原発を推進すると、あなたの暮らしが貧しくなるのはナゼか?

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 「原発は他の発電手段と比べて費用が安く済む」という謳い文句を使い、長年に渡り自民党政権は原発を推進してきた。今回は、この宣伝が大嘘であることを説明したい。

 まずは、下の資料をご覧頂きたい。福島第一原発を含む原発処理のための費用や、自治体へ払ってきた補助金などの費用概算だ。あくまで現時点のもので、今後増大するのは避けられない。

図(原発処理のための費用) 出典:東京新聞

 2013年時点で福島第一原発事故関係の費用は11兆円と見積もられていたが、それから3年が経過しただけで約2倍の21.5兆円へ膨んだ。当初の算定が如何にいい加減で願望に満ちたものか理解出来る。さらに2017年4月1日付の共同通信記事によると、東京電力福島第1原発事故に伴う廃炉・除染・賠償などの対応費用について、民間シンクタンク「日本経済研究センター」が総額70兆円に上るとの試算結果を発表した。21.5兆円から70兆円。つまり、短期間で3倍以上になったのだ。今後、何十年、年百年と経つにつれ、費用合計は何百兆円という単位になるだろう。

写真(福島第一原発の事故現場)

 夢をさんざん語って1兆円以上をすでに投入しながら、高速増殖炉もんじゅは廃止されることが決まった。廃炉のノウハウは存在せず、これから研究するという。刹那的というか、人間が集団になったときの無責任さほど恐ろしいものはない。「トイレのないマンション」という言葉でも表現しきれない。とにかく、もんじゅの廃炉方法・費用・期間は全く不明確だ。おまけに、高速増殖炉の後継機について研究を継続するという。いくら日本人でも、過ちを指摘するとか、間違ったことをやめるとか、新たな習慣を身に付ける時期に来ていると思う。

 もんじゅ以外の核燃料サイクル事業については、すでに税金が10兆円以上投入されている。再処理工場とは、日本の原子力発電所で発生した使用済み核燃料を集め、その中からウランとプルトニウムを取り出す施設のことだ。青森県六ヶ所村の再処理工場が代表的だが、これは竣工から20年以上が経って、いまだに完成していない。試運転の延期が繰り返されたため、建設費用は当初の7600億円から、2011年2月現在で2兆1,930億円に膨らんだ。今後どうなるかは分からない。もしも稼働が始まったら、原発一年分の放射性物質をたった一日で環境に放出すると言われている。確実に発生する健康被害に対する賠償費用をどう工面するつもりなのか?

参考リンク:
とめよう!六ヶ所再処理工場

 核燃料全般の最終処分場建設には政府試算で3.7兆円かかることになっている。高レベル放射性廃棄物は人間が近づいたら即死するレベルの危険物だ。これを十万年以上に渡り安全に保管できる場所は、地震大国の日本には存在しない。無理に保管場所を建設したとしても、十万年以上に渡って誰が責任をもって管理するのか?費用は総額でいくらになるのか?桁が一つ二つ増えるだけで済むのか?誰にもわからない。

 原発を受け入れている自治体に対しては、多額の迷惑料が何十年にも渡って支払われてきた。この迷惑料は補助金という名目になっているが、支払い済分だけで17兆円である。ほとんどの原発が動いていなかった2015年分だけでも、年間千数百億円に上る。

 ここで、もう一度冒頭の図を再掲しよう。

図(原発処理のための費用) 出典:東京新聞

 費用総額は、40兆円+17兆円=57兆円である。今後、この金額は限りなく膨張していくだろう。(前述したが、福島第一原発関連の処理費用だけ考えても、すでに70兆円という再試算結果が出ている。)仮に、上表の57兆円という費用を日本国民一人当たりに換算すると、

57兆円÷1億2千万人=47万5千円/人

、となる。

 四人家族なら一世帯当たり、190万円だ。この190万円という金額は、電気料金や税金という形で国民の懐を痛める原因となる。何十兆円、何百兆円という天文学的な数字を示されても実感が湧かないため、「どうでもいい」「自分には関係ない」と思考停止の原因になってしまう。しかし、一人当たりや一世帯当たりで示すと、少しは切実感が出てくるのではないか?

 あなたの家庭では、190万円という負担は軽いのか?重いのか?しかも190万円という金額は今後、とめどもなく膨張していく。桁が一つ増えたら1900万円だ。しかも、まだ生まれてもいない子々孫々の代にも負担が及ぶ。人類が滅亡した後も、核廃棄物は危険なまま残るだろう。原発事業は究極の無責任さを体現している。

 お金を払うだけでは済まない。目に見えぬ放射性廃棄物を体内に取り込めば、内部被ばくを避けられない。知らぬ間に体を壊したり殺されても、原発マフィアが責任を認めることはない。賠償金を受け取れる可能性は極めて低い。金を受け取れたとしても健康被害は取り返しがつかないのだ。

 話を戻すが、政府や電力会社は、国民が問題意識を持たないように巧妙な手段で国民に金銭負担させている。実際には、電気料金や税金という形で吸い取られているのだが、原発の二文字が伏せられているため気付くことができない。原発マフィアと呼ばれている人たちのやることは悪質である。

 原子力協定を結んでいるアメリカや原発マフィアたちに食いつぶされないよう、国民一人一人は問題意識を持ち、口うるさい有権者にならなければならない。本記事がその一助になれば幸いだ。

参考リンク:
原発処理費 40兆円に拡大 税金・電気代転嫁、国民の負担に

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

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この人に原発の安全を任せて大丈夫なの?世界中を不安にさせる田中委員長の発言を紹介。

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写真(原子力規制委員会の田中俊一委員長)
写真(原子力規制委員会の田中俊一委員長)

 原子力規制委員会は環境省の外局であり、法律により、次のような任務を負っています。

「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため、原子力利用における安全の確保を図ること」

 このような重要な組織のトップである田中俊一委員長は、長年、原子力関係の研究に携わってきました。いわゆる、学者さんですね。原子力村の住民だと言っていいでしょう。

出典:原子力村の住民一覧
出典:原子力村の住民一覧

↑拡大したい場合は、クリックしてください。

 田中委員長は、2016年3月23日、日本外国特派員協会で記者会見を行いました。ビデオのリンクを以下に貼ります。

 この会見内容は、以下のリンク先にも掲示されています。

原子力規制委員会ホームページに掲載されている田中委員長会見内容の速記録全文

 田中俊一さんは山本太郎さんと違い、ダラダラと要領を得ないしゃべりをする人ですので、ビデオや速記録を確認するのは疲れると思います。そこで私が、要旨を以下に抜き出しました。

田中委員長会見要旨始め
**********************
福島原発事故により、原子力の安全規制に対する信頼は地に落ちた。99%の国民は不信感を持っただろう。

情報公開・科学的中立性・政治的独立性を重視して、この3年間取り組んできた。

大きなミッションとしては次の3つだ。
・事故を起こした福島原発の廃炉措置
・新しい規制基準での審査
・原発事故発生時の住民安全確保に関する指針の作成

福島県民が受けた被害をできるだけ元に戻したい。

福島原発の汚染水に関しては、大きな事故が起こる可能性は低くなっている。
これから段階的に廃炉を進めていく。

汚染水は浄化装置で基準濃度以下になったものを海洋放出することを勧めている。
ただし、トリチウムは技術的に除去が不可能だ。3400兆ベクレルといっても大した量ではないから、そのまま海に放出して良いと思う。どの国もそうしているし、それ以外に方法はない。
宇宙から地球に降り注いでいるトリチウムの方が、量的にはずっと多い。

