安倍総理夫妻が深く関わっている森友学園問題は、厳しく追及されなければならないが、大手メディアの報道は腰が引けている。これでは戦前回帰内閣を追い詰めることはできない。そこで私が運営するこのブログでも記事として取り上げ、皆様の情報整理の一助になりたいと思う。
国粋主義者によって運営されている学校法人に対して大阪の国有地がタダ同然で売却された問題は、このところ国会論戦で取り上げられている。当事者として矢面に立っている安倍総理は気が気ではないだろう。
森友学園は、大阪府豊中市の国有地:8770平方メートルを1億3400万円で購入した。これは評価額の14%に過ぎない。破格の割引が行われた理由は何なのか?買収した土地は、4月に開校予定の小学校のために使われるが、この学校の名誉校長は安倍総理夫人の昭恵氏だ。
安倍総理は、学校法人の認可や土地取引には一切関わっていないと答弁している。自分や自分の妻がこの問題に関わっていたら、総理を辞任し、議員も辞めると宣言した。大した自信である。
森友学園が運営する塚本幼稚園は、「よこしまな考え方を持った在日韓国人・支那人」という内容の侮辱文書を配布した件でも問題になっている。明らかな民族差別ヘイト文書だ。大阪府の私学課は幼稚園側から事情聴取したという。
塚本幼稚園は教育勅語を園児たちに暗唱させていることでも有名だ。教育勅語は明治時代に公布されたもので、天皇を絶対的に敬い、いざとなれば天皇のために命を捧げよと命じる内容になっている。戦前世代はこの精神を徹底的に叩き込まれ、無謀な侵略戦争に突入する大きな原因となった。教育勅語は戦後は廃止されている。歴史を反省もせずに教育勅語を無垢な幼稚園児に強制しているというだけでも、森友学園の異常性が分かるというものだ。
さらに、運動会の選手宣誓で、軍国主義賛成・歴史改竄・安倍総理礼賛を強制している。
こんなことを幼児が理解できる筈がないし、理事長である籠池泰典氏の妄想を押し付けているだけである。おぞましい映像だ。
話を元に戻すが、問題の小学校用地に関して森友学園が財務省側と交渉に入った時、当該学園は資金難だったという。結局2015年5月、財務省側と10年間の土地リース契約を結んだ。学校用地でこのような契約が結ばれることは、普通はないという。
小学校の建設作業が始まった後、その土地は鉛やヒ素で汚染されており、しかも大量の廃棄物が埋まっていることが判明した。その後、財務省は、廃棄物などの撤去費用として1億3100万円を森友学園側に支払った。
2016年3月、その土地のもっと深いところにも廃棄物が埋まっていると森友学園が報告を行い、その事実は財務省側も確認したという。
森友学園は最終的に、その用地を1億3400万円で購入することにし、契約を交わした。廃棄物撤去費用として財務省が支払った1億3100万円とほぼ同額だ。つまり、森友学園は事実上タダ同然で、小学校の開設用地を手に入れたのである。国会で野党議員が厳しく追及したが、財務省の役人は「適切に処理された」と繰り返すばかりだ。
問題の小学校用地は、実際の評価額が9億5600万円であり、1億3400万円という購入金額とは大きな開きがある。財務省側は差額の8億2200万円分を値引く理由として廃棄物などの撤去費用を挙げている。しかし、周辺住民によると、廃棄物撤去のためにダンプカーが行き来したことがないという。本当に撤去作業が行われたのか、これから行われるのか、謎は深まるばかりだ。購入価格にしても国側は当初、情報公開を拒否しており、野党側の強い要請によって仕方なく開示したのだ。
ちなみに、森友学園の小学校用地と同程度の広さで、隣接する土地は約14億円で2010年に売却されている。
森友学園理事長の籠池泰典氏は、国側から何の便宜も図ってもらっていないと言う。また、籠池氏は廃棄物の撤去のため1億円以上かかったと主張しているが、政府側は何も把握していない。
森友学園の籠池理事長自身は日本会議の幹部であり、安倍政権の応援をしている立場だ。安倍政権が進める憲法改悪も熱烈に支持している。開校予定の小学校は当初、「安倍晋三記念小学校」という名前になる予定であった。建設のための寄付金集めは、「安倍晋三記念小学校」の名前で行われていた。
繰り返しになるが、この小学校の名誉校長は安倍総理夫人の昭恵氏だ。
この小学校のホームページを見ると、子どもたちに愛国心を教え込むことに熱心のようだ。愛国心という言葉のいかがわしさは、下記リンク先の記事で確認して頂きたい。
「愛国心」という言葉を使う政治家を信用してはならない。その理由とは?
2016年10月、安倍内閣の稲田防衛大臣から森友学園理事長の籠池氏あてに感謝状が贈られている。
毎日がエイプリルフールで、公約違反を何とも思わず、憲法蹂躙も意に介さない安倍政権と、森友学園の籠池氏は非常に相性が良いのだ。タダならぬ仲と判断せざるを得ない。
安倍総理はこの問題に関していつまでシラを切るつもりなのだろう。大手マスコミ幹部を会食で買収しているから安心しているのだろうか?権力の監視役を放棄したマスコミは政府の広報役に過ぎない。何のプライドも持っていないのだろう。
野党議員にはこの問題に関して是非とも粘り強く追及を続けて頂きたい。また、日本国民が一人でも多くこの問題に関心を持てるよう、ネット上での情報拡散も必要である。
参考リンク:
Abe grilled over nationalistic school operator’s cheap land deal
以上