【幸せの尺度とは?】ギャラップ調査の紹介

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写真(ラテンアメリカの人々) 出典:WE ARE ANONYMOUS
写真(ラテンアメリカの人々) 出典:WE ARE ANONYMOUS

 皆さんは、「幸せ」をどのように定義していますか?人・国・文化・時代などにより様々だと思います。マスコミで多く取り上げられていることが絶対だとは限りません。

 今回は、ギャラップという会社が2014年に行った調査結果を紹介いたします。参照先リンクを以下に貼ります。

「These Are The World’s 10 Happiest Countries」

 調査方法としては、以下の質問を143カ国の人々に対して行った上で点数化しています。

・あなたは昨日、よく休めましたか?
・あなたは昨日ずっと、敬意をもって扱われましたか?
・あなたは昨日、たくさん笑いましたか?
・あなたは昨日、興味深いことを学んだり実行しましたか?
・あなたは昨日の大部分を楽しい気持ちで過ごしましたか?

 点数化されたものは、前向き経験指数と呼ばれています。精神的にはつらつとしているかどうかを表しています。ランキング結果は次の通りです。

1位:パラグアイ スコア89
2位:コロンビア スコア84
2位:エクアドル スコア84
2位:グアテマラ スコア84
5位:ホンジュラス スコア82
5位:パナマ スコア82
5位:ベネズエラ スコア82
8位:コスタリカ スコア81
8位:エルサルバドル スコア81
8位:ニカラグア スコア81

図(ラテンアメリカ・カリブ海地域) 出典:平和首長会議
図(ラテンアメリカ・カリブ海地域) 出典:平和首長会議

 驚くかもしれませんが、ラテンアメリカの国がトップテンを独占しています。ここ10年で初めてだそうです。ヨーロッパや米国が上位を占めている訳ではでありません。ちなみに、日本は84位(スコア66)という結果です。意外ですか?

 その他の国の詳しいランキングは、上で紹介したリンク先を参照してください。

注)世論調査会社:ギャラップの説明(出典:ウィキペディア)
 1935年にジョージ・ギャラップによって設立されたアメリカ世論研究所(American Institute of Public Opinion)を前身とする。
 本社をアメリカ合衆国のワシントンD.C.に置くとともに、世界の30近くの国に拠点を設けて世論調査などを行っている。日本には1995年に日本オフィスが開設されている。
 民間企業による世論調査の先駆け的存在であり、その世論調査はギャラップ調査(Gallup Poll)と呼ばれて、高い信頼を得ている。

以上

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【VW不正改造事件】絶対服従の雰囲気が悲劇をもたらす

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写真(独自動車大手フォルクスワーゲンのウィンターコルン前会長兼CEO) 出典:ロイター/Wolfgang Rattay
写真(独自動車大手フォルクスワーゲンのウィンターコルン前会長兼CEO) 出典:ロイター/Wolfgang Rattay

 フォルクスワーゲンは、約60万人の従業員を抱えるドイツの巨大自動車メーカーです。アメリカの排気ガス規制をパスするためにソフトを違法改造していた事件には、私も驚かされました。賠償金や売り上げ減などにより、天文学的な損害が生まれるのは確実でしょう。

 現代ビジネスの2015年10月12日付記事が関連内容を扱っています。リンクを以下に示します。

フォルクスワーゲン社の「恐るべき社風」とは~優秀な企業が陥りやすい罠に、VW社もハマってしまった スペシャルリポート!日本も他人事ではない

 上記リンク記事から一部を引用いたします。

引用始め
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フォルクスワーゲンは中央集権的な性格が強い企業として知られる。社員の中には、「上司の言うことは絶対であり、反論してはならないという、『不安に満ちた空気』があった」と語る者もいる。

フォルクスワーゲンが抱える4万人の研究開発陣から、不正のからくりを徹底的に追及する者が出なかった背景には、その「社風」があった。

「米国の厳しい規制に合格するために排ガスシステムを改善するには、多額のコストがかかります」

在ドイツジャーナリストの熊谷徹氏は言う。

「ドイツの市場関係者の間では、『一部のエンジニアがその提案を上層部に行って叱責されるよりは、不正ソフトによって規制当局のテストに合格する道を選んだのでは』との憶測が流れています」

ドイツのニュース週刊誌『シュピーゲル』のアルミン・マーラー記者は、9月26日号の巻頭言で次のように指摘した。

「ドイツの大企業の幹部には、自分は絶対に間違わないと思い込む者が多い。目標を達成するためには、どのような手段も正当化する。フォルクスワーゲンの場合には、トヨタを追い抜いて世界の自動車市場のナンバーワンになること、これが最大の目標だった」

トヨタを追い抜くという目標のために分別を失い、不正行為に手を染めた—あるいは、見て見ぬふりをしたというわけだ。マーラー記者は、フォルクスワーゲンは大企業が陥りがちな傲慢さとうぬぼれを捨てるべきだとも記している。
********************************
引用終り

 私もサラリーマンを長年やってきた経験から、フォルクスワーゲンの不祥事は他人事に思えません。上司の言うことには絶対反論してはならないという雰囲気から、様々な問題が発生するのを見てきました。

