今回は、日本政府が国民の生命・財産を守ることに無関心である、ということをお伝えします。
2015年5月13日、東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会で質疑が行われました。以下、YouTubeビデオのリンクです。
この、いつも眠そうな顔をしている原子力規制委員会の田中委員長が、山本太郎議員から厳しい追及を受けている場面です。以下に、主要部分のみを抜き出します。
引用始め
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○山本太郎君
「(略)
田中原子力規制委員長に質問いたします。十五分しか時間がございません。答弁、簡潔にお願いいたします。
鹿児島県の川内原発再稼働問題について御質問いたします。
(略)
鹿児島県の伊藤知事、今回の制度設計は100万年に一回の事故を想定していると発言された。この発言の意味、理解できないんですよね。鹿児島県知事ともあろう方がその場の思い付きで適当に言ったとも考えられませんよね。規制委員会、100万年に一度の確率でしか事故起こらないですからというようなことを、根拠のない吹き込み、刷り込み、知事に行ったんですか?」
○政府特別補佐人(田中俊一君)
「(略)県知事に対して直接私どもから何かレクチャーをしたとか、説明したということはございませんので、今御指摘のことは、そういうことはありません。
ただ、私どもの一つの、今回の基準の指針というか安全目標として、セシウム137の放出量が100テラベクレルを超えるような事故の発生頻度は百万炉年に一回程度を超えないように抑制されるべきという目標を追加して、そういう評価をしております。(略)」
○山本太郎君
「なるほど、勘違いということですね、鹿児島県知事の。分かりました。
(中略)
先日の規制庁の説明で、福島第一原発のセシウム137の放出量、1万テラベクレル、それが川内原発では5.6テラベクレル、福島東電原発と同規模の事故が起こったとしても川内原発はセシウム137の放出は5.6テラベクレル。川内原発、100万炉年に一回の重大事故の放出量は福島第一原発の1785分の1、これ少ないような、何かなと思うんですけど、どうしてこんなに少ないんですか?」
○政府特別補佐人(田中俊一君)
「新しい規制基準では、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて、地震、津波あるいは電源喪失といった、竜巻等も入りますけれども、そういったものに対して耐えられるような、いわゆるシビアアクシデントが起こらないような対策を求めております。
(中略)
それで、大体、推定ですけれども、福島第一原発では1万テラベクレル程度だったんですが、一応、環境の汚染とかいろんなことを考えた場合はその100分の1ぐらいには最低限すべきだろうということで、そういうことがある程度担保できるような対策を求めているということでございます。
その結果、その対策に基づいて、いろんなシビアアクシデントのシナリオについていろいろ評価した結果、川内では5.6テラベクレルになったということでございます。」
○山本太郎君
「東電の福島第一原発事故ですね、同様の事故が起こったとしても、川内原発では、放射性物質、福島東電原発事故の1785分の1しか放出されない、そのために新規制基準があっていろんな手当てをしているんだよと、だから、過酷事故が起こったとしても福島東電原発の1785分の1ぐらいしか放出しないんだぜというようなお話をされたと思うんですよね、そういう手当てをされているからこそ。
お聞きしたいんですけれども、避難計画を立てるときには、このセシウム137は5.6テラベクレル、要は福島の東電原発の1785分の1ということが前提で作られているということですか?(略)」
(略)
○政府特別補佐人(田中俊一君)
「福島は、先ほども申し上げましたように、1万テラベクレル程度というふうに評価しております。その100分の1程度を、100テラベクレルを、最悪でもその程度に抑えるということであります。」
○山本太郎君
「ありがとうございます。
最悪の事態を考えない避難計画なんてあるんですか?、という話をしたいんですよ。100分の1って何なんですか?って。実際、福島の東電原発で放出された量を基に避難計画を作らなきゃ、避難計画の体なんて立っていないじゃないですか。実際に事故起こるまで分からないんでしょう?、新基準がどれぐらいの機能を果たすかなんて。(略)
最悪の事態を想定されない避難計画に意味があるのかという話をしているんです。(略)少なくとも、福島と同じ量の放射性物質が放出されることを前提に避難計画立てるべきじゃないですか?じゃなきゃ、意味ないじゃないですか。二日ぐらいで希ガスが消えるとかどうのこうのと言って、だから、初期被曝の量を甘く見積もっていたりとか、初期被曝の情報を集めようというような行動に移らなかったわけでしょう?余りにも事故の反省がなさ過ぎる。
それを今、東南海、南海、東海、首都圏直下、いろんな地震が起こると言われている、噴火まで起こるかもしれないという前提に立って、それでも再稼働させるんだというんだったら、最悪の事態想定してくださいよ。当然でしょう?
