参院選での改憲勢力圧勝がもたらす政治的災害を、アメリカの保守メディアが分析

写真(2016年7月の参院選で改憲勢力が圧勝)

写真(2016年7月の参院選で改憲勢力が圧勝)

 2016年7月10日の参議院選挙では、改憲勢力が三分の二を占めました。この日本の政治状況をアメリカの保守系メディアが分析し記事にしています。

 NATIONAL REVIEWの2016年7月16日付記事のリンクを以下に示します。

「Japan Reverts to Fascism」(ファシズムに回帰する日本)

以下に要約を記します。

要約始め
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日本の政治に起こった津波災害:

今週、日本の自公政権を含む改憲勢力が圧勝し、衆参両院で三分の二を占めることになった。これで、自民党の念願である改憲発議が可能になったのだ。

現在の日本国憲法は改正されたことがない。人間は誰でも生まれつき人権を持っているという西欧的考えが、自民党は気に入らないらしい。

自民党議員や安倍政権閣僚の多くは、日本会議という右翼団体に属している。日本会議は、第二次世界大戦での旧日本軍犯罪・侵略戦争という事実を否定している。そればかりか、アジアの解放につながったと礼賛し、東京裁判の不当性を訴え、南京大虐殺はでっち上げだと主張している。また、旧日本軍による性奴隷犯罪を否定し、日本の再軍備を訴えている。現在の憲法を尊重せず、天皇を神格化した戦前への回帰願望が強い。

戦後、占領国であるアメリカから民主主義を押し付けられ、天皇は人間宣言せざるを得なくなり、日本は世界の中心という優越思想は否定された。このことに対して、日本会議のメンバーは今も怒り狂っている。

2013年、安倍晋三氏の総理就任祝いのパーティが日本会議主催で開かれた。そこでは旭日旗(きょくじつき)が掲げられ、戦後レジームからの脱却が宣言され、君が代が斉唱された。

自民党の憲法改正草案では、政教分離が否定され、天皇の神格化が盛り込まれている。また、憲法九条の戦争放棄も否定している。

現在の日本国憲法下でも、日本は憲法九条を厳密に守っているわけではなく、現実には世界第四位の軍事大国だ。

さらに自民党の憲法改正草案では、公共の利益と秩序を持ち出して表現の自由を制限している。ここ数年、安倍政権下での報道の自由度ランキングが急降下している。政府に都合の悪い報道をしたら停波すると総務大臣が発言したり、NHK会長が御用マスコミ化宣言している有様だ。

自民党の憲法改正草案には、自由と権利には責任と義務が伴うことを国民は認識しなければならない、と明記されている。君が代を尊重せよ、公共の利益と秩序を守れ、緊急事態では政府からの命令に従え、などが盛り込まれている。ただし天皇は憲法尊重義務を免除されており、権能拡大が図られている。

衆参両院議員の三分の二が改憲に賛成し発議されたら、最終的には国民投票の過半数で決まることになる。日本人投票者の半数以上が、自分たちの権利を縛る新憲法に賛成するだろうか?想像するのもバカバカしいが、あり得ないことではない。

我々にとって重要な同盟国である日本。世界で二番目に豊かな民主国家日本がファシズムに回帰するのを、指をくわえて見ているわけにはいかないだろう。
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要約終わり

 海外メディアですが、良く分析して、報道していると思います。日本政府に遠慮する必要がないので、日本の大手マスコミよりは正確な情報を提供してくれていますね。

 日本のマスコミは概して、現状の記者クラブ権益を守ることを優先していますので、権力批判報道はほとんど期待できません。ジャーナリストの役割を放棄し、社会的には死んでいる状態です。そんな中で比較的頑張っているのは、規模が小さいところばかりです。残念ながら影響力が小さく、日本人有権者の大勢を動かす力はありません。

 舛添さんの時のように大手の新聞社が一斉に一面で報じたり、大手テレビ局が朝から晩まで繰り返し報道するようにならないと、急激な情勢変化は望めそうにありません。

以上

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