汚染水を海洋放出すると風評被害につながるが、それは政治家が何とかしてほしい。

高浜原発の運転差し止め仮処分に関しては、ノーコメントだ。

福島原発事故の原因、IAEAの知見、そして日本における自然災害状況を踏まえて、新しい規制基準をしっかり作ったつもりだ。

バカバカしい初歩的ミスが続いている状況では日本国民の信頼が得られない、というのはご指摘の通りだ。

原子力発電所は巨大なシステムなので、大なり小なりトラブルは起こる。それが大きな事故にならないように気を付けることが重要だ。

福島原発が冷却能力を失った後、すぐにメルトダウンして水素爆発も起こることは、私自身は分かっていた。原発関係者なら、そんなの常識だ。

東京電力自身が作ったメルトダウンの判定基準書が今頃になって見つかった、というのは信じ難いことだ。東電のそういう体質を直さなくちゃダメだ。原子力全体に対する信頼回復は先が見えない状態だ。

汚染水の排出基準については、これ以下のレベルなら危険はないということを証明するのは無理だ。とりあえず現状では、国際的に決められた基準で海洋放出する以外に方法はない。

ドイツのような脱原発の選択をするかどうかは、国民が決めてください。私はノーコメントだ。

原発は安全ではなく、非常に大きなリスクを持った技術だ。そのリスクを顕在化させないように規制することが私の仕事だ。

原子力規制委員会の人事については、国会で全会一致の同意を得られていないが、それは仕方ないことだと思う。

原発の運転期間延長申請については、新しい規制基準に合致したものでなければ認めない。
**********************
田中委員長会見要旨終わり

世界に向けて発信された田中委員長のメッセージは、世界中の人々を安心させられるでしょうか?
福島原発事故の原因究明と再発防止を期待していいでしょうか?
国内の原発再稼働や輸出をしても安心なのでしょうか?

 田中委員長は過去に、次のような発言をしています。

田中俊一委員長

 「基準に合致するか審査はするけど、安全かどうかは知らない」というのは随分と無責任な発言ですね。眠そうな顔でこんな大胆なことを言われると腹が立ちます。「原子力利用における安全の確保を図る」という使命を忘れてしまったのでしょうか?

 2017年5月24日、原子力規制委員会は、大飯原発3、4号機について安全審査に合格したことを示す「審査書」を正式に決定し、再稼働にお墨付きを与えました。それに先立つ5月17日の記者会見で、原発に対する北朝鮮のミサイル攻撃・テロ攻撃に対してどのように対処するのか?、という質問が記者から投げかけられました。

 田中委員長は「原発へのミサイル攻撃対策はやってない」と答えました。記者は、「国民の生命・財産を守る責任を放棄するのか?」と追及しましたが、田中さんは「責任放棄ではない」「そこまで切迫しているとは思えない」「緊急事態にならないようにして頂きたい」などと答えるばかりでした。最終的には、しつこく食い下がる記者のマイクは取り上げられてしまったのです。今村前復興大臣を彷彿とさせる暴挙です。

 似たようなやり取りは、国会での質疑でも行われました。山本太郎参議院議員が田中委員長を吊るし上げにしている場面が、下記リンク先の記事で確認できます。

「人の命を守る気があるのか!?」山本太郎が原子力規制委員長を吊るし上げ!

 繰り返しになりますが、原子力規制委員会は次のような任務を負っています。

「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため、原子力利用における安全の確保を図ること」

 内閣の最高責任者である安倍総理が北朝鮮のミサイル攻撃を警戒している状況なのに、原子力規制委員会が真面目に対応方法を考えようとしないのはナゼでしょうか?被害想定リスクの試算とか、再稼働しないとか、色々考えられますが、何もやらない。ナゼでしょうか?それは、安倍総理自身が「ミサイルなんて飛んでくる訳がない」と思っているからです。森友・加計問題などへの批判から国民の関心をそらすなど、様々な政治的思惑に「敵国」北朝鮮を利用しているだけなのです。

 一番重視しなければならない外交努力を放棄して北朝鮮のミサイル脅威を煽っている最中に、総理本人が花見やゴルフを楽しんでいるんですから、部下たちがミサイル攻撃の可能性を信じる訳がありません。

写真(北朝鮮の危機を煽る一方で、喜び組と花見を楽しむ安倍総理夫妻) 出典:朝日新聞

 田中規制委員長としては、「ミサイル攻撃なんてあり得ないんだから、対策は必要ない!」と言いたいところですが、安倍さんの顔に泥を塗る訳にはいかないので、前出のような非生産的答弁を繰り返すしかないのです。質問する方も徒労感に襲われているでしょうね。

 田中委員長に関しては、発言内容以上に問題なのが表情・顔つき・喋り方です。自信をもって他人を説得するには程遠く、頼りない・覇気がないという印象を受けます。50年以上に渡って原子力に携わってきた専門家だというのは認めますが、自分の持っている知識を社会のために役立てようという気持ちがあるのでしょうか?あまりにも巨大な負の遺産を前にして途方に暮れ、無力感に襲われているのかも知れませんね。このまま原子力村の住民として「大過なく」一生を終えたいのでしょうか?文部科学省の前事務次官の前川さんみたいに、人間として模範的な行動も少しは行って頂きたいと思います。

以上

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日本のテレビは報道できない・・この番組をあなたは見たか?海外メディアが福島原発事故の現実を取材!

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 ドイツのARDというテレビ局が2016年3月12日、福島第一原発や双葉町を取材しました。今回は、その取材ビデオを紹介いたします。日本語字幕付きで、時間は7分54秒と短いですが、簡潔にわかりやすくまとまっています。

 このビデオを見れば、とてつもない負の遺産を生み出してしまったと思うはずです。

 ビデオを観れない人のために、映像中の日本語字幕を以下に記します。ブログ「麦は踏まれて強くなる」さんの記事から転載しました。

転載始め
*******************
初めて福島第一原発に最も近い「レッド・ゾーン」に入る許可を得たと、
日本の特派員ウヴェ・シュヴェーリンクが伝えてきたとき、私たちは迷いました。
そんな危険な地域に彼を送り込んで、いいものだろうか、と。

3月11日、フクシマ原発事故は5周年を迎えます。
こんなに遠くに住んでいる私たちですら、フクシマという名を聞くと恐ろしくなります。
ご心配は無用です。
シュヴェーリングと同僚のアーカディウス・ポティエニシンスキーは、当然のことながら厳重に監視され、取材中、どの撮影地点でも短い時間しか滞在しませんでした。

フクシマでは巨大な時限爆弾が、時を刻んでいることは知られているものの、今回取材した映像を実際見てみると、やはり現実はぜんぜん違うようです。
福島とは「福多き島」という意味だ。
なんという皮肉だろうか。
もはや狂気に近いと言っていい。
それを象徴するフレコンバッグが作り出す過酷事故の図はなんともおぞましい。
放射能汚染された土が、原発最悪事故の遺産だ。
それがフレコンバッグの中で眠っている。
何百万個と、である。

レッドゾーン、福島第一原発付近の警戒地区に入るチェックを受ける。
ここにはおそらく何百年と、人々が戻ってくることはできないだろう。

私たちに取材を許可してくれたのは、双葉町だ。
私とポーランドの写真家・映像作家アーレック・ポティエニシンスキーだ。
彼はここで見るすべてが、チェルノブイリを彷彿とさせると語る。
「もう何年もチェルノブイリの立ち入り禁止区域の記録を続けています」
「関心は尽きません。当時私も事故の影響に遭っています」
「事故当時、学校の授業が突然中断されて、ルー・ゴルフというのが配られました」
「これは甲状腺用の安定ヨウ素錠剤です」

