ご存知の通りアベノミクスという名の経済政策は破綻し、日本の経済は長らく停滞したままです。ウォールストリートジャーナルが2015年11月17日付の社説で、アベノミクスの再考を促す記事を書いています。リンクを以下に貼ります。
上記の記事から一部を引用し、私の論評を加えたいと思います。以下、「 」が引用部分で、→に私の考えを記します。
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「アベノミクスの「3本の矢」は、財政出動と金融緩和で始まった。その結果、日本の公的債務残高は年末までに対国内総生産(GDP)比250%に達する勢いだ。」
→日本政府の借金のGDP比は世界でも断トツですね。増加率が減る気配がありません。小学生でも解ることですが、この巨額の借金を返済することは不可能です。既に、日本国は破産状態です。公務員は破産した会社に勤めているという認識が必要です。
「3本目の矢である構造改革が、日本にとって持続的景気拡大の唯一の期待だった。電力・ガス業界の自由化や移民受け入れの幾分の拡大、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意などは構造改革の目玉と言える。」
→TPPの内容を実行したら、強欲な資産家たちに日本の富が収奪され、まともに生活することが出来ない社会になってしまいます。経済が活性化することもありません。そのような構造改革をやってはいけません。
「2014年4月には首相は不本意ながら消費税率を3%引き上げて8%とし、政権発足後初のリセッションに陥った。より最近では、子育て支援や社会保障の充実を打ち出した。これは政治的には人気があるものの、経済的には効き目がない。」
→子育て支援や社会保障を充実させれば国民の安心感が高まり、積極的な消費活動につながります。経済的には大きな効き目があります。安倍政権は口だけで、本音では社会保障を充実させる気などありません。軍需産業を含む大企業の利益が最優先なので、国民の暮らしぶりは貧しくなるばかりです。
「首相はまた、正社員の解雇を難しくして年功序列の賃金体系を促している労働契約法の見直しにも失敗している。非正規雇用は不完全な一時しのぎに過ぎず、2層式の労働市場の効率の悪さは深刻だ。」
→正社員を駆逐し、全員を非正規雇用にすればいいと主張しているのでしょうか?日本における非正規社員の悲惨な実態を、全く理解できていないようです。非正規化を進めれば一時的には企業収益が増えますが、給与の少なさが原因で消費は落ち込み、不景気が加速する結果となります。
「今日、日本企業の内部留保は約300兆円に達しており、この数字は経営者が利益につながる投資を見出せず、将来についていかに悲観的かを物語っている。
多くの国では株主は、配当もしくは自社株買い戻しという形で、利益につながらない内部留保を株主還元するよう企業に要求する。しかし、日本の企業経営者たちは株式持合いや緩い企業統治規定のために、こうした圧力から保護されてきた。従って、日本の経営者は将来の損失に対する保証として現金の保有を好んでいる。」
→安倍政権の大企業優遇策が功を奏して、企業の内部留保は増加の一途を辿っています。内部留保に対して課税を強化したり、従業員の給与に回すべきでしょう。また、大企業優遇策も程々にしないと、社会の貧富の格差が広がってしまいます。
強欲で倫理観の無い機関投資家たちを儲けさせるために株主還元をする必要はないでしょう。不労所得も度が過ぎると人間を堕落させるだけです。他の多くの国で行われているからと言って、マネする必要はありません。
「日本経済新聞社が実施した世論調査で、アベノミクスによって今後景気が「よくなると思う」との回答が25%にとどまったことも驚きではない。首相が真の改革を推進しなければ、近く、首相自身が行き詰ることにもなりかねない。」
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リンク先でウォールストリートジャーナルの記事を一通り読んでみましたが、何をどうすれば日本経済が上向くのか説得力のある提案を読み取ることはできませんでした。世界の支配層である少数の資産家たちは、強欲で無慈悲な手法を用いて人々から富を収奪していますが、そのような非道徳的な振る舞いを安倍さんにススメているかのような印象を受けました。
皆さんはどう感じましたか?
以上