人の命、守る気ありますか?国民の生命、財産を守るためにここの場でいろいろやり取りをしているわけですよね?100分の1の放出量でしか避難計画は立っていないなんていう話はあり得ないことなんですよ。」
○政府特別補佐人(田中俊一君)
「(略)避難計画ですけれども、福島の避難の中で一番大きな犠牲者を出したのは、慌てて避難したということであります。ですから、そういう意味で、基本的に屋内退避というようなことも含めて避難の指針を作って避難計画を作成していただいておりますので、そこの辺も御理解いただければと思います。」
○山本太郎君
「慌てて逃げたばっかりに被害が広がったと?違うでしょう。SPEEDIという国民の財産でつくった放射能の拡散予測というものがあったのに、あれだけでも十分に指針として、道しるべとして使えたんですよ。風向きがどっちかということ分かるわけですから。正確な数値が分からなくたって、一ベクレルから入れるというの当然でしょう。それが公表されなかったこと、そして、公表しないまでも、自治体にまでしっかりとそれを伝えて逃げる方向性というものを示してあげられなかったということが一番の原因だと。それだけじゃない、とにかく全ての認識が非常に不思議なんです。食べ物の基準も、そしてこの避難に関しても。」
○山本太郎君
「田中委員長、以前から、弾道ミサイル、原発を直撃するリスクというのは、規制委員会が規制によって対処すべきものではないとおっしゃっています。間違いないですよね?そこはそこで分かりました。けれども、原発に弾道ミサイル直撃のリスクがあるということはお認めになりますよね?」
○政府特別補佐人(田中俊一君)
「弾道ミサイルが原発を直撃する事態というのは、原子力、我々規制の対象外だというふうに認識しておりますので、あるかないかということについてお答えするのは控えさせていただきます。」
○山本太郎君
「もちろん、委員長言われたとおりです。そんなミサイル飛んできたからって、俺たちにどうすることもできないよ、当然です。それを撃ち落とすのは国の役目、自衛隊の役目かもしれない。でも、それが原子力発電所内に着弾した場合は、それ以降のリスクを見積もらなきゃいけないのは皆さんなんじゃないですか?その着弾によってどのような影響が生まれるのかというのを試算しなきゃいけないのは皆さんじゃないですか?どうしてやらないんですか?しているんですか?着弾した場合、どれぐらいの放出量になりますか?教えてください。」
○政府特別補佐人(田中俊一君)
「結論から申し上げますと、評価はしておりませんし、今後もやるつもりはありません。
ミサイルはいろんな種類がありますので、どういったものが飛んでくるかも分かりませんし、どういう状況になるかということも想定できませんので、やるつもりはありません。」
(略)
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引用終わり
「日本政府が、国民の生命・財産を守ることに無関心である」ということが、ご理解いただけたと思います。
質疑の最後に、ミサイルが原発に着弾した場合の放射性物質放出量を評価していないし、今後もする気がない旨、田中委員長から答弁がありました。原子力規制委員会が評価をしない理由は、内閣の最高責任者である安倍総理が「ミサイルなんて飛んでくる訳がない」と思っているからです。
外交努力を放棄して北朝鮮のミサイル脅威を煽っている本人が、花見やゴルフを楽しんでいるんですから、部下たちが真面目に仕事をする訳がありません。
安倍総理の言動と行動に一貫性が無いこと、矛盾があることに国民は気付くべきだと思います。
以上