・100%のイエスマンでなければ社内出世できず、意見を言うものは干される。
・経営幹部であっても、トップに一度でも反論したが最期、左遷される。
・サービス残業が違法行為と判っていても、誰も異を唱えず、事態が悪化・エスカレートする。
・社員性悪説に基づく管理を行い、どんどん裁量権を奪うので仕事がやりにくくなる。
・遊びや余裕がなくなるので、息苦しい澱んだ雰囲気になる。
・親身になって会社方針に協力しようという気持ちが社員から無くなり、新しい提案が出なくなる。
・従順だが主体性のない、社内下請け業者のような社員ばかりとなる。
・経営幹部・管理職クラスも自分の身を守るだけで手一杯なので、部下を育てるという視点が無い。
・意思決定の場から女性が完全に排除されている。
・福島原発から数十キロしか離れていない所に、原発事故以降、事業所を開設する。社員は誰も不安を口に出せず、言われるがまま赴任・出張させられる。

 会社システムの中では、民主主義的雰囲気が育ちにくいのは確かです。狭い世界だと思います。山本太郎議員が、安倍総理に対して堂々と論戦を挑むことが出来る国会をうらやましく感じることがあります。

写真(山本太郎議員) 出典:saigaijyouhou.com
写真(山本太郎議員) 出典:saigaijyouhou.com

 別に100%民主的な制度を会社システムに導入すべきとは思いませんが、トップに立つものは部下との気楽で真面目な雑談を少しは心掛けた方がいいでしょう。上に意見を言いやすいという雰囲気が少しくらいは無いと、大切な情報が上がってこなくなります。事実の詳細を把握している末端の従業員が、クレームなどのマイナス情報を出さなくなったら大変です。

 軍隊のように上意下達を強制していた方が精神的には楽かもしれません。しかし、部下とのやり取りの中から、自分の誤りや自分に足りない見識を見つけるという努力を経営者が怠ると、いつの間にか会社が傾くという事態を招く可能性があります。フォルクスワーゲンの事例は他山の石とすべきでしょう。

以上

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【日本社会の病巣】難民キャンプの少女を侮蔑する側の心理

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 日本社会には、戦前から今日に至るまで自発的隷従という病が蔓延しています。

 フランス人のエティエンヌ・ド・ラ・ボエシが書いた「自発的隷従論」の中から引用します。

********************************
「先の人々(生まれながらにして首に軛を付けられている人々)は、自分たちはずっと隷従してきたし、父祖たちもまたその様に生きて来たという。彼らは、自分たちが悪を辛抱するように定められていると考えており、これまでの例によってその様に信じ込まされている。こうして彼らは、自らの手で、長い時間をかけて、自分たちに暴虐を働く者の支配を基礎づけているのである。」

「隷従する者達は、戦う勇気のみならず、他のあらゆる事柄においても活力を喪失し、心は卑屈で無気力になってしまっているので、偉業を成し遂げることなどさらさら出来ない。圧制者共はこのことをよく知っており、自分のしもべたちがこのような習性を身につけているのを目にするや、彼らをますます惰弱にするための助力を惜しまないのである。」
********************************
引用終り

 一言で言えば、権力者への盲従を良しとする心理でしょう。自発的隷従が原因で生まれる様々な悲劇を例として挙げます。

・神風特攻隊
・ブラック企業での過労死
・高線量の福島原発近くに住み続ける。

 これらに共通する権力者からのメッセージは、「問題意識など持たなくていいから、おとなしく犠牲になりなさい」ということです。安倍政権になってから、このメッセージを特に強く感じるようになりました。安倍内閣は日本会議という戦前回帰組織に支配されているので当然でしょう。

 武田康弘氏が下記リンク先の記事で、日本会議に賛同する者の精神構造に関して優れた論考をしています。一読をお勧めします。

「日本会議」の精神構造 第三回 ネクロフィリア(英仏誌も安倍首相らのウヨク団体「日本会議」に注目)

 当該記事の中から一部を、以下に引用いたします。

引用始め
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「互いを対等な存在として認め合うのでなく、権威、権力、金力、学力、暴力などにより他者を自分の思う通りにしようとする」
「厳しい規則や固い組織など動かないものを愛します。モノや思い通りになる人だけしか愛せない」
「臨機応変、当意即妙とは無縁で、すべて自分の計画通りにならないと怒ります。」
「イキイキと生きている一人の人間、一人の女・一人の男から始まる社会・国という「社会契約」(人民主権)の考え方が受け入れられず、自分の思う「日本人」とか「伝統」の枠内にこどもや市民を閉じ込めようとします。」
「管理社会を好みますから、こどもや人々が自立心をもち、「私」からはじまる生き方をすることを恐れます。」
「個人や自由や解放というイメージを嫌い、批判されるのを避けます。オープンな話し合いが苦手で、一方通行です。」
******************************
引用終り

 上記のような精神構造をもった権力者にとって、自発的隷従という病に侵された国民は誠に都合が良いのです。自発的隷従という病にかかっているという自覚すらない多くの有権者が、選挙で安倍政権を誕生させたのです。奴隷状態に慣れ切っている人は、独裁権力者を望みます。

 話は変わりますが、下記写真をご覧になった人は多いと思います。「セーブ・ザ・チルドレンUK」の職員で写真家のジョナサン・ハイアムズ氏が撮影したシリア難民の少女です。