町役場の志賀公夫さんが同行してくれ、私たちに指示をいろいろ与えた。
「レッド・ゾーン」を進む道路だけが清掃されている。
これが除染作業とトラックなどの車両通行に欠かせないからだ。
左も右も、入ることはタブーだ。
ここで働く人員は被ばく限度を超えないよう義務付けられている。
志賀さんが通行許可証を見せる。
浪江、富岡、大熊、ここの線量は、年間50ミリシーベルト以上で、立ち入りは禁止だ。

町を片付けて清掃したくても、注意が必要だ。
いつかこれらの町は荒れ果て、いつの日か取り壊され、除染され、それから再建するというが、それはいつになるだろうか?
セシウム137の半減期は、30年だ。
長い時間がかかるだろう。とてつもなく長い時間が、、、
双葉も今はゴーストタウンだ。
かつては人口約7千人くらいの町だった。

町民全員が避難を余儀なくされ、精神的打撃を受け、日本中にある330もの都市に散り散りになってしまった。
いまだに仮設住宅に住んでいる人もいる。
まず地震があり、そして津波が原発を襲い、それから来たのが放射能の雲だった。

双葉では時間が止まっています。
とてもシュールな感覚です。
なんとも不気味です。
まったくSFスリラーの世界そのものです。
ただ、これは宇宙の彼方から来た埃ではなく、人間の住む普通の世界で実際に起きた。
放射能のフォールアウトだったということです。
つまり、自家製のホラーショーです。

町役場の志賀さんは、この警戒地区に入ると、いつも頭痛がする、と語る。

でも、彼によればそれは放射能のせいではなく、精神的なものだ、という。
彼は自宅を捨てていかなければならなかった。
これと同じ運命を10万人以上の人が、たどっている。
これは彼にとっても大きなショックだった。

(志賀公夫・双葉町役場)

「故郷という感情は、それを失って、初めて自覚するものなんですね」
「とても懐かしく、取り戻したいと同時に、怒りを覚えます」
「でも国や東電に騙された、とは思っていません」
「私だっていわゆる安全神話を信じていたわけですし」

東電 - 福島第一原発という原発廃墟の所有者だ。
約7000人の労働者がここで毎日、放射性崩壊と戦っている。

汚染水、それに時間との戦いだ。
金はいくらかかってもいいようだ。
海岸沿いのこの怪獣は、何百億円というお金を飲み込み、さらに溶融してしまった核燃料で、攻撃を拒んでいる。
その燃料デブリがどこにあるのか、誰にもわからない。
運がよければまだ格納容器に、でなければ、すでに地下水に入り込んでいるかもしれない。
状況は安定はしているかもしれないが、コントロールされているとはとても言えない。
ロボットですらその奥底には入り込めない。
そして誰も代わりたくない仕事を、担当している人が事故後5年を総括した。

(福島第一原発所長・小野明)
「今の段階を説明するのは難しいですが、山頂が十合目として、今はちょうど一合目を超えたくらいのところかなという気がしています。」

「原子力、正しい理解で豊かな暮らし」
この看板は2015年12月まで双葉町の道路に立っていたが、それが下ろされることになった。
この町は、原発を運転する東電とともに、そして、東電で潤って生活してきた。
東電がこの町の灯火を消してしまうまで、東京電力は、この町の学校にもお金を出してきた。
ここには東電以外なにもないのだ。
依存が進めばその関係は強まる。

そうして2011年3月11日までやってきた。
これがこの学校の最後の登校日だ。
地震が起き、不幸が始まったとき、生徒たちはちょうど掃除をしていた。
すべてが止まり、それで町も死んだ。

恐れを知らずマスクもつけない写真家のアレックは、それをすでに知っている。
自分の長期プロジェクト「チェルノブイリ30年、フクシマ5年」で追い続けてきたテーマだからだ。
彼はすでに立ち入り禁止区域を二箇所知っているのだ。
「ウクライナの住民と比べ、日本の方たちは意志が強く闘志があります」
「彼らはあきらめない、そこがチェルノブイリの人たちとは違います」
「彼らは強制立ち退きされてから、二度と戻りませんでした」
「ここでは除染をしようとし、努力を続けています」

しかし、ここではあらゆる試みが無に帰している。
日本政府はそれでもどんな代償を払っても、自分たちにも世界にも証明しようとしている。
原発最悪事故も掌握することができると。
それで、国内での原発再稼動が、正当化できると見なしているのだ。

真実はしかし、違う容貌を見せている。
深い傷跡
そして法的な責任追及も、始まったばかりだ。
東電元会長ら三人がやっと強制起訴されたところである。
大津波発生が予測されていたのに、故意的に、過失で無視した疑いだ。
コストを優先させる理由で。

こちら側から原発に近づくことができるのは、実はとても不思議なことです。
これまでは許されてこなかったことです。
ただ忘れてならないのは、グリンピースの発表ではいまだに、毎日100トンあまりの汚染水が海に流出しているということ。
それからこの原発廃墟が完全に解体されるまで、30年から40年はかかる。
専門家によっては百年かかると言っている人もいることです。
百年で1億個のフレコンバッグ、というのが予測だ。

富岡ではこれが焼却されることになった。
しかし、今度津波が起きたら、これらの袋はどうなるのだろうか。
放射能で汚染された燃えカスを、どこにやればいいというのだろうか。
どの解決方法もまた新たな問題を生む。
それも2011年3月11日に残存リスクが、主役となってしまったからだ。
*******************
転載終わり

 日本のメディア(特に大手)は権力の監視というジャーナリズムの使命を忘れてしまっています。自分たちの今のおいしい生活を守ることが最優先ですし、大手メディア自体が原発マフィアの一角を占めているため、福島原発事故関連のニュースを控えています。安倍政権と会食を重ねて懐柔されているマスコミ上層部は特に腐敗がひどいようです。

 おかげで、多くの日本国民は福島原発事故がもたらした現実を忘れつつあります。今回紹介したのは海外メディアの取材映像ですが、日本メディアの体たらくを補うには有効だと思います。

 「反日勢力の陰謀だ!」「福島の人に対するイジメだ。」「不安を煽るな!」「風評被害になる!」、などと反発する人はいると思います。そのエネルギーは、原発マフィアを批判するために使うべきです。殺される側同士でいがみ合ったら、権力側の思うつぼです。彼らは薄笑いを浮かべていることでしょう。

写真(福島原発事故により大量の放射性物質が放出されたが、健康問題は発生しないと安倍総理は断言した。)

出典:原子力村の住民一覧
出典:原子力村の住民一覧

 同じくドイツのテレビ局が編集した下記リンク先の番組もオススメです。是非ご覧ください。

政府のウソにダマされているあなたへ、ドイツの番組「フクシマの嘘」を紹介します。

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政府のウソにダマされているあなたへ、ドイツの番組「フクシマの嘘」を紹介します。

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 福島原発事故やその背景について、これほど重要な情報を30分弱で、しかも、分かりやすくまとめている番組は珍しいです。日本人だけでなく世界中の人に観てもらいたいビデオです。

 上記ビデオを観れない人のために、文字書き起こしを転載します。転載元は、下記のリンクです。

放射能メモ:ドイツZDFテレビ 「フクシマのうそ」書き起こし

転載始め
*********************
我々は放射能から身を守り、警察から外人と見破られないよう防護服を着こんだ。
汚染され、破壊した原発が立っているのは立ち入り禁止区域だ。
そこに連れて行ってくれることになっている男性と落ち合った。
なにが本当にそこで起きているか、彼に見せてもらうためだ。
ナカ・ユキテル氏は原子力分野のエンジニア会社の社長で
もう何十年間も原発サイトに出向いて働いてきた。
フクシマでも、だ。
私たちは見破られず、無事チェックポイントを通過した。
作業員たちが作業を終え、原発から戻ってきたところだった。
3月11日に起こったことは、これから日本が遭遇するかもしれぬことの
前兆に過ぎないのかもしれないことが次第にわかってきた。
そしてその危険を理解するには、過去を理解することが必要だ。

