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【幻滅・・】プロ野球の声出し問題について考える:自浄能力を発揮できない組織は衰退するのみ。

写真(円陣を組む巨人の選手たち) 出典:朝日新聞

 私自身、プロ野球に関心が無くなってから久しいですが、実際にプロ野球人気は低下の一途を辿っているようです。その衰退しつつあるプロ野球を象徴する報道が最近なされました。

 以下は、巨人で実際に行われてきたことを朝日新聞デジタルが報じたものです。2016年3月14日付の記事から引用します。

引用始め
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球団によると、試合前にベンチ前で円陣を組んだ際に、声出し役の選手が「がんばろう」などと活を入れる。チームが勝った場合、声出し役が各選手から「ご祝儀」として5千円を受け取り、負けた場合は逆に千円ずつ支払う仕組み。2012年5月ごろから自然発生的に始まったといい、声出し役は野手と投手で1人ずつ。順番に担当して、1日で約6万~8万円を手にすることもあったという。
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引用終わり

 球団はゲン担ぎやモチベーション維持を理由に挙げています。こんなことをしないと、最低限のやる気さえ維持できないのが実態のようです。本当でしょうか?

 そもそも、チームが勝利した場合、声出しした選手一人の手柄ではありませんから、他のチームメイトがお金を払う義務もありませんし、声出し選手がお金を受け取る資格もありません。チームが負けた場合、声出しした選手一人の責任ではありませんから、声出し選手がお金を払う義務はありませんし、他のチームメイトがお金を受け取る資格もありません。この無意味なご祝儀制度は、2012年5月頃から始まり、巨人だけでなく、阪神、広島、ソフトバンク、ロッテ、西武、楽天でも行われてきました。

 野球評論家として名高い?張本勲氏(75)は、この問題について次のように述べています。

「こんなことはどこの世界でもやってますよ。官僚であろうが、政治家であろうと」
「我々もよくやるじゃないですか、100円硬貨をポーンと上に投げて、裏か表か。それでラーメン賭けたりするじゃないですか」
「プロ野球というのはファンあってのものですから、ファンが『ダメだよ』と言ったらやめた方がいい。ファンに決めてもらいたい」

 私はサラリーマンをしていますが、このような無意味なご祝儀制度は聞いたことがありません。張本氏の言う通り、官僚や政治家の政界では、こんなことを本当にやっているのでしょうか?張本氏自身が身を置いていた業界なので擁護したい気持ちは分かりますが、あまりに稚拙な言い訳ですね。

 張本氏自身は、この奇妙なご祝儀制度の善悪を判断することが出来ないようです。ファンに対して判断の丸投げをしています。これでも彼なりに、ファンの気持ちを大切にしているようです。

 奇妙な金銭授受制度はこれ以外にもあります。巨人で実際に行われてきたことを朝日新聞デジタルが2016年3月15日付の記事で報じています。以下に引用します。

引用始め
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野球賭博をしたとして昨年11月に巨人から契約を解除された松本竜也元投手(22)が、朝日新聞の取材に、現金のかかった練習があったことを証言した。チーム内では、トランプやマージャンなどの賭け事も選手間で日常的に行われていたという。

松本元投手によると、現金がかかっていたのは、投手へのノック練習。数人でノックを受け、エラーの数が一番多い投手が他の選手に現金を支払う仕組みだった。日々の練習やキャンプ時にもやっていたといい、松本元投手は「エラー3回なら3万円ずつをメンバーに払う。10万円以上負けることもあった」と話した。

この「習慣」は「入団したときからあった」という。2軍選手の参加は強制されないが「ノリが悪いやつだと見られるのでやっていた」。中には、現金がかかっていることを承知で、若手選手に厳しい打球をノックするコーチもいたという。
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引用終わり

 ノリの良い悪いと言っているので、半分遊び感覚で現金をかけていたのでしょう。普通の職場ではあり得ないことです。プロとしての真剣味に欠けている印象を受けます。イチローさんあたりの感想を聞きたいものです。

 試合前の声出し御祝儀制度や、現金をかける練習・・・。これらは氷山の一角なのでしょうか?無意味で不必要な制度や習慣に付き合わされて、ウンザリしている選手は多いはずです。おかしいことはおかしいと声を上げればいいのですが、なかなかそれができない。ナゼでしょうか?

 日本社会では、お上が言うことに素直に従い、雰囲気を読み、他人のやることを気にし過ぎる傾向があります。それゆえ、自分の意見を持たず、意見があっても言わず、議論そのものが行われません。権力者にとっては支配しやすいですが、悪い習慣が改善されず、いつまでも続いてしまうことが多いのです。プロ野球の世界も同じみたいですね。

 プロ野球は個人事業主の集まりですが、臆せず自分の意見を言う人は例外で、基本的にはサラリーマンの世界と同じであることが分かりました。実際、選手会の動きは鈍く、当事者として提言をすることもなく、球団やコミッショナーの指示を待っているだけです。

 自浄能力を発揮できない組織や集団には、衰退し消滅する運命が待っています。

参考リンク:
張本勲氏、プロ野球の声出し問題に「どの業界でもやっている。しかし…」
巨人、選手間で日常的に現金やりとり 「NPBの判断」で公表せず

以上

JUN: こんにちは。JUNといいます。 中年の男性です(既婚者)。 大学卒業後に民間企業(メーカー)に勤め、いつの間にかベテランと言われる年齢になりました。 皆さんに役立つ情報を提供したいと思い、ブログを始めました。 政治社会問題を扱うことが多いです。 れいわ新選組の山本太郎さんを支持。 難しい問題を分かり易く丁寧に解説するのが基本方針。 気軽に読んで頂けると嬉しいです。 その他プロフィール: ・大学は理系の学科を卒業 ・働きながら通信教育で心理学と人間行動学の修士号を取得 ・独学でTOEIC940点を達成(2020年1月) なお、ブログ記事の無断転載は法律で禁止されています。 どうぞよろしくお願いいたします。