撮影:「セーブ・ザ・チルドレンUK」の職員で写真家のジョナサン・ハイアムズ氏
撮影:「セーブ・ザ・チルドレンUK」の職員で写真家のジョナサン・ハイアムズ氏

 シリア難民の多くは軍需企業の金儲けの犠牲になっています。この少女は人生の初期に重荷を負わされ苦境に立たされながらも、毅然とした表情が印象的です。しかし、日本会議に所属する権力者から見れば、この写真は気に食わないはずです。「問題意識など持たなくていいから、おとなしく犠牲になりなさい」という命令に従う雰囲気が感じられないからです。

 案の定、安倍総理に心酔する日本の漫画家が、この少女を侮蔑する次のような絵をネット上に公開しました。

作:蓮見都志子氏
作:蓮見都志子氏

 この投稿は大問題になり、海外メディアでも報じられています。

「BBC: Is this manga cartoon of a six-year-old Syrian girl racist?」

 自発的隷従に甘んじなければ、海外難民の子供ですら攻撃対象になるというのが、日本社会の現実なのです。福島原発事故による放射能汚染を心配する人たち、ブラック企業を批判する人たち、神風特攻隊員を英霊として崇めない人たちは、権力者やその取り巻きから叩かれます。声を上げないでおとなしく従う人が多数派なのです。

 立派な憲法を持ちながら、人権の何たるかを理解しようとしない社会。難民の少女を侮蔑する醜悪な漫画は、決して偶然から生まれたのではありません。日本社会の病巣から発生してきた無数の現象の一つに過ぎないのです。

以上

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現実問題を無視することは可能。しかし、その結果を無視することはできない。

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上図(軍需企業の売上高シェアはアメリカが突出している:2013) 出典:ストックホルム国際平和研究所
上図(軍需企業の売上高シェアはアメリカが突出している:2013) 出典:ストックホルム国際平和研究所

 今日、世界中で起こっている問題の中で、ある特定の国・地域に限定されたものがあるでしょうか?国境を超えて人・モノ・金・情報が行き交っていますので、自分の国は無関係だと言える問題はほとんど無いでしょう。

 非常に考えさせられる問題を色々と提起している海外のビデオを紹介します(日本語字幕付)。

私が見ているものが、あなたには見えていますか?(アノニマス)(7分18秒)

上記動画中で問題提起しているのは、次のような内容です。

飢餓問題
性の商品化
食料の大量廃棄
人間性を喪失させる娯楽番組
戦争で儲ける死の商人
放射性廃棄物の処理問題
天然資源の収奪
企業の犯罪
公害問題
工業製品の大量廃棄
世界的な銀行カルテル
アメリカでの軍事予算突出
民営化の弊害
財界に操られている政府
強欲資本主義の限界
環境破壊
物欲のみに支配された人々
健康を害する食品の氾濫
児童への奴隷労働強制
1%の富裕層が、残り99%から詐取するシステム

 短時間のビデオですが良くまとまっています。是非ともご覧頂ければと思います。

 最後に、ビデオ中のコメントを一つ引用して、本記事を終わりにいたします。

「You can ignore reality, but you can’t ignore the consequences of ignoring reality.」
(現実を無視することはできる。しかし、無視することによって生じる結果を無視することはできない。) ( )内は私の邦訳です。

参考リンク↓
We are anonymous

以上

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虐待の被害児童に追い打ちをかける仕組みがあるのはナゼか?

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 ある社会がうまく機能しているかは、どのように判断すべきだと思いますか?

 アベノミクスと称した経済政策で年金資金を大量に投入し株高を演出していますが、そんな数字は判断基準になり得ません。

 社会の中で困窮している人達がどのように扱われているかで、その社会の健全さや成熟度が判断できるのです。現代の日本社会の中で困窮している人達を取材した記事のリンクを以下に示します。現代ビジネスの2015年9月20日付記事です。

【ルポ】子どもたちの貧困 〜夢なんて持てない。「社会からの偏見」と「進学格差」子どもを絶望させる社会に未来はない!

出典:カナエール

 上記記事から主要部のみ引用いたします。

*****************************
「日本には虐待や育児放棄、親の貧困や精神的な病などが理由で、親と暮らせない子どもたちが約47,000人いる。そのうち約30,000人の子どもたちが児童養護施設で生活する。」

「18歳になると子どもたちは施設を退所しなければならない。状況が改善し家庭に戻るケースもあれば、他の福祉施設に措置変更がなされることもあるが、そのほとんどが18歳で社会に出て自活を余儀なくされる。」

「施設にいることがコンプレックスでずっと隠していました。自分が気にしすぎているだけかもしれませんが、みんなが離れていくんじゃないか、怖いんです。
“親に捨てられたかわいそうな子”という目で見られるだけで深く傷つきます。その偏見は社会から消えることはないと思います。
施設にいる子たちはなにも悪くないのに、自分たちはみんなと違う、普通じゃないと思わされてしまうんです」

「団体行動ではなく、一人で過ごすことができる、友達を呼ぶことができる、自分の家を持てるように自立したい」

「児童養護施設退所者の大学進学率は約20%で全国平均75%を大幅に下回る。一方、大学進学後の中退率は30%と、その数は全国平均の約3倍。大学に進学しにくく中退しやすい、その一番の要因は「お金」だ。」

「児童養護施設退所者は、大学の学費に加え住居費も生活費もすべて自分で賄っていかなければならない。ある学生は、月120時間をアルバイトに費やしているがそれでも生活は苦しいという。」