(タイトル) フクシマの嘘
(監督) ヨハネス・ハノ

私たちは立ち入り禁止区域の中、事故の起きた原発から約7キロ離れたところにいる。
ナカ氏はここで生活をし福島第一とフクシマノ第二の間を股にかけて仕事をしてきた。
ナカ氏と彼の部下は、何年も前から原発の安全性における重大な欠陥について注意を喚起してきた。
しかし、誰も耳を貸そうとしなかった。

(ナカ氏)
私の話を聞いてくれた人はほんのわずかな有識者だけで
その人たちの言うことなど誰も本気にしません。
日本ではその影響力の強いグループを呼ぶ名前があります。
原子力ムラ、というのです。
彼らの哲学は、経済性優先です。
この原子力ムラは東電、政府、そして大学の学者たちでできています。
彼らが重要な決定をすべて下すのです。

私たちは東京で菅直人と独占インタビューした。
彼は事故当時首相で、第二次世界大戦以来初の危機に遭遇した日本をリードしなければならなかった。
彼は唖然とするような内容を次々に語った、たとえば
首相の彼にさえ事実を知らせなかったネットワークが存在することを。
マスメディアでは彼に対する嘘がばらまかれ彼は辞任に追い込まれた。
彼が原子力ムラに対抗しようとしたからである。

(菅前首相)
最大の問題点は、3月11日が起こるずっと前にしておかなければいけないものがあったのに、何もしなかったことです。
原発事故を起こした引き金は津波だったかもしれないが当然しておくべき対策をしなかったことが問題なのです。
この過失は責任者にあります。
つまり、必要であったことをしなかった、という責任です。

では原発事故の原因は地震と津波ではなかったのか?
原子力ムラの足跡を辿っていくと、嘘、仲間意識と犯罪的エネルギーの網の目に遭遇する。
調査は2つの大陸にまたがった。
まずカリフォルニアに飛んだ。
目的地はサン・フランシスコである。
私たちはある男性と話を聞く約束をしていた。
彼は長年原子炉のメンテナンスの仕事でフクシマにも何度も来ており
かなり深刻なミスや事故を東電が隠蔽するのに遭遇した。
フクシマの第1号原子炉は70年代初めにアメリカのジェネラルエレクトリック社が建設し
それ以来アメリカのエンジニアが点検を行ってきた。
そしてフクシマでは何度も問題があった。

(ハーノ記者)
東電は、点検後、なにをあなたに求めたのですか?

(スガオカ氏)
亀裂を発見した後、彼らが私に言いたかったことは簡単です。
つまり、黙れ、ですよ。
何も話すな、黙ってろ、というわけです。

問題があるなど許されない
日本の原発に問題など想定されていない
アメリカのエンジニア、ケイ・スガオカ氏も
それを変えようとすることは許されなかった。

(スガオカ氏)
1989年のことです、蒸気乾燥機でビデオ点検をしていて
そこで今まで見たこともないほど大きい亀裂を発見しました。

スガオカ氏と同僚が発見したのは、それだけではない。

(スガオカ氏)
原子炉を点検している同僚の目がみるみる大きくなったと思うと彼がこう言いました
蒸気乾燥機の向きが反対に取り付けられているぞ、と。
もともとこの原発の中心部材には重大な欠陥があったのだ。
スガオカ氏は点検の主任だったので
正しく点検を行い処理をする責任があったのだが
彼の報告は、東電の気に入らなかった。
私たちは点検で亀裂を発見しましたが、東電は私たちにビデオでその部分を消すよう注文しました。
報告書も書くな、と言うのです。
私はサインしかさせてもらえませんでした。
私が報告書を書けば、180度反対に付けられている蒸気乾燥機のことも報告するに決まっていると知っていたからです。

(ハーノ記者)
では、嘘の文書を書くよう求めたわけですか?

(スガオカ氏)
そうです、彼らは我々に文書の改ざんを要求しました。

スガオカ氏は仕事を失うのを怖れて、10年間黙秘した。
GE社に解雇されて初めて彼は沈黙を破り日本の担当官庁に告発した。
ところが不思議なことに、告発後何年間もなにも起こらなかった。
日本の原発監督官庁はそれをもみ消そうとしたのだ。
2001年になってやっと、スガオカ氏は「同士」を見つけた。
それも日本のフクシマで、である。
18年間福島県知事を務めた佐藤栄佐久氏は当時の日本の与党、保守的な自民党所属だ。
佐藤氏は古典的政治家で皇太子夫妻の旅に随行したこともある。
始めは彼も、原発は住民になんの危険ももたらさないと確信していた。
それから、その信頼をどんどん失っていった。

(佐藤前知事)
福島県の原発で働く情報提供者から約20通ファックスが届きその中にはスガオカ氏の告発も入っていました。
経産省は、その内部告発の内容を確かめずにこれら密告者の名を東電に明かしました。
それからわかったことは、私も初めは信じられませんでした。
東電は、報告書を改ざんしていたというのです。
それで私は新聞に記事を書きました。
そんなことをしていると、この先必ず大事故が起きる、と。

それでやっと官僚たちもなにもしないわけにはいかなくなり
17基の原発が一時停止に追い込まれた。
調査委員会は、東電が何十年も前から重大な事故を隠蔽し安全点検報告でデータを改ざんしてきたことを明らかにした。
それどころか、フクシマでは30年も臨界事故を隠してきたという。
社長・幹部は辞任に追い込まれ、社員は懲戒を受けたが皆新しいポストをもらい、誰も起訴されなかった。
一番の責任者であった勝俣恒久氏は代表取締役に任命された。
彼らは佐藤氏に報告書の改ざんに対し謝罪したが佐藤氏は安心できず、原発がどんどん建設されることを懸念した。
そこで佐藤氏は日本の原発政策という「暗黙のルール」に違反してしまった。
2004年に復讐が始まった。

(佐藤前知事)
12月に不正な土地取引の疑いがあるという記事が新聞に載りました。
この記事を書いたのは本来は原発政策担当の記者でした。
この疑惑は、完全にでっち上げでした。
弟が逮捕され、首相官邸担当の検察官が一時的に福島に送られて検事を務めていた。
彼の名はノリモトという名で
遅かれ早かれ、お前の兄の知事を抹殺してやる、と弟に言ったそうです。
事態は更に進み、県庁で働く200人の職員に圧力がかかり始めました。
少し私の悪口を言うだけでいいから、と。
中には2、3人、圧力に耐え切れずに自殺をする者さえ出ました。
私の下で働いていたある部長は、いまだ意識不明のままです。

それで、同僚や友人を守るため、佐藤氏は辞任した。
裁判で彼の無罪は確定されるが
しかし沈黙を破ろうとした「邪魔者」はこうして消された。
これが、日本の社会を牛耳る大きなグループの復讐だった。
そしてこれこそ、日本で原子力ムラと呼ばれるグループである。

(菅前首相)
ここ10~20年の間、ことに原子力の危険を訴える人間に対する
あらゆる形での圧力が非常に増えています。
大学の研究者が原発には危険が伴うなどとでも言おうものなら出世のチャンスは絶対に回ってきません。
政治家はあらゆる援助を電力会社などから受けています。
しかし、彼らが原発の危険性などを問題にすれば、そうした援助はすぐに受けられなくなります。
反対に、原発を推進すれば、多額の献金が入り込みます。
それは文化に関しても同じでスポーツやマスコミも含みます。
このように網の目が細かく張りめぐらされて原発に対する批判がまったくなされない環境が作り上げられてしまいました。
ですから原子力ムラというのは決して小さい領域ではなくて国全体にはびこる問題なのです。
誰もが、この原子力ムラに閉じ込められているのです。

