原発を推進し、異論に耳を傾けず、結果として事故を起こし、国民の生活を破壊し、避難者を追いつめておきながら「自己責任で何とかしろ!」と言い放つ安倍政権は悪魔の集団です。
2017年4月14日、東日本大震災復興特別委員会が国会で開かれました。そこで、山本太郎参議院議員が今村復興大臣に対して質問を行いました。YouTubeビデオのリンクを以下に貼ります。
まずは、前半部分のやり取りを書き起こしします。
書き起こし始め
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山本太郎議員:
「今村大臣にお聞きいたします。4月4日の大臣のご発言、今日も散々色んなことをお聞きになったと思いますけど、その時の発言の趣旨だけを申し上げたいと思います。」
『自主避難者が福島に帰れないのは本人の責任である。基本は自己責任である。裁判でも何でもやればいいではないか。』
「この言葉に避難者の多くが心を痛め、絶望に近い感覚で毎日を過ごされていると思います。私、この発言自体には驚かなかったんですよ。ビックリしなかったんです。どうしてビックリしなかったかというと、この大臣が発言されたことの全てが、安倍政権の避難者に対するスタンスそのものだからなんですよね。改めて、安倍政権の自主避難者への取り組み方を、ご自分の口を通して大臣が言葉にされただけなんです。」
「ただ私がこの件で驚いたのは、この発言をされた方が今村大臣だったということに一番ビックリしたんです。心から・・。私、この復興特別委員会の委員になって2年経つんですけれども、その間に復興大臣は3回変わりました。歴代の復興大臣の中で、自主避難者に対して最も寄り添う気持ちを持ってらっしゃるんじゃないかと私自身が感じてたのが今村大臣なんですね。だから一番ビックリしたんですよ。」
「人間はストレスを抱え過ぎたりすると、振り切る瞬間というのがあると思うんです。つまり相応しくないとか普段の自分と違う振る舞いをしてしまうとか、確かにあると思うんですよね。復興大臣というお立場を考えるならば、決して望ましくはない発言だったとは思います。でも一方で大臣ご自身も、ご自身を削り続けながらといいますか、復興を何とか・・、という気持ちでやられてて、疲弊しながら立たれていた記者会見だったんだろうな、その結果だったんだろうなという風に想像すると、ケシカランという気持ちに私はなれないんですね。」
「大臣は以前、本委員会の質疑が終わった後に、少しの時間でよかったらというお話で、実際にその日に傍聴に来て下さった自主避難のお母さんの声を、直接聴いて下さったんですよ。これ私、本当にビックリしました。今までの復興大臣の方々にも同じアプローチをしたことがあったんですけど、皆さんあっさりとお帰りになられることがあったんですけど、大臣は私が近づいていくのを待っていて下さったという雰囲気があったんですね。」
「たとえ大臣になったとしてもね、弱い立場の方には寄り添うんだという、政治家になった時の基本的な姿勢というのは崩されていないんだなという風に、私自身、すごく感激した覚えがある。それだけじゃなく、その時に大臣にお話を聞いてもらったお母さん方も物凄く感激されていたんですよ。あの時に大臣に直接お話を聞いて頂いたお母さんたちというのは直接お会いして、直接お話を聞いてくださっていますから、今も、記者会見でのお話はあったけれども、あれは決して本心ではないという風に信じてる方がいらっしゃるんですね。私も同じです。」
「そのお母さんたちがですね、毎日、強引な追い出しであったりとか、いつ出ていくんだ!という話だったりとか、とにかく毎日怯えるように過ごしているという話を聞くんですね。そのたびに胸が痛くなると言います。一日に何十回も電話がかかってきて、何回も家の前に来られて大きな音でドンドンされて、いつ出ていくんだ!というような、まるで犯罪者にでもなったような、早く出ていけ!という状況がここ数か月続いていて精神的にも疲れ切ったという状況をね、実際に話を伺うと感じ取れるんですね。」
「そこで大臣に是非ですね、お母さんたちに元気が出るというか、エネルギーを感じるような一言を頂きたい。その一言というのは何かというと、その方々の意に反するような追い出しは行わない、させないということをですね、大臣の方から一言頂けないですか?」
今村復興大臣:
「今、委員がおっしゃいましたが、私もですね福島の被災者の方というのは、他の被災者と違う特別なものだと、だからこそ、しっかりと寄り添ってですね、対応しなきゃいけないという気持ちは誰にも負けないつもりであります。色んな施策があります。そういったものを力の限りやっていくつもりであります。その中で今申された方々についての対応は、できるだけ丁寧にやっていくし、追い出すというようなことはさせないと、いうことで・・・(聞き取りにくい)」
山本太郎議員:
「有難うございます。もう一度、その言葉だけ頂けませんか?意に反する追い出しはさせない、ということだけを頂けませんか?・・・すいません。有難うございます。」
今村復興大臣:
「そういうことはできない、また、させないという風に私は考えております。」
山本太郎議員:
「本当に今、お母さんたち、ホッとしていると思います。強引に出されてしまう方々というのもいらっしゃいます。やっぱり、相手が強引過ぎて、押されてしょうがなくということもあると思います。やっぱり話し合いが必要だし、ちゃんとしたケアがなされなければいけないと思うんですよね。是非、大臣の立場から、強引な追い出しということは決して許さない、意に反する追い出しは許さない、ということをお仕事として頂けることをよろしくお願い致します。」
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書き起こし終わり
2017年の4月4日の「自主避難者は自己責任だ。国に責任はない。裁判でも何でもしたらいい!」から、「避難者の意に反する追い出しはさせない」へ、随分と発言内容が変わりましたね。安倍内閣の閣僚ですから決して本心ではないでしょうが、「避難者の意に反する追い出しはさせない」という発言をせざるを得なくなった理由を考えてみました。
やはり、山本太郎議員が非難口調ではなく、今村復興大臣に「寄り添う」態度で質問したからではないでしょうか。山本議員が行った発言内容の流れをもう一度復習します。
・歴代の復興大臣の中で、自主避難者に対して最も寄り添う気持ちを持ってらっしゃるのが今村大臣だ。(今村大臣への称賛)
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・今村大臣はストレスで疲弊した状態で記者会見をしていたため、普段の自分とは違う発言をしてしまったんですね。責める気にはなれません。(今村大臣への同情・共感)
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・自主避難のお母さん方に直接会ってお話を聴かれたのには、本当にビックリした。弱者に寄り添う姿勢を今村大臣はお持ちなんですね。(今村大臣への信頼)
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・そのお母さん方はとても感激されてて、4月4日の暴言は今村大臣の本意ではないと信じています。(今村大臣への信頼)
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・しかし、そのお母さん方は今、強引な追い出し行為をされて、毎日怯えるように過ごしています。(今村大臣への注意喚起)
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・避難者の意に反するような追い出しは行わない、させないということを、大臣から言って頂けますか?(今村大臣へのお願い)
自分を称賛し、自分に同情し、自分を信頼してくれている相手からのお願いは断りにくいものです。そこで拒否したり、誤魔化したりすれば、今度こそ致命傷になると感じた今村復興大臣は、嫌々ながらも、被害者に「寄り添う」発言をせざるを得なくなったのです。
鋭く追及して押すだけでなく、一歩引いて寄り添うこともできる山本太郎議員は、なかなかのやり手だと思います。暴言大臣を意のままに操り、結果として、自分の望む答弁を引き出したのですから大したものです。押してダメなら引いてみろという手法は、他の野党議員も使ったらいいと思います。
以上
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J Iwasaki