「親を頼ることもできず、高校卒業と同時に施設に帰ることもできない18歳の若者にのしかかるその負担は、経済的にも精神的にも大きい。結果、児童養護施設出身者のうち、進学し卒業までするのは全体の14%となる。」

「児童養護施設の子たちは、自分が置かれた環境から、大学に進学するのは贅沢だ、夢なんて持ってはいけない、と思い込んでいる傾向にあります。
やりたいことを考える余裕がなかったり、得意なことがあったりしても、希望よりも給料や条件のいい安定を求めてしまいます。もちろんそれも選択肢の一つですが、初めからあきらめる必要はないし、無言の圧力のようなものをとっぱらいたいんです。施設出身者だって夢を持ってもいい。それが叶わなかったとしても、やり直しができる、ということを知ってほしいんです」
*****************************
引用終り

 何の罪もないのに、人生の初期に大変な重荷を背負わされている子供たちが大勢いるのです。こういう子たちでも18歳になったら、施設から出て安心して暮らせる社会にしなければなりません。

 しかし児童保護施設の子たちから見れば「大学進学なんて贅沢、夢を持てない、やりたいことを考える余裕がない、初めからあきらめざるを得ない」というのが本音なのです。

 人生の初期に重荷を背負った子供たちが頑張ろうとしている時に、大人が足を引っ張ってはいけません。状況改善のためには、大学の学費を無料にするという手が考えられます。社会的格差を固定化しておきたい支配層・権力層から見れば、今のままが良いのかもしれませんが、日本の教育費の高さは異常です。学生相手に奨学金でローン商売をする人間たちの神経を疑います。

【世界の非常識】日本の高すぎる教育費を是正すべし!

 安倍政権は有効な施策を打っているのでしょうか?2015年9月19日に成立した「平和安全法制」は、児童保護施設の子どもたちが安心して暮らせる、将来に希望を持てる社会を実現するために役立つでしょうか?もちろん、役立ちません。

 「平和安全法制」とは名ばかりで、実際には戦争法であり、経済的に困窮した学生たちを待ち受けているのは経済的徴兵制です。財界や防衛省は積極的に推進しています。

【経済的徴兵制】権力側に詐取されないように積極的な情報収集に努めよう!

経済的徴兵制とは?:
「貧困地域では経済的理由で高等教育が受けられず、そのために専門知識や学歴が必須とされるような賃金の高い仕事に就けない結果となり、貧困が再生産されている。このような状況から抜け出すため、真に自発的な意思ではなく兵役に志願せざるを得ない状況があることを知りながら、政府がこの経済格差を是正しないばかりか、むしろこの状況を放置し利用することで新兵をリクルートしている実態がある。経済的弱者が兵役を強いられるこの状況を事実上の徴兵制とみなし、非難する意味合いを込めて「経済的徴兵制」と呼ぶ。」
(ウィキペディア)

 現実にアメリカでは、経済的徴兵制の犠牲者になった学生が多数います。彼らは精神的・肉体的に取り返しのつかない傷を負い、一生を棒に振っています。詳細は下記文献を参考にしてください。

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

新品価格
¥756から
(2015/8/20 21:14時点)

 話を戻します。

 児童保護施設の子どもたちが安心して暮らせない社会を放置するばかりか、さらに追い打ちをかけるなど、悪魔の所業です。明らかに憲法違反です。経団連などの財界や安倍政権に対して少しでも良心を期待している人がいたら、目を覚ますことをお勧めします。海外へのバラマキやオリンピック・原発・リニア新幹線などには惜しげもなく税金を投入するのに、将来を担う立場の弱い子どもへは冷たいのが現在の自民党政権です。

写真(子供の貧困対策が寄付頼り?) 出典:ANN

最後に:
 政治家という職業に就いている人は、社会的弱者の声に耳を傾けるべきです。自分たちが作ろうとしている法律が、困窮している人にどのような影響を与えるか考えなければなりません。自分が体験していなくても、他人の話や記録から想像する・共感するという知性を持っていただきたいものです。

以上

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【三重県志摩市の元公認キャラクター:碧志摩メグ】→人権後進国日本の象徴

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写真(碧志摩メグ) 出典:(C) MARIBON 再利用不可
写真(碧志摩メグ) 出典:(C) MARIBON 再利用不可

 上のキャラクター「碧志摩メグ」は、三重県志摩市が公認していた市の広報のためのキャラクターです。女性蔑視で不愉快という理由により、市の公認撤回を市民が申し入れましたが、市長は応じていませんでした。

三重県志摩市公認萌えキャラクター「碧志摩メグ」の公認撤回を求める署名運動、の中で、運動団体は、次のような見解を述べています。

「17歳という未成年の設定でありながら、胸や太ももなどの表現に顕著な性的誇張表現がなされており、さらにその意図を裏付けるように、 彼女のプロフィールには身長と体重が明記され、「ボーイフレンド募集中」と書かれています。
私たちは、行政が、未成年の女性を性的なものとして表現し、市の広報のための公認キャラクターとして利用し、市役所などの多くの公共の場所で公開をしていることは問題であると考え、志摩市に公認撤回をお願いするための署名運動を行うことにしました。」

 また、同リンク中のコメント欄にも的確な批判が書かれているので、以下に引用いたします。

「当事者の海女たちが抗議しているのだから、まずは取り下げるのが筋。市は「個人的な感じ方の問題」と居直っているそうだが、抗議を受けた側が言う台詞ではない。セクシャル・ハラスメントは被害者が不快だと感じた時点で成立するものだ。」(姜 聖律氏)