東電から献金を受け取っている100人以上の議員に菅首相は立ち向かった。
その中には前の首相もいる。やはり彼と同じ政党所属だ。
ネットワークは思う以上に大きい。
多くの官僚は定年退職すると、電事業関連の会社に再就職する。
1962年以来東電の副社長のポストは原発の監査を行うエネルギー庁のトップ官僚の指定席だ。
これを日本では天下り、と呼んでいる。
しかし反対の例もある。
東電副社長だった加納時男氏は当時与党だった自民党に入党し12年間、日本のエネルギー政策を担当し
それからまた東電に戻った。
このネットワークについて衆議院議員の河野太郎氏と話した。
河野氏の家族は代々政治家で彼の父も外相を務めた。
彼は、第二次世界大戦後日本を約60年間に渡り支配した自民党に所属している。
原発をあれだけ政策として推進してきたのは自民党である。

(河野議員)
誰も、日本で原発事故など起こるはずがない、と言い続けてきました。
だから、万が一のことがあったらどうすべきか、という準備も一切してこなかったのです。
それだけでなく、原発を立地する地方の行政にも危険に対する情報をなにひとつ与えてこなかった。
いつでも、お前たちはなにも心配しなくていい
万が一のことなど起こるはずがないのだから、と。
彼らはずっとこの幻想をばらまき事実を歪曲してきた
そして今やっと、すべて嘘だったことを認めざるを得なくなったのです。

この雰囲気が2011年3月11日に壊れた。
日本がこれまでに遭遇したことのない大事故が起きてからだ。
14時46分に日本をこれまで最大規模の地震が襲った。
マグニチュード9だった。
しかし、地震は太平洋沖で始まったその後のホラーの引き金に過ぎなかった。
時速数百キロという激しい波が津波となって日本の東部沿岸を襲った。
津波は場所によっては30メートルの高さがあり町や村をのみこみ消滅させてしまった。
約2万人の人がこの津波で命を失った。
そして福島第一にも津波が押し寄せた。
ここの防波堤は6メートルしかなかった。
津波の警告を本気にせず処置を取らなかった東電や原発を監査する当局は
警告を無視しただけでなく、立地場所すら変更していたのだ。

(菅前首相)
もともとは、原発は35mの高さに建てられる予定でした。
しかし標高10mの位置で掘削整地しそこに原発を建設したのです。
低いところの方が冷却に必要な海水をくみ上げやすいという理由で。
東電がはっきり、この方が経済的に効率が高いと書いています。

巨大な津波が、地震で損傷を受けた福島第一を完全ノックアウトした。
まず電源が切れ、それから非常用発電機が津波で流されてしまった。
あまりに低い場所に置いてあったからである。
電気がなければ原子炉冷却はできない。

(菅前首相)
法律ではどの原発もオフサイトサンターを用意することが義務付けられています。
福島第一ではその電源センターが原発から5キロ離れたところにあります。
これは津波の後、1分と機能しなかった。
それは職員が地震があったために、そこにすぐたどりつけなかったからです。
それで電源は失われたままでした。
こうして送電に必要な器具はすべて作動しませんでした。
つまりオフサイトサンターは、本当の非常時になんの機能も果たさなかったということです。
法律では原発事故と地震が同時に起こるということすら想定していなかったのです。

菅直人はこの時、原発で起こりつつある非常事態について、ほとんど情報を得ていなかった。
首相である彼は、テレビの報道で初めて、福島第一で爆発があったことを知ることになる。

(菅前首相)
東電からは、その事故の報道があって1時間以上経ってもなにが原因でどういう爆発があったのかという説明が一切なかった。
あの状況では確かに詳しく究明することは難しかったのかもしれないが、
それでも東電は状況を判断し、それを説明しなければいけなかったはずです。
しかし、それを彼らは充分に努力しませんでした。

2011年3月15日、災害から4日経ってもまだ
東電と保安院は事故の危険を過小評価し続けていた。
しかし東電は菅首相に内密で会い、職員を福島第一から撤退させてもいいか打診した。
今撤退させなければ、全員死ぬことになる、というのだ。

(菅前首相)
それで私はまず東電の社長に来てもらい、撤退はぜったい認められない、と伝えた。
誰もいなくなればメルトダウンが起き、そうすれば莫大な量の放射能が大気に出ることになってしまう。
そうなってしまえば広大な土地が住めない状態になってしまいます。

菅は初めから東電を信用できず、自分の目で確かめるためヘリコプターで視察した。
しかし首相である彼にも当時伝えられていなかったことは、フクシマの3つの原子炉ですでにメルトダウンが起きていたということだ。
それも災害の起きた3月11日の夜にすでに。

(菅前首相)
東電の報告にも、東電を監査していた保安院の報告にも、燃料棒が損傷しているとかメルトダウンに至ったなどということは一言も書かれていなかった。
3月15日には、そのような状況にはまだ至っていないという報告が私に上がっていました。

事故からほぼ1年が経った東京。
世界中であらゆる専門家が予想していたメルトダウンの事実を東電が認めるまでなぜ2ヶ月も要したのか、私たちは聞こうと思った。
自然災害が起きてからすぐにこの原発の大事故は起きていたのである。

(ハーノ記者)
「原子炉1号機、2号機そして3号機でメルトダウンになったことを、東電はいつ知ったのですか」

(東電・松本氏)
「私どもは目で見るわけにはいきませんが、上がってきましたデータをもとに事態を推定し燃料棒が溶けおそらく圧力容器の底に溜まっているだろう、という認識に達したのは5月の初めでした。」

膨大なデータに身を隠そうとする態度は今日も変わらない。
東電は、毎日行う記者会見でこれらのデータを見せながら、事態はコントロール下にあると言い続けている。
しかしこれらのデータの中には、本当に責任者たちはなにをしているのかわかっているか、疑いたくなるような情報がある。
たとえばスポークスマンはついでのことのように、放射能で汚染された冷却水が「消えてしまった」と説明した。 
理由は、原発施設ではびこる雑草でホースが穴だらけになっているという。

(ハーノ記者)
「放射能で汚染された水を運ぶホースが
雑草で穴が開くような材料でできているというのですか?」

(東電・松本氏)
「草地に配管するのは私たちも初めてのことですが、穴があくなどのことについては知見が不十分だったと思っています。」

しかし原発の廃墟をさらに危険にしているのは雑草だけではない。
私たちは富岡町に向かった。
ゴーストタウンだ。
原発廃墟の福島第一から7キロのところにある。
私たちはナカ氏に便乗した。
彼のような住民は、個人的なものをとりに行くためだけに短時間だけ帰ることが許されている。
彼は、地震に見舞われた状態のまま放り出された会社を見せてくれた。
今では放射能のため、ここに暮らすことはできない。

(ナカ氏)
この木造の建物はとても快適でした。
とても静かで、夏は涼しく、冬は暖かかった。
私たちは皆ここで幸せに暮らしていました。

80人の原発専門のエンジニアが彼のもとで働いており
原発事故後も、事故をできるだけ早く収束しようと努力している。
ナカ氏と彼の社員は、原発廃墟で今本当になにが起きているのか知っている。

(ナカ氏)
私たちの最大の不安は、近い将来、廃墟の原発で働いてくれる専門家がいなくなってしまうことです。
あそこで働く者は誰でも、大量の放射能を浴びています。
どこから充分な数の専門家を集めればいいか、わかりません。

しかし、まだ被爆していない原発の専門家を集めなければ事故を収束するのは不可能だ。
例えこれから40年間、充分な専門家を集められたとしても、日本も世界も変えてしまうことになるかもしれない一つの問題が残る

(ハーノ記者)
今原発は安全なのですか?

