起業家の堀江貴文やファンドマネジャーの村上世彰は、インサイダー取引で服役している。
しかし東京電力の幹部は誰も投獄されず、日本政府の手厚い待遇が続いている。
東電幹部は懲戒解雇の上、起訴しなければならない。また会社は国営化すべきだ。
安倍総理がやるべきことは決まっている。最悪の事故で世界中に害悪をまき散らした者に裁きを受けさせるのだ。福島県の漁師たちは喜んで証言台に立ってくれるだろう。
以上