「こんな男性向けエロ漫画のような下品な絵柄を公式キャラクターとするとは、決定した人間の知性を疑う。
そしてモデルとなった海女さんたち自身が抗議しているにも関わらず「個人の感じ方の問題」として問題を矮小化し封殺しようとする市長の姿勢も、たいへん傲慢かつ卑劣であると感じる。
また、他の方も指摘しているが、これをよりにもよって伊勢志摩サミットで世界に晒すのかと思うと、恥ずかしすぎる。本当にやめてほしい。時代遅れの性搾取の国、小児性愛の変態国、志摩をそのように言われて良いのか。
志摩市には男女共同参画推進条例も存在するが、これは条例に適った内容だろうか。女性の身体があまりに一方的に性的商品として貶められているこのキャラクターは、条例が禁じる「性別による固定的な役割分担」そのものではないのか。」(kanazawa miho氏)

「いわゆる性表現の自由の問題以前でしょう。つまり、1公的機関が2特定の職業の女性について3その女性がまだ子供のうちから4性的玩具とみなせと推奨している。5じつに明らかな職業差別。
そんな差別による性的侮辱を公的権力が行っている。
私が三重県にいたころの記憶だと、海女の方は頭脳明晰で勇敢、我慢強く、母系を大切にし、家計を支え、身内の女の子に技術とプライドを伝授する存在であった。かつての男尊女卑の時代や風潮の中でさえも、女の子が生まれると祝福し喜んだ。また海女はベテランほど尊敬されてきた。なぜその代表キャラが見習いなのか。市長は海女が少数派であることから、選挙に響かないとなめてかかり、特定の職業の女性をつぶしにかかったのか。なんという卑怯な弱い者いじめだろう。これでは国際観光都市どころか国辱談合都市、いい笑いものです。」 (笙野頼子氏)

「日本では感覚が麻痺していますが、海外一般、特に欧米人から見れば、この絵は、完全なHENTAIアニメ、チャイルドポルノです。
ヨシハラ、ゲイシャ、女体盛りといった負の側面からの日本のイメージを強調するだけです。
これを市の公式キャラクターとするならば、幼女売春などで性を売りにしている都市だと世界から思われます。
サミットの時に街にポスターなど貼られ、報道されたら……各国から軽蔑と嘲笑を買うことでしょう。」(井荻 明氏)

「現役海女97人(海女漁関係者211人)の署名があって申し入れたのに、その声をまともに聞かないなんて、行政失格、本末転倒です。
大口秀和市長らは、海女、市民、女性を、どれだけバカにしているのでしょうか。
そもそも当の海女の反対の声が顕著であるのに、「市の観光と海女文化のPR」も何もありえません。
ただの『環境型セクハラの見本市』になってしまいます。
このような市長の対応は許されず、真摯に女性蔑視・市民軽視を恥じて、退任すべき事態だと思います。」(小野 直子氏)

「こういうあからさまな性差別と幼児性愛にまみれた表現を公的機関が普通に使うようになってる現状ほんとうに異常です。「女という存在は幼少の頃より性的に搾取されて当然だし、また我々が心地よく搾取できるように男への愛嬌と媚を身につけていくべきである。」というメッセージを大人達が毎日絶え間無く繰り返し、物心ついた時から子供達は強制的にその命令に晒されて育ちます。現在の日本の社会全体がそうした精神的奴隷状態を女性に強いることで成り立っています。近年こうした表現の異常さに社会は少しづつ慣らされ、公的機関さえも建前をかなぐり捨て、まるで「これこそ世界に誇るべきクールジャパンだ」とでも言うかのように、こうした性差別が子供達の目に付く場所に溢れています。
大半の子供達はこうした価値観にがんじがらめで成長する過程で自分の自尊心を諦め、性差別に順応し、服従するようになります。昔から繰り返されてきた最低のサイクルです。この広告キャンペーンを採用した絶望的に無神経な役人達は、自分達のお気に入りのポルノを市民に強制的にプロモートすることが役所の仕事だとでも勘違いしてハシャいでいるのでしょうか?一刻も早くこうした表現を役所が、社会が、公に支持することの重大な暴力性に気付いて頂きたい。この署名運動は当然の批判であり、苦痛を強いられる者達の悲鳴だと思います。」(小熊 陸氏)

 日々の忙しい生活の中では何となく見過ごしてしまいがちですが、人間の尊厳という根本に関わる問題だと思います。

 皆さんはどう思いますか?

三重県志摩市公認萌えキャラクター「碧志摩メグ」の公認撤回を求める署名運動

追記:
 2015年11月5日、三重県志摩市は、上記のような批判を受けたことも考慮し、碧志摩メグの公認撤回を発表した。

以上

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あなたは、モンサント製の除草剤が店頭に並んでいるのをおかしいと思いませんか?

