日本共産党の脆弱性に関する一考察:柔軟性に欠けた組織は衰退するのみ

写真(日本共産党の志位委員長) 出典:TBS

はじめに:

日本共産党、れいわ新撰組、社民党。

2023年の現在、日本におけるマトモな野党は、この3つだけだと私は思っています。

言うまでもなく、この中で一番組織力があり歴史も古いのが日本共産党です。

正しいことを言い、論理的な整合性が保たれ、情報の収集力と分析力もピカ一。

なのに支持者が増えない、というより、むしろ減っている。

「日本人の民度が低いから共産党が理解されないんだ」と開き直るのも結構ですが、これだけ長期間低迷が続いているのですから、何か他に原因があるかもしれません。

少し考えてみましょう。

日本共産党の概要:

日本共産党は、1922年に創設された政党であり、労働者階級、農民、小売業者などの利益を代表するとされています。

日本共産党は、社会主義や共産主義の思想を掲げ、社会正義、平等、公正な経済制度を目指しています。

選挙で一定層から支持を受けており、政治的な影響力を有しています。

経団連など財界とは距離を置き、庶民の利益を代表することが多い。

日本共産党は、他国の共産党とも交流があり、協力関係を築いています。

党の政策には、経済、社会、環境など幅広い分野をカバーしていますが、特に労働者の権利や平等な社会の実現に焦点を当てています。

日本共産党の脆弱性:

日本共産党は、多くの分野で支持を受けていますが、同時にいくつかの課題や脆弱性も存在します。

以下、日本共産党の脆弱性について目に見える現象を列挙します。

  1. 支持率の低迷:日本共産党の支持率は明らかに低下傾向であり、不人気政党の代表格です。

  2. 若い世代の支持が得られない:若い世代には、日本共産党の政策やメッセージが魅力的ではないという意見もあります。実際、若者の多くは自民党に票を投じます。

  3. 競争相手の活発な動き:他の政党がより活発に政策を打ち出し、日本共産党の劣勢が目立っています。具体的には、日本維新の会は20~40代有権者の支持を広げることに成功しています。

  4. 古いイメージ:日本共産党は長い歴史を持つ政党ですが、イメージ的には古い。共産党という名前も手垢にまみれており、明るい印象は受けません。いわゆる、窓のない喫茶店のようなもの。中の様子が分かりにくいので、親近感を持ちにくいのです。

支持者の数を増やしたいなら、こういった現実を直視することが肝要です。

日本共産党の脆弱性の原因:

日本共産党の脆弱性を示す現実を確認した上で、これら課題は何が原因で生じているのか考察することが重要です。

以下、原因について述べます。

民主集中制

何十万人もいる党員の中で、上位少数者(二百人程度)だけで党の方針や党首を決めているシステムが、民主集中制です。

私も含め、一般の人には馴染みがない政党システムですね。

民主集中制は、多くの人にとって閉鎖的な印象を与えています。

このような制度は、党内の議論や意見交換がしづらいといった問題を生じさせています。

志位委員長は「党内では意見を言う自由がある」と言いますが、聞くだけでは意味がありません。

上意下達で異論を排除するやり方をしていては、外部からの印象も悪くなりがちです。

これらの要因が、支持者が増えない原因となっているのは否めません。

しかし、民主集中制は、党内での一致団結や決定力の強化に役立っています。

また、政治的な立場が明確であることや、政策方針に対する統一意見を生み出すことが出来るといったメリットもあります。

最終的に、民主集中制が支持者の増加に対してプラスかマイナスかを問われれば、マイナスが大きいと言わざるを得ません。

長期にわたる低支持率という結果が、全てを物語っています。

党内の改革や外部への見える化を進めれば閉鎖的な印象が改善されるかもしれませんが、民主集中制に手を付ければ党内の一致団結や決定力が弱まることもあり得ます。

党内外の意見を踏まえて適切なバランスを取るのは難儀ですが、その努力を怠り、民主集中制に頼り過ぎているのが脆弱性を生む原因になっています。

柔軟性の喪失:

前述の通り、民主集中制に固執することによって、組織の柔軟性が失われています。

改革に必要な意見やアイデアが生まれにくい状況に陥っています。

全会一致を強要し異論を排除するという頑固さは、組織外部からの信頼を損ねます。

日本共産党のために長年働いてきた党員を、党首公選制を唱えただけで除名するなど狂気の沙汰。

この暴挙に対して説得力のある言い訳は、今のところ聞こえてきません。

硬直化した組織は、内部の者にとって息苦しいもの。

内部から新しいアイディアが生まれることは期待できません。

また、党内の意思決定プロセスが見えないと、「閉鎖的で怖い組織」という印象を外部の人間に与えますから、新たな支持者の獲得も難しいでしょう。

日本共産党は、状況の悪化に対して切実感を持ち、柔軟性を持って改革に向けた取り組みを行っていく必要があると思います。

結論:

本記事では、日本共産党が抱える脆弱性について考察しました。

日本共産党の志位委員長は知的で、人格的にも立派ですが、なぜか共産党の支持率は長期間低空飛行を続けています。

明らかに異常事態。

良いものを持っているのにそれが生かされないのは、社会にとっても大きな損失です。

こうした悪い結果には、必ず原因があります。

日本人は「都合の悪いことから目をそらす努力を惜しまない」民族ですが、日本共産党も例外ではないのでしょうか?

今の共産党は、窓のない喫茶店のようなもの。

中で様子が分からなければ、誰も入りたいと思いません。

一般の人に親近感を持ってもらいたいなら、党内での遠慮のない論戦の様子を見せるのが一番。

国会で自民党を批判したり、赤旗に立派な記事を掲載するよりもはるかに有効です。

今後も日本共産党に注目し、柔軟性の獲得という課題にどのように対応するか見守っていきましょう。

以上

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