世界で最も先進的な日本国憲法を、安倍総理が変えたがっている理由は何か?

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 2012年5月3日付の朝日新聞に、「日本国憲法 今も最先端」という記事が載っています。そこで次のような一覧表が使われています。

図(世界の憲法に謳われている権利ランキング)
図(世界の憲法に謳われている権利ランキング)

 これは、ワシントン大学のデービツド・ロー教授とバージニア大学のミラ・バースティーグ准教授ら米国の法学者たちが、成文化された世界のすべての憲法188カ国分を分析した結果です。縦方向に権利の種類が書かれており、時代の経過とともに、これら権利を憲法に取り込む国が増えているのが分かります。日本国憲法は69年も前に成立したのですが、すでにこれら権利のほとんどを網羅していたのです。世界で最も先進的な憲法だと言えます。「日本国憲法は古い」という人は、このような事実を踏まえて発言しているのでしょうか?

 では、これら崇高な日本国憲法の理念がきちんと法律に反映され、実社会の中で活かされているのでしょうか?残念ながら、答えは否です。

 報道・表現の自由をないがしろにする政府高官の発言が相次ぎ、マスコミは進んで自己検閲している有様です。男尊女卑の考えが根強く、女性は二級市民の扱いです。また、お金持ちの家庭に生まれないと高等教育を受けにくく、若者の多くは奨学金という名のローンに苦しんでいます。まるで中世の国を想起させる刑事司法制度により、強引な取り調べと自白の強要が行われ、冤罪が大量生産しています。また、上の権利一覧表にはありませんが、戦争放棄の第9条は、安保法制成立の過程で見事に蹂躙されました。原発事故による避難者たちは、政府によりさらに追い詰められ、健康で文化的な最低限度の生活すら望むべくありません。本当に、例を挙げればキリがありませんね。

 政治家には日本国憲法を遵守する義務があるのですが、安倍政権にはその意思が全くないことが露呈しています。むしろ逆に、積極的に憲法の精神を蹂躙しています。

 独裁者によって痛い目に遭った国民が、統治権力を縛るための手段として生み出したのが憲法です。このような常識をわきまえない自民党議員が、粗悪な人権感覚丸出しの憲法改正草案を発表しています。好き勝手に国民から搾取したいという欲望が良く表れています。詳しくは次のビデオをご覧ください。弁護士の人たちが要点を解り易くまとめた紙芝居です。

以下に書き起こしを記します。引用元はこちら→王様をしばる法 ~憲法のはじまり~

書き起こし始め
*************************
【1】
むかしむかし、あるところに、とっても悪い王様がいました。
王様はとても威張っていたので、人々は王様のことが嫌いでした。でも、誰ひとりとして、王様に逆らうことはできませんでした。

【2】
悪い王様は、気に入らないことがあると、人々を牢屋に入れたり、殺してしまったりしていました。
人々は、王様を怒らせたら殺されてしまうかもしれないので、何でも我慢していました。
本や新聞を書く人は、王様を怒らせてしまうかもしれないので、怖くて何も書けなくなってしまいました。
街では、王様の手下が聞いているかもしれないので、王様の政治や生活の不満について話すことができませんでした。

【3】
しかし、人々の我慢ももう限界です。
人々はついに立ち上がり、悪い王様を捕まえました。そして、代わりに新しい王様に政治をしてもらうことにしました。
新しい王様は、もとの悪い王様とは違う政治をすることを、みんなに約束しました。

【4】
新しい王様は、さっそくきまりを作りました。
「王様は、国民に自由を与える。」
「王様がいいと言ったら、本を書いてもよい。」
「王様がいいと言ったら、街でデモをしたり、演説をしたりしてもよい。」
王様は、このきまりに「憲法」と名前をつけました。
人々は、してもよいことが増えたと思って、とても喜びました。

【5】
しかし王様は、本を書くのもデモをするのも、簡単に「いい」とは言ってくれないようです。
王様に文句をいうデモをしてはいけない。
王様を悪く書いた本は、燃やしてしまう。
本を書く人も、街の人たちも、王様の顔色ばかりうかがうようになりました。
街には、王様をほめたたえる本や、王様に賛成するデモばかりがあふれました。
 
【6】
ある時、新聞社にたくさんの警察官が入っていき、新聞を書く人たちを捕まえてしまいました。
どうやら、王様を怒らせる記事を書いてしまったようです。
人々は、王様を怒らせたら捕まってしまうかもしれないので、何でも我慢するようになりました。
街では、王様の手下が聞いているかもしれないので、王様の政治や生活の不満について話すことができなくなってしまいました。
なんだか、思っていたのと違うようです。

