安倍政権になってから、北朝鮮による日本人拉致問題は膠着どころか悪化しているように見えます。今回は、この原因を考えてみます。
1)安倍総理自身が国際社会から相手にされない人物である。
安倍総理には、発言や行動の内容に一貫性が全くありません。倫理的な原理原則も皆無です。自分の利益になるからといって、コロコロと立場を変えたり、嘘をつきまくる人は信頼されません。福島原発事故による健康被害は起こらないと国際会議の場で強弁し、TPPでは公約と真反対の行動をしました。三重伊勢志摩サミットでは、アベノミクスの成果を披露し、リーマンショックの再来を指摘することで各国首脳の失笑を買いました。
国際社会からは、プライドのない売国奴ぶりを見抜かれています。日本の国会で審議する前に、安保法案(=戦争法)の成立をアメリカ議会で約束したという暴挙は記憶に新しいですね。
一応、形だけの拍手をもらって喜んでいたようですが、アメリカの議員たちは心の中で軽蔑していたのです。アメリカにとって非常に都合が良いのですが、信用できない人間だと判断されています。「希望の同盟」が聞いて呆れます。
2)安倍総理自身が、議論の技術を持っていない。
宗主国アメリカ様の奴隷になるか、自分の言うことを何でもよく聞く「お友達」を相手にするか、都合の悪い質問をする相手に激高するくらいしか芸がありません。テレビ出演時にアベノミクスの問題を指摘されて激高したときは、同僚の自民党議員もヤバイと感じたようです。
冷静な議論ができなければ、政治問題を解決に導くことはできません。同じ間違いを繰り返すだけです。問題を受け止め、その原因を分析し、解決策を導き出すという当たり前のプロセスを一国の総理大臣から期待できないというのは寂しい限りです。
議論ができない日本人の代表である安倍総理。日本国のリーダーとして議論を実践し、国民に模範を示して欲しいのですが、期待はできないでしょう。日本国内で議論できないのであれば、有意義で生産的な外交関係構築も不可能です。
3)安倍総理自身が、アジア諸国との関係悪化を促進している。
戦犯として逮捕されたが、アメリカの手先となることで訴追を逃れた岸信介元首相。彼の孫にあたる安倍総理の政治的目標は憲法改悪であり、徴兵制度復活です。アメリカのゴバンザメとして、世界中で戦争ができる国づくりに邁進しており、プチ覇権主義の妄想に取り憑かれています。戦前回帰願望が強い極右反動政治家は、軍需産業利権者たちの強い味方でもあります。
集団的自衛権の行使を可能にするため、憲法違反の安保法制を強行採決したのは記憶に新しいですが、国民世論の反発を抑えるために利用したのが、「北朝鮮や中国の脅威」でした。この「脅威」は安倍総理によって意図的に促進されています。加害者が過去の侵略戦争を否定すれば、外交関係を冷え込みますし、険悪なムードを醸成するのは簡単です。北朝鮮の国際的孤立に手を貸し、経済的・精神的に追い込み、核実験やミサイル発射を誘発しています。
相手を力でねじ伏せようとしても事態は好転しないことを分かっていながら、わざと外交関係を悪化させています。すべては安倍総理自身の妄想実現(=戦争ができる国づくり)のためです。北朝鮮や中国との友好関係が促進されては困るのです。「北朝鮮や中国が脅威だ」と叫べば、無知な国民は集団的自演権を受け入れると思っているのです。舐められたものです。
外交関係悪化のせいで、北朝鮮に拉致されている被害者たちが解放される可能性はドンドン低くなっているのですが、全く気にしていません。彼は本当に、日本国民の生命と財産を守る気があるのでしょうか?ある訳がありません。公の場で親身に考えているフリをすれば、バカな国民が支持してくれると思っているのです。拉致被害者やその家族は、安倍総理にとって、内閣支持率維持のための手段に過ぎないのです。
まとめ:
国際社会から人間として相手にされず、かつ、議論の技術を持たない総理大臣が、戦争をしたいがゆえにワザと外交関係を悪化させているのです。特にアジア諸国との関係悪化は戦後最悪レベルといっていいでしょう。安倍政権の下で日本人拉致問題が悪化するのは当然なのです。安倍総理に政治的に利用されるだけの拉致被害者とその家族は本当に気の毒です。
日本国民の生命と財産を守る気が全くない安倍政権を無邪気に支持するのは危険です。マスコミの自己規制により権力批判報道がほとんどされていませんが、一人でも多くの国民に関心を持って欲しいと思います。
以上