(ナカ氏)
そう東電と政府は言っていますが
働いている職員はそんなことは思っていません。とても危険な状態です。
私が一番心配しているのは4号機です。
この建物は地震でかなり損傷しているだけでなく、この4階にある使用済み燃料プールには約1300の使用済み燃料が冷却されています。
その上の階には新しい燃料棒が保管されていて、非常に重い機械類が置いてあります。
なにもかもとても重いのです。もう一度大地震が来れば建物は崩壊してしまうはずです。
そういうことになれば、また新たな臨界が起こるでしょう。

このような臨界が青空の下で起これば、日本にとって致命的なものとなるだろう。
放射能はすぐに致死量に達し、原発サイトで働くことは不可能となる。
そうすれば高い確率で第1、2、3、 5、 6号機もすべてが抑制できなくなり、まさにこの世の終わりとなってしまうだろう。
東京で著名な地震学者の島村英紀氏に会った。
2月に東大地震研が地震予知を発表したが、それによれば75%の確率で4年以内に首都を直下型地震が襲うと予測されている。

(ハーノ記者)
このような地震があった場合に原発が壊滅して確率はどのくらいだとお考えですか?

(島村教授)
-はい、とても確率は高いです。

(ハーノ記者) 
-どうしてですか?

(島村教授)
計測している地震揺れ速度が、これまでの予測よりずっと速まってきています。
私たちはここ数年千以上の特別測定器を配置して調査してきましたが
それで想像以上に地震波が強まり、速度も増していることがわかったのです。

これは日本の建築物にとって大変な意味を持つだけでなく、原発にとっても重大な問題となることを島村氏は説明する。

(島村教授)
これが原発の設計計算です。
将来加速度300~450ガルの地震が来ることを想定しています。
そして高確率で発生しないだろう地震として600ガルまでを想定していますが
この大きさに耐えられる設計は原子炉の格納容器だけで
原発のほかの構造はそれだけの耐震設計がされていないのです。
しかし私たちの調査では、最近の地震の加速度がなんと4000ガルまで達したことがわかっています。
想定されている値よりずっと高いのです。

(ハーノ記者) 
電気会社は、それを知って増強をしなかったのですか?

(島村教授)
今のところ何もしていません、不十分であることは確かです。
これだけの地震に耐えられるだけの設計をしようなどというのは、ほとんど不可能でしょう。

ここは原発廃墟から60キロ離れた場所だ。
フクシマ災害対策本部では東電、保安院、福島県庁が共同で原発の地獄の炎を鎮火するための闘いの調整をはかっている。
私たちは東電の災害対策部責任者にインタビューした。
ことに彼に訊きたいのはどうやって今後これだけ損傷している原発を大地震から守るつもりなのか、ということだ。
ことに、危ぶまれている4号機について訊いた。

(東電・白井氏)
4号機の使用済み燃料プールには夥しい量の使用済み燃料が入っています。
これをすべて安全に保つためには、燃料プールの増強が必要です。
燃料プールのある階の真下に、新しい梁をつけました。

(ハーノ記者) 
原発はほとんど破壊したといってもいいわけですが
原発が健在だった1年前ですら大地震に耐えられなかった構造で
どうやって次の地震に備えるつもりなのでしょうか?

(東電・白井氏)
我々は耐震調査を4号機に限らず全体で行いました。
その結果、問題ないという判断が出ています。

(ハーノ記者) 
でも地震学者たちは4000ガルまでの地震加速度が測定されていて、これだけの地震に耐えられるだけの原発構造はないと言っています。
半壊状態のフクシマの原発の真下でそのような地震が来ても全壊することはないと、なぜ確信がもてるのですか?

(東電・白井氏)
その4000ガルという計算は別の調査ではないでしょうか。
それに関しては、私は何とも言いかねます。

(ハーノ記者) 
原発を日本で稼動させるだけの心構えが、東電にできているとお考えですか?

(東電・白井氏)
それは答えるのが難しいですね。

(ナカ氏)
これがやってきたことの結果です。
この結果を人類はちゃんと知るべきだと思います。
一緒に未来の政策をつくっていくことができるように
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*********************
転載終わり

注釈)
 東京電力は2014年12月20日、福島第1原子力発電所4号機の使用済み核燃料プールから、全ての核燃料を取り出す作業を終えたと発表しました。重要工程の一つが完了しましたが、放射線量の高い1~3号機からの核燃料取り出しはについては目途が立っていません。

最後に:
 本記事の拡散を是非ともお願い致します。同じ間違いを人類がこれ以上繰り返さないために、ご協力をお願いします。

以上

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放射線の健康被害を防ぎたいなら、この国連報告が役立つでしょう。政府が聞きたくない忠告を紹介。

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 福島原発事故が発生して、すでに6年近くが経過し、事故の深刻さが報道されることはほとんど無くなった。もう事故は収束したのだから安心だと言わんばかりである。そればかりか、原発事故そのものも風化し、人々の記憶から消えつつある。しかし実際には、福島原発からは毎日大量の放射性物質が環境中に漏れ続けており、収束の目途は全く立っていない。東日本を中心に大量にばらまかれた放射性物質は人々の健康を確実に蝕んでいる。

写真(放射性セシウムによる土壌汚染) 出典:IPPNW-Report “Health consequences resulting from Fukushima Update 2015”

 福島原発事故以前は、放射線による被ばく限度は年間1ミリシーベルトであった(外部被ばく)。しかし事故後は、緊急時のみに適用される年間20ミリシーベルトに引き上げられ、それが今日まで続いている。原子力緊急事態宣言が2011年3月に発令され、それが今日まで解除されずに継続中だからこそ可能な施策なのだ。

 日本政府は今後も原子力緊急事態宣言を継続し、ずっと年間20ミリシーベルト基準を維持したいようだ。なぜか?基準を年間1ミリシーベルトにした場合よりも避難対象地域を大幅に狭めることができるからだ。対象地域を縮小できれば避難者数も少なくでき、賠償金や支援金を節約できる。(年間1ミリシーベルト以下をキチンと守っていたら、強制的に数百万人を避難させなければならない。)

 年間20ミリシーベルトを超える地域の住民に対しては避難指示が出された。そして、年間20ミリシーベルト以下の地域の住民たちも自主的に避難する者が続出した。政府の言うことを信用せず、健康被害を避けることを最優先にして勇気ある判断をした人たちだ。これら原発避難者たちは10万人以上といわれているが、正確な数はつかめていない。

 2015年の春以降に安倍政権は、「復興加速化」「自立」を前面に打ち出し、避難の終了を避難者に対して迫っている。「帰還困難地域」(年間50ミリシーベルト超、事故後6年が経過しても年間20ミリシーベルトを下回らない恐れがある地域)を除いて、2017年3月までに避難指示を解除する方針だ。福島県も2017年3月までに、自主避難者への住宅提供を打ち切る方針を示した。生活を支えるための金銭的支援は不十分極まりないのだが、それすら撤廃・縮小されるのだ。「放射能の線量が高くても元の住居に戻れ。避難場所に留まりたいならば支援はしない。自己責任だ。」というメッセージである。

写真(福島復興・避難指示解除のニュース) 出典:FNN

 言うまでもなく、これら安倍政権の政策は「健康を享受する権利」を侵害している。

 2011年3月に福島原発事故が発生したが、2012年11月15日~26日、国連人権理事会特別報告者アナンド・グローバー氏が来日し、調査報告をしたことをご存じだろうか?以下のビデオをご覧頂きたい。

 この報告の中で、アナンド・グローバー氏は、東日本大震災以降、被災者たちの「健康を享受する権利」が守られていないことを指摘し、日本政府に対策を要請している。

 以下に、ビデオ字幕の書き起こしを記す。書き起こしは次のリンク先から引用している。

<会見前半>「日本政府に要請します…」国連人権理事会特別報告者 アナンド・グローバー 氏会見11/26(内容書き出し)