【7】
人々は話し合いました。
「これじゃ、前の悪い王様と同じじゃないか…」
「憲法には、「王様は、国民に自由を与える。」って書いてあるよ。僕たちは、自由をもらったんじゃないの?」
「いや、本当はちがうんだ。自由は王様にもらうものじゃない。生まれたときから持ってるものだ!」

【8】
「だったら、王様が好き勝手できないように、王様を縛るきまりを作ったらいいじゃないか。」
人々は、王様の権力を縛る新しいきまりを作ることにしました。
そしてこの新しいきまりに、王様が作ったのと同じ「憲法」という名前をつけました。
「これからは、王様が勝手に作ったきまりじゃなくて、私たちが話し合って作った、王様を縛るきまりが憲法だ。」

【9】
こうして、王様を縛る新しいきまりができあがりました。
「誰でも、本を書ける。誰でも、街でデモできるし、演説もできる。王様は、憲法を守って政治をしなさい。」
そう書いてあれば、王様も気に入らないからといって、本を燃やしたり、人を牢屋に入れたりすることはできません。
街には人々の声が溢れ、本屋にはたくさんの本や新聞が並びました。

【10】
やがて時は経ち、王様の時代から、選挙で選ばれた人たちが政治をする時代へと変わりました。
でも、街から問題がなくなったわけではありません。
生活が貧しくて困っている人、無実の罪で捕まってしまう人。
政治をする人たちを批判したら、自由に行動できないように、こっそり監視されてしまうかもしれません。
こんなとき、政治をする人たちが憲法を守ってくれるのを待っているだけでは、なにも変わりません。政治をする人たちが憲法を守るかどうか、私たちが見守っていかなくてはならないのです。
そして、もし政治をする人たちが憲法を破ってしまったら、憲法をきちんと守らせるために、私たちが声を上げなくてはならないのです。
*************************
書き起こし終わり

 安倍政権は、世界で最も先進的な日本国憲法を捨てて、世界で最も遅れた戦前の憲法に戻そうとしているのです。戦前回帰願望が強い反動勢力だと評価されるゆえんです。少なくとも、彼らに憲法改正をさせてはなりません。改悪になってしまいます。

最後に:
 日本国憲法について、今後、永遠に何も手を加えるべきではないとは言いません。より良いものにするため、内容の追加・削除・変更をする時が、いつかは来るでしょう。しかし、今はその時ではありません。少なくとも今後10年くらいは、まず、国民一人一人が憲法の目的や内容をよく理解するために費やすべきではないでしょうか?そうしないと、国民的な改正議論をする素地が生まれません。

 政治的無関心派が多数を占め、お任せ民主主義がはびこっている現在は、無理に憲法を改正すべき時ではないと思います。

以上


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投稿者:

J Iwasaki

J Iwasaki

大学卒業後、民間企業に勤めています。 皆さんに役立つ情報を提供したいと思い、ブログを始めました。 気軽に読んで頂けると嬉しいです。 なお、ブログ記事の無断転載は法律で禁止されています。

「世界で最も先進的な日本国憲法を、安倍総理が変えたがっている理由は何か?」への3件のフィードバック

  1. いつも貴重な情報ありがとうございます。

    王様をしばる法 ~憲法のはじまり~の書き起こしが記載されていません。

    よろしくお願いいたします。

  2. その考えだと、十年後にはこの分だけの人数にまた教えねばならず、十年後にも十年間は考えねばならないとなります。
    時期尚早と言いますが、時期になってから変えてはならないと考えます。
    時期になる前に変えねばならないと思うのです。
    日本国憲法が最先端に近いところに存在するのは否定しません。ですが、周囲の国と比較して最先端だからどうだと言うのでしょうか。
    最先端とかはどうでもよく、必要なものであればいいのです。過去の常識で作られたものが、現在の常識に対応できているのは素直に称賛できます。ですが、当時の常識では考えられなかった、漏れが存在するのは否定できないです。

  3. この「王様を縛る法」という考え方は、憲法学のスタンダードなんだけど、はっきりいって無意味。「憲法」を作っただけでなんで王様が恐れおののくのか。水戸黄門の印籠か。

    水戸黄門の印籠で悪代官が恐れおののくのは、「印籠」のおかげじゃない。「印籠」の背後にある、巨大な徳川幕府の実力に恐れおののいているのだ。
    「憲法」に王様が恐れおののくのは、「憲法」の背後に実力組織があるからである。
    具体的にはブルジョアジーの経済力、プロレタリアートの軍事力などと「敵対することが得策ではない」と王様が判断したから、「憲法という講和条約」を結んだに過ぎない。

    「憲法という魔法の言葉」が、王様から「弱き国民」を守ってくれるわけじゃない。「国民」が弱くなれば、王様は「憲法という講和条約」を簡単に破棄して、再び闘争を挑んでくると心得よ。

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