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写真(農薬の犠牲者) 出典:YouTube「閲覧注意:農薬の犠牲者(El costo humano de los agrotoxicos) モンサントを受け入れた国の実態」
写真(農薬の犠牲者) 出典:YouTube「閲覧注意:農薬の犠牲者(El costo humano de los agrotoxicos) モンサントを受け入れた国の実態」

「人間性なき科学」(ガンジー)が人々の生命を脅かしている例を挙げます。

農業では、雑草を一本一本人手により抜いていると人件費がかかる。

除草剤の散布で済ませられれば安上がりだ。

強い除草剤を飛行機で大量に散布すると、育てたい作物も一緒に枯れてしまう。

モンサントという会社が遺伝子組み換え技術を使い、除草剤で枯れない作物を開発した。

遺伝子組み換え作物が世界中に出回り人々の健康を脅かし、除草剤の大量散布でも多くの被害者が発生している。

今回は、除草剤の大量散布で多くの被害者が発生している実例を紹介します。次のYouTubeビデオをご覧ください。

閲覧注意:農薬の犠牲者(El costo humano de los agrotoxicos) モンサントを受け入れた国の実態(10分44秒)

 上記YouTubeビデオの紹介文章から一部を引用します。

引用始め
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ルカス君(3歳)は、魚鱗癬という皮膚が鱗のように硬くなり剥がれ落ちる皮膚病を患っています。母親は妊娠中、除草剤グリホサートを畑で無防備に使用していました。

ファビアンさんは農薬を空中散布する会社で荷積み等の仕事に長く従事していました。一日の大半は動くことすらできません。

タリアさん(14歳)は先天性の奇形を患い、心臓の手術を受けました。両親は子供の頃から使用が禁じられた殺虫剤を散布しているタバコ畑で働いていました。

ファビアン君(8歳)は水頭症を患っています。両親はタバコ畑で除草剤ラウンドアップを使用していました。

アルゼンチンは1996年、世界に先駆け遺伝子組換え技術を導入し、15年の間に700億ドルの利益を得ました。米国、ブラジルに次ぐ世界第3位の大豆生産国であり、アルゼンチン産遺伝子組換え大豆の74%は中国へ輸出されています。

農薬被害を受けた人々の写真を見ていると無知・無関心が社会毒の蔓延に加担していることを改めて痛感します。
**********************
引用終わり

 強欲資本主義を無批判に受け入れていると、取り返しのつかない事態を招く可能性があるということが解ります。

 日本では、店頭で当たり前のようにモンサント製の除草剤が売られており、誰でも簡単に入手できる状態です。世界で一番規制の緩い国が日本なのです。資本家や政治家の意向を忖度したマスコミが報道しないせいもありますが、この問題にこれだけ無関心な国は、先進国では日本だけです。下写真のような状況を見てビックリする外国人も多いようです。

 有害無益なモノは買わない、という意識をしっかりと持ちたいものです。

下記リンク先の関連記事も参考にしてください。

【日本も見習うべき】遺伝子組み換え食品拒否の方針を明確にしたロシア

以上

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ガンジーが指摘した「七つの社会的罪」を現在の日本に当てはめたらどうなるか?

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写真(マハトマ・ガンジー) 出典:ブログ「ものの姿と言の葉」
写真(マハトマ・ガンジー) 出典:ブログ「ものの姿と言の葉」

ガンジーという人物の説明について、以下ウィキペディアから引用:
「南アフリカで弁護士をする傍らで公民権運動に参加し、帰国後はインドのイギリスからの独立運動を指揮した。その形は民衆暴動の形をとるものではなく、「非暴力、不服従」(よく誤解されているが「無抵抗主義」ではない)を提唱した。
この思想(彼自身の造語によりサティヤーグラハ(英語版)、すなわち真理の把握と名付けられた)はインドを独立させ、イギリス帝国をイギリス連邦へと転換させただけでなく、政治思想として植民地解放運動や人権運動の領域において平和主義的手法として世界中に大きな影響を与えた。特にガンディーに倣ったと表明している指導者にマーティン・ルーサー・キング・ジュニア、ダライ・ラマ14世等がいる。」
引用終り:

 1925年10月22日、マハトマ・ガンジーは雑誌『Young India』にて、「七つの社会的罪」(Seven Social Sins)を指摘しました。

1.理念なき政治 (Politics without Principle)
2.労働なき富 (Wealth without Work)
3.良心なき快楽 (Pleasure without Conscience)
4.人格なき学識 (Knowledge without Character)
5.道徳なき商業 (Commerce without Morality)
6.人間性なき科学 (Science without Humanity)
7.献身なき信仰 (Worship without Sacrifice)

 上記の各々を、今の日本社会に当てはめて私なりに解釈しました。参考にしてください。

1.理念なき政治
 アメリカに隷従していると独立国としての気概は生まれませんし、政治に理念を期待することもできません。

写真(アメリカの議員にペコペコする安倍総理) 出典:http://news.sina.com.cn/w/p/2014-01-21/233429310152.shtml
写真(アメリカの議員にペコペコする安倍総理) 出典:http://news.sina.com.cn/w/p/2014-01-21/233429310152.shtml

2.労働なき富
 今や空虚な響きしかないアベノミクス。内閣支持率を維持するために、国民の年金積立金を何十兆円もつぎ込み株高を演出しています。将来、年金資産は消えてしまっても、海外投資家・資産家は株を売り抜けて巨額の利益を手にするでしょう。

