「日本は素晴らしい、美しい」と、日本を礼賛する風潮が強まっています。確かに、日本という国には良いところがたくさんあります。しかし、問題点やその原因に目を向けないと社会が進歩しません。問題点は、事の本質を表すことが多いのです。
日本社会の問題点、特に、世界各国との比較で最悪レベルといえる分野を今回はピックアップしました。少し我慢してお付き合いください。
1)教育への公的支出が最下位。
教育を受ける若者やその親世代は、政治的に無関心な者の割合が高く、選挙での投票率が低いです。政治家にとって、教育分野は票にならないのです。だから、必然的に教育に対する公的支出の金額は少なくなります。
公的支出が少ない代わり、個人の負担がものすごく重くなっています。大学の学費などは無料にするのが世界の潮流だというのに、多くの若者は借金に喘いでいます。生まれながらの貧富の差が、教育を受ける機会の不平等につながっています。憲法違反です。これを異常と思わず、自己責任だと思っている国民が大多数です。まさに、異常事態です。
教育分野をケチると将来的に国家が衰退します。近視眼的でなく、長期的な視野でものを考える人がもう少し増えて欲しいものです。
2)主要7カ国で労働生産性が最下位。
日本はモノづくり大国ですので、生産技術の分野は世界でもトップレベルだと思います。しかし、全体としての労働生産性は低いというのが実情です。多くの時間をかける割には、成果が少ない、ということです。無駄な会議、無駄な資料作り、無駄な手続き、無駄な付き合い残業、存在自体が無駄な仕事・・・例を挙げればキリがありません。
従来からの慣習にとらわれ過ぎず、合理的に考えて、勇気を出して直すところは直す、廃止すべきは廃止するという姿勢が大事だと思います。
3)若者のチャレンジ精神が最下位。
日本の教育機関は、金太郎飴的人材の生産工場と化しています。自分で考えず判断もせず、上から言われたことに素直に従う人間が優遇されるシステムになっています。個性は悪であり、出る杭は打たれるのです。空気を変えることは許されず、読むことが要求されます。その結果、学年や年齢が上がるごとに無気力の度合いが増えていきます。
就職活動で学生が着るリクルートスーツの画一さを見れば、受け入れる会社側が何を求めているのか分かります。従順な奴隷が最も必要な人材である社会において、少数ながらも起業家精神を備えている若者がいること自体、奇跡といえましょう。
4)女性の活躍が最下位。
法律など社会の枠組みを決定する場に参画する女性が、日本の場合とても少ないのです。人口の約半分は女性なのに、非常にバランスが悪いですね。結果的に、男性にとって都合が良く、女性が生きにくい社会が生まれます。
戦前回帰を望むかのような独裁的な政権運営や、軍需産業・原発産業への傾倒は国を滅ぼします。愚かな政治家や経営者でも、表面上は「女性の活躍が大事」などと言い放ちますから、注意が必要です。
以上