引用始め
***********************
原発事故の直後には、放射性ヨウ素の取り込みを防止して甲状腺がんのリスクを低減するために、被ばくした近隣住民の方々に安定ヨウ素剤を配布する、というのが常套手段です。
私は、日本政府が被害に遭われた住民の方々に安定ヨウ素剤に関する指示を出さず、配布もしなかったことを残念に思います。
にもかかわらず、一部の市町村は独自にケースバイケースで安定ヨウ素剤を配布しました。

災害、なかでも原発事故のような人災が発生した場合、政府の信頼性が問われます。
従って、政府が正確な情報を提供して、住民を汚染地域から避難させることが極めて重要です。
しかし、残念ながらSPEEDIによる放射線量の情報、および放射性プルームの動きが直ちに公表されることはありませんでした。
さらに避難対象区域は、実際の放射線量ではなく、災害現場からの距離および放射性プルームの到着範囲にもとづいて設定されました。
従って、当初の避難区域はホットスポットを無視したものでした。
これに加えて、日本政府は避難区域の指定に年間20ミリシーベルトという基準値を使用しました。
これは、年間20ミリシーベルトまでの実行線量は安全であるという形で伝えられました。

また、学校で配布された副読本などのさまざまな政府刊行物において、「年間100ミリシーベルト以下の放射線被ばくが、癌に直接的につながるリスクがあることを示す明確な証拠はない」と発表することで状況はさらに悪化したのです。

年間20ミリシーベルトという基準値は、1972年に定められた原子力業界安全規制の数字と大きな差があります。
原子力発電所の作業従事者の被ばく限度(管理区域内)は「年間20ミリシーベルト、5年間で累計100ミリシーベルトを超えてはならない」と法律に定められています。
3カ月間で放射線量が1.3ミリシーベルトに達する管理区域への一般市民の立ち入りは禁じられており、作業員は当該地域での飲食、睡眠も禁止されています。
また、被ばく値が年間2ミリシーベルトを超える管理区域への妊婦の立ち入りも禁じられています。

ここで思い出していただきたいのは、チェルノブイリ事故のあった際、強制移住の基準値は土壌汚染レベルとは別に、年間5ミリシーベルト以上であったという点です。
また、多くの疫学研究において、年間100ミリシーベルトを下回る低線量放射線でも、癌、その他の疾患が発生する可能性があるという指摘がなされています。
研究によれば、疾患の発症に下限となる放射線基準値はないのです。

残念ながら、政府が政策で定めた現行の限界線量と、国内の業界安全規制で定められた限界線量、チェルノブイリ事故時に用いられた放射線量の限界値、そして、疫学研究の知見との間には一貫性がありません。
これが多くの地元住民の間に混乱を招き、政府発表のデータや方針に対する疑念が高まることに繋がっているのです。
これに輪をかけて、放射線モニタリングステーションが、監視区域に近接する区域のさまざまな放射線量レベルを反映していないという事実が挙げられます。
その結果、地元住民の方々は、自分たちの放射線量をモニタリングするために近隣地域の放射線量のモニタリングを自ら行っているという状況にあります。

訪問中、私はそうした差異を示す多くのデータを見せてもらいました。
こうした状況において、私は日本政府に対して、住民が測定したものも含め、すべての有効な独立データを取り入れ公にする事を要請いたします。

健康を享受する権利に照らして、日本政府は全体的かつ包括的なスクリーニングを通じて、放射線汚染区域における放射線による健康への影響をモニタリングし、適切な処置を取るべきです。
この点に関しては、日本政府はすでに健康管理調査を実施しています。
ただし、同調査の対象は、福島県民、および事故発生時に福島県にいた人々に限られています。
そこで私は日本政府に対して、健康調査を放射線汚染地域全体において実施することを要請しいたます。
これに関連して、福島県の健康管理調査の質問回答率は僅か23%余りと、大変低い数値でした。

また、健康管理調査は子どもを対象とした甲状腺検査、全体的な健康診査、メンタル面や生活習慣に関する調査、妊産婦に関する調査に限られています。
残念ながら、調査範囲が狭いのです。

これは、チェルノブイリ事故の教訓を十分活用しておらず、また、低線量放射線地域、たとえば年間100ミリシーベルトを下回る地域でさえも、癌その他の疾患の可能性があることを指摘する疫学研究を無視しているためです。
健康を享受する権利の枠組みにしたがい、日本政府に対して慎重に慎重を重ねた対応を取ること、また、包括的な調査を実施し、長時間かけて内部被ばくの調査とモニタリングを行うよう推奨いたします。

自分の子どもが甲状腺検査を受け、基準値を下回る程度の大きさののう胞や結節の疑いがあるという診断を受けた住民からの報告に、私は懸念を抱いています。

検査後、ご両親は二次検査を受ける事も出来ず、要求しても診断書も受け取れませんでした。
事実上、自分たちの医療記録にアクセスする権利を否定されたのです。
残念なことにこれらの文書を入手するためには、煩雑な情報公開請求の手続きが必要なのです。

政府は原子力発電所作業員の放射線による影響のモニタリングについても、特に注意を払う必要があります。
一部の作業員は、極めて高濃度の放射線に被曝していました。
何重もの下請け会社を介在して、大量の派遣作業員を雇用しているという事を知り心が痛みました。

その多くが短期雇用で、雇用契約終了後に長期的な健康モニタリングが行われることはありません。
日本政府に対してこの点に目を背けることなく、放射線に被ばくした作業員全員に対してモニタリングや治療を施すよう要請いたします。

日本政府は避難者の方々に対して、一時避難所あるいは仮設住宅を用意しています。
しかし、住民の方々によれば、避難所は障害者向けにバリアフリー環境が整っておらず、また、女性や小さな子どもが利用することに配慮したものでもありませんでした。

悲しい事に、原発事故発生後に住民の方々が避難した際、家族が別々にならなければならず、
夫と妻、夫と母と子ども、およびお年寄りが離れ離れになってしまう事態に繋がりました。
これが、互いの不調和、不和を招き、離婚に至るケースすらありました。
苦しみや精神面での不安につながったのです。
日本政府はこれらの重要な課題を早急に解決しなければなりません。

食品の放射線汚染は長期的な問題です。
日本政府が食品安全基準値を1kgあたり500ベクレルから100ベクレルに引き下げたことは称賛に値します。
しかし、各県ではこれよりも低い水準値を設定しております。
さらに住民はこの基準の導入について不安を募らせています。
日本政府は早急に食品安全の施行を強化すべきです。

また、日本政府は土壌汚染への対応を進めています。
長期的目標として、汚染レベルが年間20ミリシーベルト未満の地域の放射線レベルは1ミリシーベルトまで引き下げる。
また、年間20~50ミリシーベルトの地域については
2013年末までに年間20ミリシーベルト未満に引き下げる、という具体的政策目標を掲げています。

ただ、ここでも残念なのは、現在の放射線レベルが年間20ミリシーベルト未満の地域で年間1ミリシーベルトまで引き下げるという目標について、具体的なスケジュールが決まっていないという点です。
さらに、他の地域については、汚染除去レベル目標は年間1ミリシーベルトを大きく上回る数値に設定されています。

住民は、安全で健康的な環境で暮らす権利があります。
したがって、日本政府に対して他の地域について、放射線レベルを年間1ミリシーベルトに引き下げる明確なスケジュール、指標、ベンチマークを定めた除染計画を導入することを要請いたします。

汚染除去の実施に際しては、専用の作業員を雇用し、作業員の手で実施される予定であるということを知り、安心いたしました。
しかし、一部の除染作業が住民自身の手で、しかも適切な設備や放射線被ばくに伴う悪影響に関する情報もなく行われているのは残念なことです。