写真(日経平均株価) 出典:ANNニュース
写真(日経平均株価) 出典:ANNニュース

3.良心なき快楽
 日本は世界一のギャンブル大国です。パチンコ業界の売上だけでも年間19兆円弱になります(2013年)。ギャンブル業界に取り込まれて中毒状態になってしまった人が数百万人います。ギャンブル依存症は病気であり、現実に深刻な社会問題になっています。
 その社会問題をさらに悪化させるような法案を安倍政権は国会へ再提出しました。カジノを合法化するためのカジノ解禁推進法案です。これには約200人の国会議員が賛同しているというから驚きです。
 ギャンブルを通して人々から金をむしり取って得をするのは、業界の経営者・天下り官僚・政治家くらいなものです。より多くの依存症患者を生み出すことは間違いないでしょう。ギャンブル行為そのものからは何も生産的なものは生まれません。人間の堕落に手を貸すだけであり、社会・経済の発展に結び付くことはありません。
 日本国民の幸福・安全・安心・健康に対して無関心である自民党政権の本質が垣間見えます。

出典:しんぶん赤旗
出典:しんぶん赤旗

4.人格なき学識
 政治家は憲法遵守義務があるのですが、安倍政権は違憲の安保法案を成立させようと躍起になっています。最近は、危機感を持って安保法案に反対の意思表示をする人が増えてきていると思いますが、無関心層の割合は依然として高いと思います。
 憲法9条については日本人ならば学校で必ず学びますが、お飾りの知識ではなく自分の血肉にするのは、実は大変なことです。下記のブログ記事を参考にしてください。

【意外?】戦争で地獄の苦しみを味わった元アメリカ海兵隊員だからこそ憲法9条の有り難さを理解できる。

5.道徳なき商業
 ブラック企業として名高いワタミの創業者である渡邉美樹氏は国会議員であり、自民党に公認され当選しました。

写真(渡邉美樹氏と安倍総理) 出典:www.logsoku.com
写真(渡邉美樹氏と安倍総理) 出典:www.logsoku.com

6.人間性なき科学
 チェルノブイリ以来の最悪事故が福島第一原子力発電所で発生し、周辺の広大なエリアが放射性物質に汚染されました。事故はいまだに収束しておらず、最終的な汚染規模がどの程度になるか予想もつきません。健康被害も含めて、今後何世代にも渡って事故の影響が続くと思われます。

写真(福島原発事故) 出典:brainz.org
写真(福島原発事故) 出典:brainz.org

7.献身なき信仰
 宗教法人である靖国神社の基本的な考えは、次の通りです。

「天皇の軍隊が行ったのは自衛のための戦争であり、侵略戦争では断じてない。日本軍の行動を邪魔する者は皆テロリストだ。我々は何も悪いことはしていないので謝罪する必要はない。」

 安倍総理は、日本が過去に行った侵略戦争の事実を認めず、過ちから学ぼうともせず、歴史を改竄することに熱心です。日本を「美しい国」にしたがっている安倍さんは靖国神社が大好きです。

出典:テレビ朝日
出典:テレビ朝日

 下のYouTubeビデオも参考にしてください。人により受け取り方は様々だと思います。

マハトマ・ガンジー 格言・金言・名言集(4分58秒)

以上

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日本は、人種差別が存在しない「美しい国」なのか?→差別される側の声に耳を傾けよ。

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 日本は、人種差別が存在しない「美しい国」だと思っている人は意外に多いと思います。そう思っている人は、差別が無いことをどのように確認したのでしょうか?

 そのように思い込んでいる人は、日本における人種差別の記事・報道を見ると感情的に反論してくる場合が多いです。「それは偏った意見だ!」など・・・。

 見かけが日本人ならば、他の日本人から人種差別されたことはないと思います。そういう人達同士で井戸端会議をしていても、日本における人種差別の有無を判断することはできません。見かけが普通の日本人とは異なる、日本在住の人達の意見を聞くことが必要です。

 彼らの意見は、日本の暗部・欠点を指摘することにつながりますので、刹那的に生きている人達は憎悪感を抱くかもしれません。しかし、ある社会の本質的部分を知りたければ、差別に苦しんでいる人達の声に耳を傾けることは必須です。

 2015年3月にミス・ユニバース世界大会の日本代表に選ばれた宮本エリアナさんをはじめ、いわゆるハーフと呼ばれている人達が日本社会でどのような扱いを受けているのか、下記のYouTubeビデオで紹介されています。

 日本の御用マスコミよりも海外メディアの方が冷静な視点を持っている場合があります。参考にしてください。

【BBC】 「日本人」とは? ミス・ユニバース日本代表の問題提起(3分15秒)

 さらに、生まれてからずっと差別に苦しんできた宮本エリアナさんの訴えを以下のリンクで紹介します。ハフィントンポストの日本版です。

宮本エリアナさん「人種への偏見、日本と世界からなくしたい」【ミス・ユニバース日本代表】

 上記リンクの記事は差別される側の重要な視点を提供してくれています。

 日本人の隠れた差別意識は、次のようなニュースにも表れています。

 抗議という権利を行使している市民に対して、機動隊員たちが「土人」という言葉を使って罵っています。「土人」とは肌の浅黒い人や黒人に対して使う差別語です。冷静さを失い感情的になった時、人間の本性・本音が表れます。自分が潜在意識の中で見下している対象を「土人」という言葉で表し、抗議する市民に対して浴びせかけたのです。市民への侮辱だけでなく、肌の黒い人たち全体に対する差別でもあります。警察庁長官が陳謝し通達を出して済む問題ではありません。無意識の中にこびり付いている根強い差別意識は、自分で認識することすら困難です。この機動隊員たちの発言は、日本での特殊な事例ではありません。「黒んぼう」といって黒人をからかう人は年配者の人の中でも多いのです。

写真(差別発言をする機動隊員) 出典:ニュース23
写真(差別発言をする機動隊員) 出典:ニュース23

 公的な立場にある者、社会的地位が高い者、人を指導する立場にある者は特に、自分自身を振り返り、無意識の領域を少なくするよう努力し、差別的言動をすることがないよう注意して欲しいものです。若年層は目上の人間の発言・行動を、知らぬうちに真似しますので・・・。

以上

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【冷静に考えてみよう】死刑賛成派が日本で多数を占めるのはなぜか?死刑制度を廃止すべき根本的な理由は何か?

