普通の商品を宣伝する場合、その目的は、消費者に存在を知らしめ、必要性を理解してもらい購入につなげるためである。しかし、原子力発電は地域独占事業で競合がおらず、しかも電気は生活必需品であり、かつ、価格決定権が消費者側に無い状態だ。それなのに、わざわざ原発の広告宣伝活動をする理由は何だろうか?それは、安全性・必要性などに関する国民の疑念が強いため、「理解」してもらわねばならないからである。
電力会社や政府は、原発を広告宣伝するために長年に渡って大金を費やしてきたが、そういった活動がなぜ反社会的なのか理由を以下に述べる。
1)電力会社だけで広告宣伝費用に40年間で約2.4兆単位を投入した。
これだけの大金を投入しなければならない発電システムは原発だけである。2.4挑円という金額は、電力会社分だけだ。電力10社が運営している任意団体:電気事業連合会や政府広報なども含めれば、金額は数倍になるといわれている。
2)原発広告宣伝のために電気料金と税金が使われている。
電力会社が行う原発の広告宣伝費用は、我々一般消費者から徴収している電力料金からすべてまかなわれている。電力会社は総括原価方式なので、コストがかかったらかかっただけ消費者に請求できるのだ。電力会社は何の心配もなく湯水のごとく原発宣伝しまくることができる。また、原発は国策なので政府広報も盛んに行われている。その費用はすべて税金から捻出されているのだ。
原発反対派から徴収した電気料金や税金も原発宣伝のために使われているのである。理不尽とは正にこの事である。
3)原発広告は国民をダマすのが目的である。
2011年3月の福島原発事故発生以前は、次のような宣伝が行われていた。
・原発は絶対安全だ。
・原発はクリーンなエネルギーだ。
・原発は電力供給の三分の一を占めている。
福島原発事故の発生により大量の放射性物質が放出され、全原発が停止しても電力不足にならなかった。原発で三分の一というのは故意に作られた数字だったのだ。これらの宣伝文句は嘘であることがバレてしまった。
福島原発事故後の宣伝文句は次のように変化した。
・電力の安定供給のために原発をベースロード電源にする。
(→電力は十分足りてるし、説得力がない)
・火力発電と違って二酸化炭素を排出せず、環境にやさしい。
(→原発の建設・運営、廃棄物処理で大量の二酸化炭素を排出するし、大量の放射性物質をまき散らしておいて環境に優しいはないだろう。)
・原発停止で大量の原油を輸入しなければならず、経済収支が悪化する。
(→最近は原油価格が下落している。)
また、福島原発事故により原発は絶対安全だと言えなくなったので、放射性物質が環境を汚染しても心配ない・安心だと宣伝するようになった。健康被害を心配する奴は不安をあおっているだけであり、風評被害で復興を妨げるからやめてくれ、ということだ。安全神話の後は、安心神話の流布にいそしんでいる。
原発のイカサマ広告宣伝のために、多くの御用学者、御用文化人、御用タレントが活用されてきた。彼らもまた、高額の報酬に目がくらんだ真正の売国奴である。詳しくは、下記書籍をご参照願いたい。
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4)メディアの原発批判報道を抑制する働きがある。
大量の広告費を惜しげもなく投下してくれる原発業界は、テレビ・新聞・雑誌などのメディアにとっては大切なお客さんだ。原子力村を敵に回すことは、経営の根幹を揺るがすことになりかねない。従って、原発で事故が起こっても批判的な報道はやめようという気持ちが働くのは当然である。マスコミも原子力村の一部なのである。事故が起こって国民の生命・財産が危険にさらされても、原発マフィアの利益を優先せざるを得ない、ということだ。
5)電力会社だけでなく、原子力ムラという巨大組織の権益確保が目的である。
原子力村と聞いてピンとこない人のために、分かりやすい図を以下に示す。(拡大したければクリック)
政治家・官僚・原発関連メーカー、電力会社、学者、マスコミ・・・。原子力マフィアというのは巨大な組織なのである。彼らは既得権益を守るために必死だ。国民をダマすための虚偽広告は当たり前であり、手段を選ばない。
まとめ:
原発は社会的に有害無益なものであるにもかかわらず、既得権益者たちが、電気料金・税金を使ってウソの宣伝を行い、多くの国民をダマし、その結果、国民の生命・財産を脅かしているのである。これは明らかに、反社会的行為である。
では、視聴者はどうすればいいのか?
①
大手新聞や大手テレビ局の言うことを簡単に信じないで、自分の頭で考えること。
②
広告主からの干渉を受けにくい独立系メディア・組織から情報を得るようにする。インターネット上で探せばよい。(このブログでも情報を紹介しているので参照してほしい。)
③
原発プロパガンダをしているメディアや組織に対して抗議の意思表示を行う。
参考文献:
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参考ビデオ:
以上