2011年に福島第一原発で発生した事故により、大量の放射性物質が放出・拡散し続けています。放射能が人体にどのような悪影響を及ぼすか気になりませんか?
こういう時は、過去の類似事故のことを調べるのが良いと思います。
チェルノブイリ原発事故が発生したのは1986年ですが、それから25年が経過した2011年、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)が健康への影響について論文を発表しました。以下にリンクを貼ります。
Health Effects of Chernobyl 25 years after the reactor catastrophe
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)は、IAEA(国際原子力機関)やWHO(世界保健機関)などの原発利権団体と距離を置いていますので、参考になる資料だと私は判断しています。
上記リンクの英文資料は合計65ページですが、P5〜P7に健康への影響が列挙されています。この部分を私の方で邦訳し、要約を作成しました。以下、ご一読ください。
要約始め
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1)
原発事故作業者の子供に染色体異常が多く見られる。
2)
原発作業者の90%以上が病弱である。そして、少なくとも74万人の原発作業者は重い病にかかった。症状としては、早期老化・癌・白血病などである。さらには神経的・精神的な病を患う人の数が平均よりも高い。さらに、白内障になっている人が非常に多い。
3)
最大で125000人の原発作業者が2005年までに亡くなったと推計している。
4)
チェルノブイリ事故の影響を直接受けた3国だけでなく、ヨーロッパ諸国でも遺伝的催奇形障害が激増した。バイエルンだけでも出産時奇形が1000〜3000事例増えたことが判っている。ヨーロッパでは1万人以上の重度奇形児が生まれていると思われる。
IAEA(国際原子力機関)ですら、原発事故のせいで西ヨーロッパでは10万〜20万の中絶が行われたという結論を出している。
5)
チェルノブイリ地域では最大で83000人の子供が先天的奇形である。遺伝子が損傷した子供は世界中に最大207000人いる。これらの数字は第一世代で発生したものであり、世代を重ねることで最終的には、この10倍の異常が発生するだろう。
6)
チェルノブイリ原発事故後、ヨーロッパでは死産や奇形の比率が高まっただけでなく、男女比も激変した。原発事故以降、誕生する女児の数が大幅に減ったのだ。
チェルノブイリ原発事故により出生数は約100万人減ったと推計している。
7)
1986年から2056年の間に甲状腺癌が92627件発生すると予測されている。この数字には、原発作業者たちの間で発生した甲状腺癌は含まれていない。
8)
チェルノブイリ原発事故以降の9か月間にドイツで生まれた子供について、ダウン症の比率が激増した。
9)
ウクライナの3歳以下の子供について、脳腫瘍発生数が約5倍に跳ね上がった。
10)
放射能汚染がひどいドイツ南部では、神経芽細胞腫という極めて稀な小児癌が激増した。
11)
1987年から1992年までの疾病増加率がウクライナのチェルノブイリ省により発表されている。内分泌系は25倍、神経系は6倍、循環器系が44倍、消化器官が60倍、皮膚・皮下組織が50倍以上、筋肉・骨・心因性機能障害が53倍だ。
避難者のうち健康な人の割合は、1987年の59%から1996年の18%へ減少した。汚染地域住人のうち、健康体は52%(1987年)から21%(1996年)に減っている。
親が被爆した後に生まれてきた子供たちを調べると、健康体の比率が1987年の81%から1996年の30%へ減っている。
12)
インスリン依存型の1型糖尿病が児童・生徒の間で激増した。
13)
癌の発生数よりも、それ以外の病気の方がはるかに多いのだ。
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要約終わり
参考までに、チェルノブイリ・レガシーという題名のビデオを紹介します。
チェルノブイリ原発事故の結果、悲惨な状況が生まれたことが理解できたと思います。一方、同じレベル7の大事故を起こした福島原発からも大量の放射性物質が放出され、事故はいまだに収束していません。6年が経った2017年3月現在も、原子力緊急事態宣言が発令されたままなのです。知っていましたか?それなのに、日本政府は放射性物質や健康被害に関する情報を必死で隠しています。
参考リンク:
【福島原発事故への対応】現実逃避するための、涙ぐましい「努力」の数々を紹介
上記リンク先の記事を読むとわかりますが、日本政府を初め原子力マフィアたちの情報隠ぺいは犯罪的です。彼らの垂れ流す「安心」情報を信じていたら取り返しがつかなくなります。問題意識をもって情報を集めようとする国民が一人でも増えることを望みます。
以上