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マスコミは何も言わないけど、今は「原子力緊急事態宣言発令中」です。解除できない理由は?

原子力緊急事態宣言発令の根拠

原子力災害対策特別措置法という法律があります。概要は以下の通りです。

「原子力災害が放射能を伴う災害である特性に鑑みて、国民の生命、身体及び財産を守るために特別に設置した、日本の法律である。
1999年9月30日の東海村JCO臨界事故を動機に制定され、1999年12月17日に施行された。特に内閣総理大臣が原子力緊急事態宣言を出した場合、内閣総理大臣に全権が集中し、政府だけではなく地方自治体・原子力事業者を直接指揮し、災害拡大防止や避難などをすることが出来るようになった。」(出典:ウィキペディア)

原子力緊急事態宣言が発令された時は総理大臣に全権が委ねられますが、目的はあくまで、国民の生命や財産を守ることです

原子力緊急事態宣言は、福島原発事故に伴い、2011年3月11日に発令されました。

官房長官記者発表「原子力緊急事態宣言について

上記リンクから一部を抜き出し、以下に示します。

「原子力安全対策本部を開催をいたしまして、本日16時36分、東京電力福島第一原子力発電所において、原子力災害対策特別措置法第15条1項2号の規定に該当する事象が発生し、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要があると認められたため、同条の規定に基づき、原子力緊急事態宣言が発せられました。」

原子力緊急事態宣言を解除できない理由

原子力災害対策特別措置法の第十五条には次の記述があります。

「4 内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言をした後、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに原子力規制委員会(旧原子力安全委員会)の意見を聴いて、原子力緊急事態の解除を行う旨の公示(以下「原子力緊急事態解除宣言」という。)をするものとする。」

つまり、緊急事態を脱したら、すぐに原子力緊急事態宣言を解除しろ、という決まりがあるのです。

しかし実際、2023年1月現在、原子力緊急事態宣言が解除されていません。いまだに原子力緊急事態が続いているのです。

ご存知でしたか?

原子力緊急事態宣言に伴い全権をゆだねられている歴代総理は、国民の生命・財産を守るという法律の目的に沿って行動してきたのでしょうか?

2011年4月27日、首相官邸の災害対策ページに下記リンクが掲示されました。

放射線から人を守る国際基準 ~国際放射線防護委員会(ICRP)の防護体系~

上記リンクの文章によると、事故が無い平常時は一般人の被ばく量は年間1ミリシーベルト以下となっています。

しかし、福島原発事故で緊急事態となったので、一般人の被ばく量は年間20ミリシーベルト以下と定められました。

実際、避難する時にたくさん被ばくして、年間1ミリシーベルトを超えてしまうこともあり得るからです。

(注:年間1ミリシーベルト以下という数値は、ICRP(国際放射線防護委員会)という原子力推進機関が示した数値なので、安全だと信じない方がいいです。あくまで0が目標です)

年間20ミリシーベルトというのは随分と高い数字ですが、原子力緊急事態宣言が発令されている間に限り、仕方なく認めるということです。

原子力緊急事態宣言をずっと継続していれば、年間20ミリシーベルトの環境に国民がずっと暮らし続けても構わない、などと解釈してはいけません。

平常時の一般人の被ばく限度:年間1ミリシーベルト以下(あくまで0が目標)を、常に念頭に置くべきです。

さて、福島原発からは大量の放射性物質が漏れ続けており、収束の目途が全く立っていません。

原発内部の状況をまともに確認することすらできないのです。

汚染水が溜まり過ぎて限界に近づき、海洋放出が避けられなくなりました。

国際的な信用を失い、日本に非難が集中することは避けられません。

とにかく、原子力緊急事態宣言を解除する状況にないことは明らかです。

この点で、歴代政権の判断は正しいと思います。

原子力緊急事態宣言発令下で自民党政権がやっていること

繰り返しますが、今は、原子力緊急事態宣言発令中です。

しかし、緊急事態から平常状態に戻すにはどうしたらいいだろうと、自民党政権は悩んでいる風に見えません。

危機感の無い歴代政権がやっていることは次のようなことです。

・放射線管理区域に相当する高線量地域に何百万人も居住している状態を放置している。

写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

・避難者への援助を打ち切り、高線量地域へ帰還せざるを得ないようにする。

写真(記者会見でブチ切れた今村復興大臣:「原発事故の自主避難は自己責任だ!」)

・放射能汚染レベルの測定が不十分で、しかも、わざと数値を低く見せている。
・健康調査の対象範囲を狭くし、被曝による健康被害を小さく見せている。
・特定の医療機関だけに健康調査・診断を許可し、その結果を住民たちに教えない。
・東京オリンピックの誘致
・福島県の農産物を福島県内の学校給食に用いて、「安全性」をアピールしている。

写真(福島県の学校給食で地元産を使用) 出典:NHK

・汚染地域への企業進出や学校新設を許可している。
・東京電力など原子力村の人間は罰せられず、賠償費用を国民負担にしている。

関連記事リンク
【巨大犯罪!】福島原発事故で誰も裁かれないのは異常だ:ジャパンタイムズの記事内容紹介

・安全性の確認ができないばかりか、放射性廃棄物の処理・管理方法も確立できていないのに、全国の原発を再稼働しようとしている。

・原発の新設や輸出を目論んでいる。
・その他いろいろ・・・

まとめと結論:

何度も繰り返しますが、今は原子力緊急事態宣言発令中です。

しかし、多くの国民が忘れているのをいいことに、あえて平常時を演出しています。

マスコミも緊急事態中だということを指摘することはありません。

そればかりか、当時の安倍首相は、自分に全権が集中している状態を悪用し、年間1ミリシーベルト以下という原則を無視しました。

やったことは、年間20ミリシーベルト地域への避難民帰還政策です。

人間の心を失ってしまったのでしょうか?

首相官邸災害対策ページより、「放射線から人を守る国際基準」を引用します。

「平常時には、身体的障害を起こす可能性のある被ばくは、絶対にないように防護対策を計画します。その上で、《将来起こるかもしれないがんのリスクの増加もできるだけ低く抑える》ことを、放射線防護の目的としています。そのため、放射線や放射性同位元素を扱う場所の管理をすることにより、一般人の被ばくは年間1ミリシーベルト以下になるようにしています(公衆の線量限度)。」

(注:年間1ミリシーベルト以下という数値は、ICRP(国際放射線防護委員会)という原子力推進機関が示した数値なので、安全だと信じない方がいいです。あくまで0が目標です。)

結論:

自民党政権に国民の生命・財産を守る意思はありません。

一日も早い政権交代が、有権者としての正しい判断です。

以上

JUN: こんにちは。JUNといいます。 中年の男性です(既婚者)。 大学卒業後に民間企業(メーカー)に勤め、いつの間にかベテランと言われる年齢になりました。 皆さんに役立つ情報を提供したいと思い、ブログを始めました。 政治社会問題を扱うことが多いです。 れいわ新選組の山本太郎さんを支持。 難しい問題を分かり易く丁寧に解説するのが基本方針。 気軽に読んで頂けると嬉しいです。 その他プロフィール: ・大学は理系の学科を卒業 ・働きながら通信教育で心理学と人間行動学の修士号を取得 ・独学でTOEIC940点を達成(2020年1月) なお、ブログ記事の無断転載は法律で禁止されています。 どうぞよろしくお願いいたします。