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出典:朝日新聞
出典:朝日新聞

 国の調査によると、2015年1月の時点で日本国民の8割以上が死刑制度に賛成しています。反対派が少数なんですね。私から見れば不思議な現象です。

 外国から死刑制度の廃止・死刑執行停止を要請されると日本国民は感情的になってしまい、ネット上でも激しい応酬が繰り広げられます。まずは、冷静に議論する必要があると思います。

 以下に、日本国内における死刑制度賛成側・反対側双方の主な根拠・矛盾を並べます。

1)死刑制度賛成派の根拠
①被害者及びその親族の無念を晴らすべきだ。
→復讐したいという気持ちに応えるべき、ということですね。最高裁判所も「国民感情」という曖昧な表現を使って死刑制度を認めています。では、被害者の遺族が「死刑にしなくてもいいですよ」と申し出たら、加害者の死刑を免除しても良いのでしょうか?被害者側のその時の考え・感情によって死刑判断が左右されるというのも変ですね。

②加害者を生かしておくと再び事件を起こす可能性がある。
→刑務所に入れておけば大丈夫のはずです。そのための刑務所なのですから。終身刑の制度を導入することは可能でしょう。

➂加害者を生かしておいても社会に貢献できないんだから、殺しても構わない。
→随分と乱暴な意見ですね。では、加害者が高度な専門知識・技能などを持っていれば、死刑を免除しても構わないのですか?

④刑務所に一生収監しておいても更生の見込みが無いので税金の無駄である。
→では、加害者が億単位のお金を支払えるのであれば、死刑を免除してもOKですか?

⑤死刑制度という厳罰の存在が、他の犯罪を抑止する効果がある。
→現時点で、抑止効果は統計的に証明されていません。

2)死刑制度反対派の根拠
①冤罪事件が後を絶たない。
→司法制度の欠陥や警察組織の証拠捏造・自白強要により犯人に仕立て上げられてしまう悲劇が、日本では無数に起こってきました。冤罪被害を受けた人は人生を滅茶苦茶にされてしまいます。死刑を執行した後に冤罪が判明したら取り返しがつきません。
 では仮に、冤罪が発生しない司法制度が確立されれば、死刑制度反対派は賛成派に変わるのでしょうか?

②憲法違反である。
→日本国憲法第36条で「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」と定められています。しかし、最高裁判所は「絞首刑は人命を奪う刑罰だが残虐ではない」などと述べています。絞首刑は残虐でない、違憲でないと言われても説得力が全くありません。

➂死刑制度があっても犯罪を抑止する効果が無い。
→その通りです。犯罪を抑止する目的で死刑制度を存続させるのは不合理です。統計的にも抑止効果が無いことが判っています。

 上の記述内容を踏まえた上で、私の考えを以下に述べます。

私の結論→「死刑制度は廃止すべきです」

理由:
 ひどい事件を起こした加害者は、事件を起こすべく運命付けられてこの世に生まれてきた訳ではありません。家庭環境・教育環境も含めた社会システムの不備・欠陥により人格形成が十分になされず環境への不適応を起こしているのです。つまり、加害者であると同時に被害者でもあるのです。

 社会システムの欠陥によるしわ寄せは社会的弱者へ行き易く、特に未成年では本人の努力だけで困難を克服するのは無理でしょう。社会に害を与える存在になった者は、その社会の欠陥・本質を映す鏡であり、社会の他の構成員と無関係ではありません。確かに厄介者をこの世から抹殺してしまえば、社会制度や我々自身の欠陥と向き合う必要は無くなります。しかし、「臭い物に蓋」という態度を取っている限り人間社会が進歩することはありません。原因を究明せず議論もせず対策もせずに放置すると、同じような事件・悲劇が必ず繰り返されます。現実を直視できない反動右翼的な政治家の言動・行動を見れば解るでしょう。

 何か事件が起こった場合、本当の原因を直視した上で再発防止策を行う。この地道な繰り返しをせずに暮らし易い社会を実現することはできません。死刑制度への賛成は「臭い物に蓋」「厄介払い」という安易な姿勢の表れであり、人間社会の進歩にはつながりません。時間・お金・手間がかかる検証・改善作業を積み重ね、暮らし易い社会の実現のために努力するのは国民一人一人の義務です。

 この地道な作業を実行する為には、事件を起こした加害者が生きている必要があります。殺してしまったら話をすることすら出来ません。取り調べや裁判の記録などは情報のごく一部に過ぎないので全く不十分です。

 「死刑執行」=「臭い物に蓋」の代償はとても大きく、長い目で見て人間社会に害悪をもたらすでしょう。

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【世論調査で8割以上の支持率!】死刑制度は本当に必要なのか?

死刑基準

以上

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