日本の経営者は奴隷が大好き!外国人技能実習生の受け入れは中止すべき。

 日本人の人権意識は国際的に見て低く、冤罪事件が多発する実態も踏まえて「日本は中世の国か?」と海外から揶揄される始末です。労働現場での実態もひどく、「karoshi」という新しい英単語を生んでしまった程です。「美しい国:日本」などと言って自己陶酔しているのは総理大臣くらいかもしれません。

 法律に反する労働行為を強要されても、それに文句も言わずに従う日本人が多数派だと思います。その日本人従業員よりもさらに劣悪な環境で低賃金の長時間奴隷労働をさせられている外国人実習生がたくさんいます。外国人技能実習生は2017年現在で約17万人もいますが、わざわざに日本へ来てもらう目的は次の通りです。あくまでも建前です。

「技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することによる国際貢献を目的とする」

 下写真のようなFAXが出回っているようですが、実際、外国人実習生の労働の実態はどうなっているのでしょうか?

写真(外国人実習生の雇用を勧めるFAX)

 企業の経営者が、「外国人実習生は戦力になっている」「彼らがいないと経営が成り立たない」「うまくいっている」などとコメントするのを聞きますが、経営側の意見ばかり聞いても本当のことは分かりません。被害に遭っている外国人実習生本人から本音を聞かねばならないのですが、マスコミは弱者の情報を吸い上げる努力をほとんどしていません。しかし、国会議員という権力者の中にも良心を持った人がいて、外国人実習生の立場から奴隷労働の実態を国会で取り上げてくれています。

 2017年4月13日に内閣委員会で、自由党共同代表の山本太郎議員が、外国人技能実習制度の問題点について指摘・追及しました。YouTubeビデオのリンクを以下に貼ります。

 上記リンク先の国会質疑の中から、必要と思われる部分を以下に引用します。

引用始め
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○山本太郎君
「実際、日本を訪れ暮らした人々にとって日本はどんな印象でしょうか。移民政策と誤解されないよう配慮しつつ、更なる外国人人材の活用の仕組みを検討すると安倍総理御発言のとおり、東京五輪向けの建設、造船分野での緊急措置、神奈川、大阪、東京、特区での外国人家事労働者導入、在留資格「介護」の新設、製造業での外国従業員受入れ事業など、着々と進んでいる。さらに、今年三月、農業人材の就労解禁のため、国家戦略特区法改正案も提出、今年秋には技能実習の介護分野への拡大も予定。こういった方々が母国に帰った際に大いに日本を宣伝してくれる存在になれば、これぞやはり、何といいますか、廃りのないといいますか、本物のクールジャパン戦略ではないかという観点で、外国人技能実習生に国家戦略特区を絡めて質問していきたいと思います。
お聞きします。外国人技能実習生に日本に来てもらう狙いは何でしょうか。」

○政府参考人(佐々木聖子君)
「技能実習制度は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することによる国際貢献を目的とするものでございます。」

○山本太郎君
「技術、技能の移転、つまりは国際貢献だと。日本では、介護分野での労働不足、深刻です。この秋、介護分野に実習生が入ってきます。開発途上国では家族介護がほとんどと聞きます。
介護職が職業として定着していない、じゃ、日本で学んだ技術、帰国後にどう生かされるのか、大いに疑問なんですよね。送り出し国側のリアルな技能実習ニーズの把握を厳格にされていますか。技術、技能の移転でなく、日本の介護分野の人手不足、補っているんじゃないですか。客観的に確認する手続を採用すべき。すなわち、送り出し国にある日本大使館、領事館、ジェトロ、JICAなど在外機関を通じて送り出し国の社会経済状況等を把握した上で、技能実習ニーズの有無について判断すべきだ。これは、国が実際にやっていないことを今お伝えしております。」

「副大臣、是非、送り出し国側のリアルな技能実習ニーズの把握を客観的に確認する手続を採用すべきと各省庁などに御提言いただきたいんです。よろしくお願いします。」

「日本の外国人実習制度については世界からはクレームの嵐です。国連からは、女性差別撤廃委員会、人身売買に関する特別報告者報告、移住者の人権に関する特別報告者報告、人種差別撤廃委員会、自由権規約委員会からは二度指摘いただき、性的虐待、労働に関係する死亡、強制労働となり得る状況に関する報告がいまだに多く存在することを懸念とともに留意すると。アメリカ国務省人身売買報告書では、人身取引を示す実質的証拠があるにもかかわらず、政府はこの制度における強制労働の被害者をこれまで一人も認知していないと、二〇〇七年から二〇一六年まで毎年指摘されました。」

「世界は見ています。そして、世界に完全にばれてしまっているようです。これではさすがにまずいと、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律が成立。運用は今年十一月から。」

