X

【自分は無関係ですか?】逮捕された清原容疑者の事例から奴隷根性の本質を考える。

写真(覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された清原和博容疑者)

 2016年2月2日、元プロ野球選手の清原和博氏が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されました。法律違反を犯し、身も心もボロボロになった挙句、逮捕された清原容疑者。社会的に知名度が高く収入が良くても、精神的に強い訳ではないことが分かります。自分の頭で善悪の判断を行い、自分で自分を律する能力に欠けていると言わざるを得ません。

 幼少から野球に打ち込みプロ野球選手になる過程で、いわゆる体育会系の行動特性を身に付けましたが、社会人として非常に未熟なまま今日まで来てしまったのです。上役には奴隷として仕える代わりに、目下のものに奴隷になることを強要する・・・ 巨人在籍時代の呼称「番長」は、強さの証明ではなく、卑屈さ・弱さの象徴なのです。48歳になるまで自分の本質を理解しないまま堕落を続けた清原容疑者は、これから死ぬまで自分自身と向き合う必要があります。

 薄っぺらな体育会系という行動特性を体現していた清原容疑者は、奴隷根性に凝り固まった弱い人間でもありました。奴隷根性のついて論じた大杉栄氏の著作:「全集・現代文学の発見・第一巻 最初の衝撃」(学芸書林)、から一部引用いたします。

参照リンク:
http://www.aozora.gr.jp/cards/000169/files/1006_13470.html

引用始め
**********************
奴隷根性論:

中略

 勝利者が敗北者の上に有する権利は絶対無限である。主人は奴隷に対して生殺与奪の権を持っている。しかし奴隷には、あらゆる義務こそあれ、何等の権利のあろう筈がない。

 奴隷は常に駄獣や家畜と同じように取扱われる。仕事のできる間は食わしても置くが、病気か不具にでもなれば、容赦もなく捨てて顧みない。少しでも主人の気に触れれば、すぐさま殺されてしまう。金の代りに交易される。祭壇の前の犠牲となる。時としてはまた、酋長が客膳を飾る、皿の中の肉となる。

 けれども彼等奴隷は、この残酷な主人の行いをもあえて無理とは思わず、ただ自分はそう取扱わるべき運命のものとばかりあきらめている。そして社会がもっと違ったふうに組織されるものであるなどとは、主人も奴隷もさらに考えない。

 奴隷のこの絶対的服従は、彼等をしていわゆる奴隷根性の卑劣に陥らしむるとともに、また一般の道徳の上にもはなはだしき頽敗を帰さしめた。一体人が道徳的に完成せられるのは、これを消極的に言えば、他人を害するようなそして自分を堕落さすような行為を、ほとんど本能的に避ける徳性を得ることにある。しかるに何等の非難または刑罪の恐れもなく、かつ何等の保護も抵抗もないものの上に、容赦なくその出来心のいっさいを満足さすというがごときは、これとまったく反対の効果を生ずるのは言うまでもない。飽くことを知らない暴慢と残虐とがはびこる。

 かくして社会の中間にあるものは、弱者を虐遇することに馴れると同時に、また強者に対しては自ら奴隷の役目を演ずることに馴れた。小主人は自らの奴隷の前に傲慢なるとともに、大主人の前には自らまったく奴隷の態度を学んだ。

 強者に対する盲目の絶対の服従、これが奴隷制度の生んだ一大道徳律である。そして主人および酋長に対するこの奴隷根性が、その後の道徳進化の上に、いかなる影響を及ぼしたかは次に見たい。

中略

 主人に喜ばれる、主人に盲従する、主人を崇拝する。これが全社会組織の暴力と恐怖との上に築かれた、原始時代からホンの近代に至るまでの、ほとんど唯一の大道徳律であったのである。

 そしてこの道徳律が人類の脳髄の中に、容易に消え去ることのできない、深い溝を穿ってしまった。服従を基礎とする今日のいっさいの道徳は、要するにこの奴隷根性のお名残りである。

 政府の形式を変えたり、憲法の条文を改めたりするのは、何でもない仕事である。けれども過去数万年あるいは数十万年の間、われわれ人類の脳髄に刻み込まれたこの奴隷根性を消え去らしめることは、なかなかに容易な事業じゃない。けれども真にわれわれが自由人たらんがためには、どうしてもこの事業は完成しなければならぬ。
**********************
引用終り

 奴隷根性は、体育会系を自認する一部の人たち特有のものではありません。

 選挙で投票せずに棄権する人たちは、社会の在り方を自分で決めようとせず、お上の言う通りに従いますと宣言しているのと同じです。これを奴隷根性と呼ばずして、何と表現すべきでしょうか?

図(2014年の衆院選における自民党獲得票数と棄権者数の比較) 出典:数値は総務省集計データ通りだが、図自体の出典は不明

 棄権した人は、「私は奴隷根性なんか持っていない。失礼だ。」と言うかもしれませんが、奴隷根性は無意識下に押し込まれているために気づいていないだけです。

 奴隷根性を持った国民たちによって誕生した安倍政権は、立派とは言えない人たちで構成されています。国民に対して奴隷であることを強要する代わりに、親分であるアメリカ様に対しては忠実な奴隷として尽くしています。

 例えば、広島・長崎への原爆投下はアメリカによる戦争犯罪ですが、こんな当たり前の事実さえもアメリカ様に遠慮して、国会の場ではっきり認めることができません。山本太郎議員は、「いつまで、没落間近の大国のコバンザメを続ける気ですか?」、と厳しく安倍総理を追及していました。詳しくは、下記リンク先の記事でご確認ください。

【山本太郎議員の追及】自民党はアメリカの奴隷であることを国会で明らかにした場面の紹介

最後に:
 冒頭で清原容疑者の例を挙げましたが、これは決して芸能ニュースの延長で気楽に眺める類のものではありません。かつては脚光を浴びていても、その奴隷根性(=精神的未熟さ)ゆえに凋落してしまった姿を、日本人一人一人は自分と重ね合わせてみる必要があると思います。先ほどの大杉栄氏の文章をもう一度引用して、本記事を終わりたいと思います。

「われわれ人類の脳髄に刻み込まれたこの奴隷根性を消え去らしめることは、なかなかに容易な事業じゃない。けれども真にわれわれが自由人たらんがためには、どうしてもこの事業は完成しなければならぬ。」

以上

JUN: こんにちは。JUNといいます。 中年の男性です(既婚者)。 大学卒業後に民間企業(メーカー)に勤め、いつの間にかベテランと言われる年齢になりました。 皆さんに役立つ情報を提供したいと思い、ブログを始めました。 政治社会問題を扱うことが多いです。 れいわ新選組の山本太郎さんを支持。 難しい問題を分かり易く丁寧に解説するのが基本方針。 気軽に読んで頂けると嬉しいです。 その他プロフィール: ・大学は理系の学科を卒業 ・働きながら通信教育で心理学と人間行動学の修士号を取得 ・独学でTOEIC940点を達成(2020年1月) なお、ブログ記事の無断転載は法律で禁止されています。 どうぞよろしくお願いいたします。