2017年4月3日付のBloomberg記事で、日本企業に応募する外国人へ向けて、面接マナーのアドバイスが書かれていました。リンクを以下に貼ります
リンク先の記事タイトル:
How to Succeed (and Fail) at a Job Interview in Japan
記事内容の要点を以下に述べます。
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1)リクルートスーツを着なさい
シャツは無地の白、カバンと靴は黒。ひげは剃り、毛を染めるな。大きなイヤリング、濃い化粧、派手なネイル、黒・白・目立つネクタイは避けよう。コートは面接会場の建物に入る前に脱ぐこと。
2)入室から着席まで
ドアのノックは3回(2回だと、トイレの個室に入っていますという合図になってしまう)。許可があったら入室し、ドアは静かに閉めること。「失礼します」と言い、お辞儀をし、椅子の左側まで行け。自分の名前と大学名を言ったら、再びお辞儀せよ。座るのは許可が出た後だが、椅子の背もたれに寄りかからず、姿勢を正せ。手を膝の上に置く方法は男女で違いがある。
3)お辞儀の仕方
お辞儀は背筋を伸ばして、入室時は30度、退室時は45度。両手は体の横に付け、膝を曲げるな。
4)言葉遣いに気をつけろ
面接官は友達じゃない。敬語を使え。書類を渡す場合は必ず両手で持つこと。
5)退室時
面接の最後に、座ったまま面接官へ感謝の意を伝え、お辞儀せよ。椅子から立った後、再び繰り返せ。だらしない印象を与えないため、椅子は必ず元の位置に戻すこと。退室時は「失礼します」と言い、静かにドアを閉めなさい。面接会場の建物を出るまでは気を抜かず、携帯電話のチェックもするな。最寄りの駅から面接会場までの移動中も監視されている可能性がある。注意せよ。
6)その他
面接の儀式は面倒くさいかもしれないが、日本企業に実際入社した後に守らねばならないルールに比べたら屁でもない。エレベータ内での経つ位置、タクシーでの席順、名刺交換のやり方など、あらゆる場面で慣習に従わねばならない。そして、先輩方には最大限の敬意をもって接すること。年功序列が基本だ。いわゆる西洋のレディファーストは通用しないと心得よ。
面接官は、応募者が日本という環境に順応しようとしているか、その姿勢・態度をチェックしているのだ。
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上記事を読んで、どんな感想を持ちましたか?細かなところまで親切に解説されており、日本企業に就職を考えている外国人にとって、かなり参考になるのではないでしょうか?ぎこちなくても、何とかこのルール通りに振舞おうと一生懸命な外国人を見たら、日本人面接官は好印象を持つと思います。
これらのルールは日本人学生にとっても大いに役立っていると思います。周囲の空気を読んで、変に目立たないことを最優先事項にしている日本人にとって、このようなマニュアルは大変有難いものです。
一方で堅苦しい印象も受けます。この傾向はだんだんエスカレートしているのでしょうか?
右側の写真は、着るものから表情まで、個性のないロボット集団に見えなくもありません。
上記記事1)~6)のアドバイス通りに演じて、晴れて入社が認められた新入社員たちには何が求められているのでしょうか?どんな理不尽な命令に対してもイエスと答える奴隷根性の持ち主なのか、チェックしているのかもしれませんね。この記事を読んで、喜んで日本企業の面接を受けに来る優秀な外国人がどの位いるのか疑問です。
現代のインパール作戦を強要したら、かえって組織の生産性は落ちると思います。最近、日本企業から画期的な商品やサービスが生まれていないばかりか、不都合なことを隠蔽する事例が多々見受けられますが、組織の北朝鮮化を進めすぎた結果ではないでしょうか?政治の世界だけでなく、企業内でも独裁化が進んでいる気がします。
芸能人も例外ではないようです。ベッキーは、禊のタイキックというイジメ被害者にもかかわらず、「タレントとしてありがたい」というセリフを言わされています。決して抗議はしません(できません)。テレビ番組を作る側も視聴者側も、こういった寒々しい雰囲気を許容しています。
そういえば、恋愛禁止の掟を破った罰として丸刈りにされた女性タレントもいましたね。泣きながら謝罪させられる場面が痛々しい・・・
日本は民主主義の国なんですから、国民は各々の立場で奴隷になることを拒否しなければなりません。多少の風当たりはあっても、おかしいことはおかしいと提言する必要があります。ほんの少しの勇気があればいいのです。暮らしやすい社会は、ただ待っていても実現できません。黙っているのは卑怯です。
「日本は中世の国」、というのが諸外国からの評価として固まりつつあります。その汚名を返上するために、あなたは何をすべきだと思いますか?
以上