○山本太郎君
「確かに労働の法律では守られています。でも、言葉がうまく話せない実習生には、日本人と同じルールでしか守ってもらえないというのはかなりハードル高いと思いませんか。司法の判断と言いました。裁判、これできますかね?実習生制度としてしっかりとサポートすることを考えるべきだと思うんですけれども、新しい法律の内容を聞いてもいまいち実効性に欠ける。技能実習生の救済について、はっきりとまだまだ決まっていないことが多いというのが正直なところじゃないかなと思います。」

「実習生を受け入れる企業などには、それぞれ受入れの人数枠があるとお聞きしました。そもそも人数枠を設けた理由、簡単に教えてください。」

○政府参考人(佐々木聖子君)
「技能実習制度の趣旨が、先ほど申し上げましたとおり、技能等の開発途上国等への移転を目的とするものであることに鑑みまして、受入れ企業の基準として受入れ企業の常勤職員数に応じた技能実習生の受入れ人数枠を設けておりますのは、受入れ企業における十分な指導体制を確保するためのものでございます。」

○山本太郎君
「ありがとうございます。
例えばでお聞きします。今、常勤職員の数が五十人の企業は、現在、実習生の受入れ可能人数は九人です。今年十一月から始まる法律の運用で、受入れ人数は最大で何人まで増やせますか。」

○政府参考人(佐々木聖子君)
「新制度におきましては、通常の受入れ機関の場合は技能実習二号までの技能実習生が最大十五人、それから、中でも優良な受入れ機関の場合、これはまさに十分な指導体制が確保できているものということでございますけれども、技能実習三号までの技能実習生を最大六十人までそれぞれ受けることが可能になります。」

資料3のリンク「外国人実習生の受け入れ枠拡大」

○山本太郎君
「最大九人だった受入れ枠が最大で六十人、九人が六十人、これすごい拡大ですね。資料の三、この大幅な受入れ拡大、技能、技術を移転するための実習制度の意義を変えるものじゃないですか、空洞化させるんじゃないですか。技術、技能を移転するためにこれ人数ちゃんと制限しなきゃいけないねという話だったのに、九人が六十人というような、例えば五十人の常勤職員がいるところであれば、これぐらいの幅を持って拡大させるって、これ異常じゃないですかね。」

「実習生の権利侵害に関わる数々の問題については、はっきりとした解決方法もなく、答えもないまま、ちゃんとやりますという雰囲気物がほとんど。世界中から人身売買国家認定された反省が反映された制度にもなっていない。どう実習生を守るか、具体的に決まっているものの方が少ない。一方で、労働者の数を増やすことだけは、安い賃金で調達するための人数枠拡大だけは、何よりもむちゃくちゃ具体的じゃないですか。受入れ体制もできていないのに、受入れ枠拡大なんて筋が通りますかね。」

「日本に来た実習生の日本での記憶が、過去に国連などで報告された実習制度そのものであったなら、つまりは、長時間労働、超低賃金、暴力、性的虐待、パワハラ、モラハラのオンパレードといった思い出だったとしたら、日本なんて大嫌いだという人々を日本国自ら大量生産しているのと同じことですよ。周辺国の若者たちから奴隷労働の事実が口コミで広がれば、日本がアジアのリーダーになる日など永遠に来ることもありません。アメリカからも人身売買国家として認定されるきっかけの実習生制度は、進みながら改良することなど許されないと考えます。しっかりと体制ができるまで、受入れは中止するべきじゃないですか。」

○山本太郎君
「受入れ体制ははっきり言ってまだできていないと思います。修正点たくさんあるのに、それもせずに受入れ枠の拡大、これは余りにもあり得ない。ここをしっかりと体制を整えるまでは、この実習生そして国家戦略特区で外国人を受け入れるということも一度見合わせるということが必要だと強く申し上げて、質問を終わります。」
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引用終わり

 企業の経営者は視野が狭く、目先の自分の利益しか考えられないことが多いのです。決して万能ではない企業経営者の弱点を補うべく、山本太郎議員は国会で重要な指摘をしました。日本人の従業員たちは無関心でいてはいけません。現実に、外国人実習生の人権は踏みつけにされています。彼らの悲劇を見て見ぬふりをするということは、ブラック労働の蔓延に手を貸しているのと同じです。実際、政府は外国人奴隷労働の受け入れ枠拡大に意欲的です。これは、最終的には日本人従業員の首を絞めることに直結します。なぜなら、ブラック企業の悪徳経営者は、日本人従業員の待遇を外国人実習生のそれに合わせようとするからです。

 自分の給料をこれ以上減らされたくなければ、問題意識の共有が不可欠です。

以上

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