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【ケンカ腰は無能の証明】武力に頼らない外交努力こそ日本が取るべき道である。

 「フィンランドの小学5年生が自分たちで作ったという議論における10のルール」というものがあります。

1. 他人の発言をさえぎらない
2. 話すときは、だらだらとしゃべらない
3. 話すときに、怒ったり泣いたりしない
4. わからないことがあったら、すぐに質問する
5. 話を聞くときは、話している人の目を見る
6. 話を聞くときは、他のことをしない
7. 最後まで、きちんと話を聞く
8. 議論が台無しになるようなことを言わない
9. どのような意見であっても、間違いと決めつけない
10. 議論が終わったら、議論の内容の話はしない
(出典:図解 フィンランド・メソッド入門)

 議論をするには技術・知識や経験だけではなく、他人を思いやる気持ち・誠実さ・想像力・忍耐強さ、なども必要になります。人間としての全人格的な実力が要求されますので、短期間で身に付くものではありません。特に日本人の場合は、教育制度の欠陥により、学校の授業で議論をすることがほとんどありません。実社会でも上意下達、なあなあが基本であり、それが通用しない場合は喧嘩になるだけです。つまり、日本社会では議論を実践する機会がほとんどないのです。よく、「日本人は国際会議の場で英語を使って議論できない」という話を聞きますが、「議論自体できない」というのが実態だと思います。

安保法制強行採決時における、佐藤元隊長の強烈パンチ 出典:EPA

 しかし、政治家、特に海外との交渉をする立場にある人間は、議論をして友好関係を築く能力を持っていなくてはなりません。誠に残念ですが、長年政権を担ってきた自民党議員たちには議論の能力に欠けているようです。アメリカの言いなりになるか、他の国と喧嘩するか、お金をバラ撒くしか選択肢が無いのです。

 外交努力で友好関係を築くのがお互いにとって一番得であり、防衛費も抑制にも役立つのですが、気に入らない相手に対して喧嘩腰になることが多いようです。一例として核武装論に関する過去の発言を見ていきましょう。

・1964年12月:佐藤栄作総理大臣「他人が核を持てば、自分も持つのは常識だ」
・1971年:石原慎太郎参議院議員「(核兵器が)無けりゃ、日本の外交はいよいよ貧弱なものになってね。発言権はなくなる」「だから、一発だけ持ってたっていい。日本人が何するか分からんという不安感があれば、世界は日本の言い分を聞くと思いますよ」
・1978年3月:福田赳夫内閣総理大臣「(憲法)第九条によって、わが国は専守防衛的意味における核兵器はこれを持てる。」
・1991年:宮澤喜一(総理就任前)「…日本にとって核武装は技術的に可能であり、財政的にもそれほど難問ではない」
・2002年5月13日:安倍晋三官房副長官「自衛のための必要最小限度を超えない限り、核兵器であると、通常兵器であるとを問わず、これを保有することは、憲法の禁ずるところではない」「核兵器は用いることができる、できないという解釈は憲法の解釈としては適当ではない。」
・2002年5月31日:福田康夫内閣官房長官「非核三原則は憲法に近いもの。しかし、今は憲法改正の話も出てくるようになったから、何か起こったら国際情勢や国民が『(核兵器を)持つべきだ』ということになるかもしれない」「法理論的には持てる。持っていけないとの理屈にはならない」
・2006年10月20日:中川昭一自由民主党政務調査会長「攻められそうになった時にどう防ぐか。万が一のことが起きた時にどうなるかを考えるのは、政治家として当然のことだ。」

写真(広島原爆による被害者)

 広島・長崎への原爆投下はアメリカによる戦争犯罪であり、日本は被害者として核戦争の再発防止策を先頭になって推進していかねばならない立場にあります。過去の事実から目を背け、出来もしない核武装を夢見て、武力で他国を威嚇する幻想に浸っているのでしょう。人格が未熟で議論が出来ない人間は、すぐに力に頼ってしまうのです。政治家失格ですね。

 話は変わりますが、2016年5月5日付の共同通信記事を以下に引用します。

引用始め
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写真(米大統領選で共和党候補の指名獲得を確実にしたトランプ氏) 出典:AP

 米大統領選で共和党候補の指名獲得を確実にした実業家トランプ氏(69)は4日、大統領に就任すれば、日米安全保障条約に基づき米軍が日本防衛のために支出している国防費の全額負担を日本に要求する考えを表明した。CNNテレビのインタビューに答えた。
 トランプ氏は金額に言及しておらず、日本に要求する負担がどのくらいなのかは不明。
 米軍が駐留する韓国やドイツにも同様に要求する考えを示し、応じなければ駐留米軍を撤収するとの持論も曲げなかった。指名獲得を確実にし、大統領に選ばれる可能性も出てきただけに一層波紋を広げそうだ。
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引用終わり

 日本には防衛費をこれ以上増やす余裕はありませんし、その必要もありません。在日米軍は日本のために駐留している訳ではないので、撤退していただいて結構。思いやり予算の負担がなくなるので大助かりです。日米安保条約の代わりに平和条約を結び、対等な国として仲良く付き合っていけば良いのです。アメリカの実質的な植民地状態を脱することができ、米軍による犯罪・事故・騒音に悩まされることもなくなります。在日米軍が撤退しても、防衛予算を増やす必要はありませんし、核武装も不要です。憲法九条の理念を堅持しつつ、アジアと世界の平和外交にいそしむべきです。安保法制(=戦争法)を正当化するために中国や北朝鮮への憎悪を煽る手法はあまりにも幼稚です。粘り強い話し合い・議論に勝るものはありません。

 アメリカにおんぶにだっこを前提としてきた外務官僚たちは、仕事の考え方・やり方の大幅変更を迫られるので嫌がるかもしれません。在日米軍関係の仕事をしてきた人や軍需産業の人は困るかもしれません。しかし、親分のアメリカに従う日本という不健全な関係を永遠に続けることはできません。いつかは終止符を打たねばならない。日本人一人ひとりが従来の「常識」に疑問を持たねばならないと思います。

以上

JUN: こんにちは。JUNといいます。 中年の男性です(既婚者)。 大学卒業後に民間企業(メーカー)に勤め、いつの間にかベテランと言われる年齢になりました。 皆さんに役立つ情報を提供したいと思い、ブログを始めました。 政治社会問題を扱うことが多いです。 れいわ新選組の山本太郎さんを支持。 難しい問題を分かり易く丁寧に解説するのが基本方針。 気軽に読んで頂けると嬉しいです。 その他プロフィール: ・大学は理系の学科を卒業 ・働きながら通信教育で心理学と人間行動学の修士号を取得 ・独学でTOEIC940点を達成(2020年1月) なお、ブログ記事の無断転載は法律で禁止されています。 どうぞよろしくお願いいたします。