地震大国日本は、高レベル放射性廃棄物を10万年以上管理することができるのか?

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 原子力発電所から生み出される大量の核のゴミをどのように処分すればいいのか?特に、高レベル放射性廃棄物の最終処分方法は頭の痛い問題です。10万年先までどのように責任を持てばいいのでしょうか?今回は、この問題を扱ったYouTubeビデオを紹介します。

2011年8月2日、読売テレビ「かんさい情報ネットTen!」

以下、書き起こしです。

書き起こし
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司会者:
「行き場のない核のゴミ。原発の根本的な問題に迫ります。これは、東京電力が今日公開した、福島第一原発の写真です。この赤い部分で、測定できる上限の値、1時間当たり1万ミリシーベルトを超えています。これは、直接被ばくすると死亡するという数字なんですが、これと同じレベルの放射能を出し続けているものがあります。
原発を動かせば必ず出る核のゴミ。その行方を追いました。」

ナレーター:
「京都大学原子炉実験所。小出裕章助教が調べているのは、放射能に汚染された福島の土だ。」

小出氏:
「これは、福島県の避難地域でもなんでもないですよ。要するに普通に人々が住んでいる土地の土ですけれども。私なんかが普段、計っている放射能に比べれば遥かに高いです。」

小出氏:
「セシウム134と137があるな、ということがすぐわかります。」

ナレーター:
「原子力の研究者だからこそ、その危険性を熟知する小出氏。20年以上も前から原発が生み出す核のゴミの問題を訴え続けてきた。」

小出氏:
「原子力というものを使ってしまうと、放射性廃物が、いやおうなく、できてしまうということは分かっている。そしてそれに対して自然に浄化作用がないということも、わかっている。まあ昔から原子力発電というのは、トイレのないマンションだと言われてきたわけですね。」

写真(小出裕章氏)

ナレーター:
「(福島原発事故が起こった)あの日、原発の安全神話は崩壊した。爆発とともにまき散らされた放射性物質で、周辺のガレキや土壌は汚染され、今も放置されたままだ。取り除くのが難しい放射能。
では、そもそも各地の原発で使われた使用済み核燃料等、汚染された核のゴミを、国はどう処理してきたのだろうか?」

レポーター:
「こちらが(青森県)六ヶ所村にある原子力関連施設です。出入り口には、厳しい警備が引かれています。」

ナレーター:
「甲子園球場70個分の広大な敷地。全国の原発で出た使用済み核燃料が集められる、いわば核のゴミ置き場だ。
実は地震の際、この施設も一時電源を失った。幸い、非常用電源が働いたが、万が一事故が起きれば、その影響は計り知れない。
さらに問題なのが、使用済み核燃料から取り出される物質だ。それが、高レベル放射性廃棄物。」

ナレーター:
「ウラン鉱山から取り出され精製された核燃料は、原発で使用される。使用済み燃料はフランスやイギリスの再処理施設に運ばれ、まだ使用できるウランなどが取り出されて、再び発電に使われる。再処理の際に、使えないゴミとして出てくるのが、高レベル放射性廃棄物だ。」

図(核燃料の流れ)

(質問:今保管されてるとはいえ、高レベル放射性廃棄物に人間が近づくということは?)
小出氏:
「もちろん出来ません。すぐに死んでしまうというほどの、ものすごい放射能の塊です。」

ナレーター:
「六ヶ所村には、1年に数回、高レベル放射性廃棄物が運び込まれる。その量はすでに700トンを超えているが、行き先が決らないまま、国との取り決めで一時保管されているのが現状なのだ。」

小出氏:
「とりあえず50年間、とっておこうという形で保存されています。では、そのゴミは一体どうするのかというと、10万年あるいは100万年にわたって、生命環境から隔離を続けなければいけないというもの、なのですね。」

ナレーター:
「なぜ、行き先が無いのか?それは、国が原発の建設を進める一方で、処分方法に関する議論を後回しにしてきたためだ。
これは、1975年に国が公表した原子力白書。原発の稼働から10年経ってもなお、最終的な処分方法を決めかねていたことが読み取れる。
1980年代、原子炉の設計をしていた技術者は、当時のことをこう語る。」

