はじめに:
本ブログでは、原発問題を論じる際に「原子力村」という呼称をよく用いています。
次のような図で説明することが多いのですが、巨大な組織を単純化しているので、多くの人はピンと来ないと思います。
そこで今回は、原子力村のことをもう少し詳しく見てみたいと思います(一部、ウィキペディアより引用)。
概略説明:
原子力村とは、原子力発電業界の産・官・学の特定の関係者によって構成される特殊な村社会的社会集団、およびその関係性を揶揄・批判を込めて呼ぶ用語です。
原発を推進することで互いに利益を得てきた政治家と企業、研究者の集団とされています。
原子力村の構成:
・学者集落200~300人、民間企業も含め原子力産業の中核になる仕事に携わる人は、数千人。
・原子力工学を学んだ学生が、教授の人脈を通じて原子力関係の仕事に就職することが常態化している。
・電力会社関係者から政治家に献金が行われる。
・大学等の原子力技術研究機関に電力会社から献金が行われる。
・マスコミ関係者を講演会の講師として招聘し、多額の講師料を支払う。
・挨拶代わりに研究者を原子力施設の見学ツアーに招待する。
・施設の安全の技術指針を定めた土木学会の委員の半数が電力会社関係者である。
・核燃料輸送容器などの検査において、関連企業から多額の献金を受けた大学教授が、検査基準を国の基準よりも緩めるよう取り計らう。
原子力村内部の癒着を表す相関図を以下に示します。
拡大したい場合は図をクリックして下さい。+(プラス)マークの虫眼鏡が表示されたら、それで再度クリックします。
図の左上にIAEA(国際原子力機関)やWHO(世界保健機関)が記載されていますが、これらの国際機関も含めてとらえた方がいいでしょう。
IAEAは原子力利権の総本山です。
WHOはIAEAの承認なしには、原発事故被害などの調査結果を発表することができません。
WHOの発表する数値を鵜呑みにするのは危険です。
原子力村の特徴:
・体質が閉鎖的である。
・言葉は丁寧だが、自分達の非は決して認めず、言い分だけを強調する。
・木で鼻をくくったような対応をする者がいる。
・都合の悪い問いにまともに答えようとしない。
・相手をやり込めた後「素人のくせに」と仲間内で嘲笑する者がいる。
・電力会社においては、他部門からの干渉が一切無い超専門分野であり、会長や社長でさえ手を出しにくい「聖域」でもある。
・本来、規制をしチェックする側の国の担当部門も巻き込んで、歪んだ仲間意識を育てている。
まとめ:
いかがでしょうか?
巨大な利権集団について、少しはイメージできたでしょうか?
彼らは自分たちの利権・既得権益を守ることしか頭にありませんから、良心を期待することはできません。
人間は集団になると、極端に無責任に態度を取りがちです。
責任を追及するときは原子力村全体ではなく、その内部の具体的な組織や個人に対して行う必要があると思います。
参考リンク
原子力村の住民一覧
以上