自民党の所属議員でありながら、反原発の旗手として発言を続け、人気の高かった河野太郎氏。
どのような人物なのでしょうか?
「河野 太郎(こうの たろう、1963年(昭和38年)1月10日 – )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(7期)、国家公安委員長兼消費者及び食品安全担当大臣兼規制改革担当大臣兼防災担当大臣。
父は、元衆議院議長の河野洋平。副総理格国務大臣を務めた元衆議院議員河野一郎は祖父、元参議院議長河野謙三は大叔父に当たる。」(ウィキペディア)
河野太郎氏の著書を紹介しましょう。
1)
「原発と日本はこうなる 南に向かうべきか、そこに住み続けるべきか」講談社 (2011/11/18)
内容紹介(アマゾンより引用):
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東日本大震災のあと、テレビも新聞も原発族議員も、すべて東京電力擁護に動くなか、ブログを発信地にネット上から世論を変え、反原発の流れを作った著者――15年間に及ぶ「原子力マフィア」との闘いの全てを記録し、近未来の日本国の姿を予言する。
――勝つのは原発族か、それとも新エネルギー運動か? 福島原発事故で日本の20年後はどうなる!?
3.11――東日本大震災。福島原発事故の惨状を画面いっぱいに映しながらもテレビでは、「放射能のレベルは低い、胸部レントゲンに比べても……」などと、大広告主たる東京電力の意向をそのまま伝えていた。「このままでは日本は壊滅する」そう考えて、ブログで世論の行方を大きく変えたのが著者。その後、CNNを筆頭にマンガも含めた多くのメディアから取材を受けたが、初当選の頃から原発の危険性に警鐘を鳴らしてきた。そのため自民党では、「党是と違うことを唱えるなら離党しろ」といじめられる。しかし、その「いじめ」があったために、数々の法律の中に、日本の政治を縛るお決まりの条文、すなわち「放射性物質による汚染については適用しない」というものを発見、本書で克明に指摘している。原発事故直後の政府の舞台裏のドタバタぶりも克明に記されており、これだけでも究極のインサイドストーリー!
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2)
「「原子力ムラ」を超えて―ポスト福島のエネルギー政策」NHK出版 (2011/7/26)
内容紹介(アマゾンより引用):
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福島第一原発事故で明るみに出た、もんじゅ事故以来続く、日本の原子力政策の杜撰さ。その背後に存在する政官学業からなる「原子力ムラ」の虚妄を暴く。エネルギーとしての原子力の無効性を、福島というトポス、3・11以降の政治、研究の最前線から原発と戦ってきた三人が解き明かす。いまだに原発を再開させようとする力が働くなか、自然エネルギーにまつわるウソ・デマ・誤解を解きほぐし、今後あるべきエネルギー政策の本質を明らかにする。原発がダメな本当の理由。
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河野太郎氏は、2015年、国家公安委員長兼消費者及び食品安全担当大臣兼規制改革担当大臣兼防災担当大臣に就任しました。
2015年10月8日付、産経ニュース記事「河野太郎行革担当相就任会見詳報」から、原発関連の内容を引用します。
引用始め
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記者質問:
これまで自身のホームページで「脱原発」を主張してきた。今日、そのホームページがメンテナンスの状態になっているが、なぜか。この主張は今後も続けるか?
河野大臣:
2012(平成24)年の自民党総裁選の際、候補者だった安倍首相は『長期的には原子力発電の依存度を下げる』と候補者の中では1人だけ、はっきりおっしゃっていた。ベクトルとしては(首相と河野氏は)同じ方向を向いていると思う。今までは外から発言しているだけだったが、今回、国務大臣のポストをいただき、政府の議論に直接参加できるようになった。言うべきところはしっかりと言うが、政府の一員である以上、決まったことについては誠実に実行する。政府の中では真剣に議論し、外に向かっては政策を担いでいく
記者質問:
「脱原発の方向性は首相と同じ」と言ったが、安倍政権の決定したエネルギーミックス(電源構成)は、2030(平成42)年段階で20%以上を確保している。核燃料サイクルも推進する方針だ。河野氏は核燃料サイクルから撤退すべきだと主張してきた。こうした違いのある政策について、政府内でどう主張していくか?
河野大臣:
政府内で何を主張したかではなく、政府が何を決めたかを(対外的に)伝えるのが大臣の役割だ。そこをしっかり申し上げていきたい
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引用終り
原発比率20%、核燃料サイクル推進という安倍政権の方針に河野太郎さんは賛成の意を示しています。大臣になったら、発言が変わってしまいました。
その後、20201年の自民党総裁選で、再び「核燃料サイクルは手じまいすべきだ」と反対の意を示しています。今後も、発言を翻す可能性が大いにあります。
一般人であっても、発言や行動に一貫性が無い人間は信用されません。立派な肩書があっても軽蔑の対象となります。国民の代表である国会議員や大臣が、簡単に変節してしまうのは大問題です。これで政治生命が絶たれないところが、日本社会のすごいところです。
「自民党は好きだけど原発は嫌い」という人達の中で、反骨を演じていた河野太郎さんに投票した人は多かったと思います(神奈川15区)。また、「自民党は原発推進政党だけど、原発反対派の議員を許容する懐の深さがある」と勘違いして、自民党に一票を投じた有権者もいるでしょう。実は、河野太郎さんは原発に賛成する自民党議員であり、真の原発反対論者が自民党内で生きていくことは出来ないのです。
ダマされた人たちに私は同情しません。
ダマされるのも罪です。
自民党は、原発に賛成する議員の集まりです。日本会議と経団連に操られている反動集団です。原発に反対する人たちが投票先とすべき政党ではありません。
チェルノブイリ原発事故からも、福島原発事故からも学ぶ能力が無いことを白状してしまった河野太郎氏。人気が高いと言っても、所詮は三世議員。薄っぺらで、人間としての軸も信念も期待できません。
彼を今後も支持する人たちは、彼と同レベルの人間だということです。
以上