元原子炉設計士の後藤政志博士:
「とりあえず放っておこう。考えたくない。正直言うと、考えないで来ている。皆、お互いに。ちょっと後にしようよ、その件は。で、保管してドンドン増えてきて、どうしようどうしよう、となった。だから、原子力に関していうと、元々、入り口からして成立していないんですよ。「トイレのないマンション」と言いますけれど、そのまま来ちゃってるんですよ。」

ナレーター:
「2000年、国はようやく、処分方法を決定。最終的に、地下300メートルより深い地層へ埋めるという地層処分を法律で決めた。
これは、原子力発電環境整備機構、通称NUMOが作成した地層処分を紹介するビデオ。
NUMOは2000年の設立以降、地層処分を行う施設、いわゆる最終処分場の建設場所を探し続けている。」

ナレーター:
「2007年、高知県東洋町が、全国で初めて処分地に名乗りを上げたが、住民による猛烈な反対運動の末、町長は処分場から手を引いた。
その後、候補地は一つも現れず、処分場が決まる見通しは全く立っていない。」

ナレーター:
「取材班は、岐阜県にある国の研究施設へと向かった。(瑞浪超深地層処分研究所)
ここでは、自治体の許可を得て、試験的に地下に空洞を作り、地層への影響を調べている。
エレベーターに乗り数分、地下300メートルに到着した。」

案内者:
「湿度は、構内は100%です。基本的に地下水が出ますので、湿度はほとんど100%だと思って頂いて結構です。」

ナレーター:
「花崗岩の岩盤をくり抜いて出来た地下空間。周りはコンクリートで固められているが、所々、地下水が溢れ出していた。
国はこうした場所に、高レベル放射性廃棄物を、放射能が漏れ出さないような容器に入れて埋める考えで、安全性についても確立されているとしている。
地下深く埋められた廃棄物は、その後、どのように管理するのか?」

NUMOの広報部長:
「埋め戻して、管理しなくてもいいよという所になって閉鎖ですね。ここまでが大体100年かな。あと管理として300年くらい一応は考えていますが、今のところは100年の予定です。」

質問:
「言葉は悪いかもしれませんけど、放置する段階がいつか来るということですか?」

NUMOの広報部長:
「おっしゃる通りです。」

写真(NUMOの広報部長)

ナレーター:
「放射能が自然と同程度のレベルに戻るまでに、数万年かかるとされる核のゴミ。しかし、国が管理を想定しているのは、わずか100年程度だという。」

小出氏:
「今の技術を以てすれば300メートルの地下に穴を掘って埋めるということは、不可能ではないと思います。しかしやったところで、そこでじっとしていて欲しいと願う期間が10万年とか100万年とかいう期間なのです。そういう長い期間にわたって、そこにじっとしていてくれるということを保証できる科学はないのです。だから私はやってはいけないと・・」

ナレーター:
「想定外との声もある福島での事故。しかしゴミの問題は、原発が生まれた40年前から存在していたにもかかわらず、先送りにされてきた。
そして、今、原発がかかえる根本的な問題から誰も目を背けることはできない。」

小出氏:
「多分一人ひとりのみなさんに、生きて行くということと密接に関係してる事柄だと私は思っていますので、そういう事に多くの人が気付いてくれるなら、廃絶できるだろうと思っています。」

スタジオでの追加説明要点:
(国は交付金をちらつかせて、自治体が、最終処分場の候補地として名乗りを上げるよう画策している。以下略。)
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書き起こし終わり

 この番組が放送された2011年当時は民主党政権であり、報道の自由度ランキングが高かったせいで、このような放送をマスコミが流していたのですね。

図(日本の報道の自由度ランキング推移:2017年) 出典:データを基に筆者が作成

 上のビデオを見れば、核のゴミの後始末がいかに深刻な問題か、お解りいただけると思います。日本は地震大国ですから、地層処分は無理ですね。このような現実を目にすると、原発の再稼働や輸出の議論などをする気になれません。論外だと思います。

写真(最大震度マップ) 出典:古地震.net

 福島原発事故後に、安倍政権は原発の再稼働や輸出を推進していますが、間違いなく原発マフィアの一味ですね。後先のことを考えない、目先の利益や享楽に身を投じるだけの堕落した人間性を垣間見る気がします。

 原発から出る核ゴミの後始末は地味なテーマだと思いますが、一人でも多くの人に興味を持ってほしいと思います。

他の関連ビデオリンク:

以上


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投稿者:

J Iwasaki

J Iwasaki

大学卒業後、民間企業に勤めています。
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