また日本政府は、全ての避難者に対して経済的支援や補助金を継続、または復活させ、避難するのかそれとも自宅に戻るのか、どちらを希望するか、避難者が自分の意思で判断できるようにするべきです。
これは日本政府の計画に対する避難者の信頼構築にもつながります。

訪問中多くの人々が、東京電力は原発事故の責任に対する説明義務を果たしていないことへの懸念を表明されました。
日本政府が東京電力の株の大多数を所有していること、これは突き詰めれば納税者がつけを払わされる可能性があるということです。
健康を享受する権利の枠組みに於いては、法的な責任を免れない行為をした関係者に対し説明責任を定めています。
従って日本政府は、東京電力も説明責任があることを明確にし、納税者が最終的な責任を負わされることのないようにしなければなりません。

訪問中、被害にあわれた住民の方々、特に障害者、若い母親、妊婦、子ども、お年寄りなどの方々から、「自分たちに影響が及ぶ決定に対して発言権がない」という言葉を耳にしました。
健康を享受する権利の枠組みに於いては、地域に影響が及ぶ決定に際して、そうした影響が及ぶ全てのコミュニティが決定プロセスに参加するよう国に求めています。
つまり、今回被害に遭われた人々は、意思決定過程はもちろん、実行、モニタリング、説明責任プロセスにも参加する必要があるということです。
こうした参加を通じて、決定事項が全体に伝わるだけではなく、被害に受けたコミュニティの人々の政府に対する信頼強化にもつながるのです。
これは政府が、効率的に災害からの復興を成し遂げるためにも必要であると思われます。

日本政府に対して、被害に遭われた人々、特に社会的弱者が、すべての意思決定過程に十分に参加できるよう要請いたします。
こうしたプロセスには、健康調査、避難所、除染のあり方などに関する意思決定への参加が挙げられます。

この点から、「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」が2012年6月に制定されたことを歓迎します。
この法律は原子力事故により影響を受けた人々の支援及びケアに関する枠組みを定めたものです。
同法はまだ実行に移されていません。
私は日本政府に対して同法を早急に施行する方策を講じることを要請いたします。
日本政府にとって、社会的弱者を含め被害を受けた地域が十分に参加する形で、
基本方針や関連規制の枠組みを定めるよい機会になるでしょう。
***********************
引用終わり

 安倍政権や御用マスコミによる情報隠ぺいに慣らされている人たちは、グローバー氏の報告内容を「風評被害だ」という常套句で非難するかもしれない。原発マフィアたちのブラックプロパガンダは強力だからやむを得ない面もある。しかし、思考停止を免れ、グローバー氏の忠告を理解できる知性を持っている人ならば、事態の深刻さをなるべく多くの人に広めて頂きたいと思う。

以上

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地震大国日本は、高レベル放射性廃棄物を10万年以上管理することができるのか?

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 原子力発電所から生み出される大量の核のゴミをどのように処分すればいいのか?特に、高レベル放射性廃棄物の最終処分方法は頭の痛い問題です。10万年先までどのように責任を持てばいいのでしょうか?今回は、この問題を扱ったYouTubeビデオを紹介します。

2011年8月2日、読売テレビ「かんさい情報ネットTen!」

以下、書き起こしです。

書き起こし
********************
司会者:
「行き場のない核のゴミ。原発の根本的な問題に迫ります。これは、東京電力が今日公開した、福島第一原発の写真です。この赤い部分で、測定できる上限の値、1時間当たり1万ミリシーベルトを超えています。これは、直接被ばくすると死亡するという数字なんですが、これと同じレベルの放射能を出し続けているものがあります。
原発を動かせば必ず出る核のゴミ。その行方を追いました。」

ナレーター:
「京都大学原子炉実験所。小出裕章助教が調べているのは、放射能に汚染された福島の土だ。」

小出氏:
「これは、福島県の避難地域でもなんでもないですよ。要するに普通に人々が住んでいる土地の土ですけれども。私なんかが普段、計っている放射能に比べれば遥かに高いです。」

小出氏:
「セシウム134と137があるな、ということがすぐわかります。」

ナレーター:
「原子力の研究者だからこそ、その危険性を熟知する小出氏。20年以上も前から原発が生み出す核のゴミの問題を訴え続けてきた。」

小出氏:
「原子力というものを使ってしまうと、放射性廃物が、いやおうなく、できてしまうということは分かっている。そしてそれに対して自然に浄化作用がないということも、わかっている。まあ昔から原子力発電というのは、トイレのないマンションだと言われてきたわけですね。」

写真(小出裕章氏)

ナレーター:
「(福島原発事故が起こった)あの日、原発の安全神話は崩壊した。爆発とともにまき散らされた放射性物質で、周辺のガレキや土壌は汚染され、今も放置されたままだ。取り除くのが難しい放射能。
では、そもそも各地の原発で使われた使用済み核燃料等、汚染された核のゴミを、国はどう処理してきたのだろうか?」

レポーター:
「こちらが(青森県)六ヶ所村にある原子力関連施設です。出入り口には、厳しい警備が引かれています。」

ナレーター:
「甲子園球場70個分の広大な敷地。全国の原発で出た使用済み核燃料が集められる、いわば核のゴミ置き場だ。
実は地震の際、この施設も一時電源を失った。幸い、非常用電源が働いたが、万が一事故が起きれば、その影響は計り知れない。
さらに問題なのが、使用済み核燃料から取り出される物質だ。それが、高レベル放射性廃棄物。」

ナレーター:
「ウラン鉱山から取り出され精製された核燃料は、原発で使用される。使用済み燃料はフランスやイギリスの再処理施設に運ばれ、まだ使用できるウランなどが取り出されて、再び発電に使われる。再処理の際に、使えないゴミとして出てくるのが、高レベル放射性廃棄物だ。」

図(核燃料の流れ)

(質問:今保管されてるとはいえ、高レベル放射性廃棄物に人間が近づくということは?)
小出氏:
「もちろん出来ません。すぐに死んでしまうというほどの、ものすごい放射能の塊です。」

ナレーター:
「六ヶ所村には、1年に数回、高レベル放射性廃棄物が運び込まれる。その量はすでに700トンを超えているが、行き先が決らないまま、国との取り決めで一時保管されているのが現状なのだ。」

小出氏:
「とりあえず50年間、とっておこうという形で保存されています。では、そのゴミは一体どうするのかというと、10万年あるいは100万年にわたって、生命環境から隔離を続けなければいけないというもの、なのですね。」

ナレーター:
「なぜ、行き先が無いのか?それは、国が原発の建設を進める一方で、処分方法に関する議論を後回しにしてきたためだ。
これは、1975年に国が公表した原子力白書。原発の稼働から10年経ってもなお、最終的な処分方法を決めかねていたことが読み取れる。
1980年代、原子炉の設計をしていた技術者は、当時のことをこう語る。」

元原子炉設計士の後藤政志博士:
「とりあえず放っておこう。考えたくない。正直言うと、考えないで来ている。皆、お互いに。ちょっと後にしようよ、その件は。で、保管してドンドン増えてきて、どうしようどうしよう、となった。だから、原子力に関していうと、元々、入り口からして成立していないんですよ。「トイレのないマンション」と言いますけれど、そのまま来ちゃってるんですよ。」

ナレーター:
「2000年、国はようやく、処分方法を決定。最終的に、地下300メートルより深い地層へ埋めるという地層処分を法律で決めた。
これは、原子力発電環境整備機構、通称NUMOが作成した地層処分を紹介するビデオ。
NUMOは2000年の設立以降、地層処分を行う施設、いわゆる最終処分場の建設場所を探し続けている。」

ナレーター:
「2007年、高知県東洋町が、全国で初めて処分地に名乗りを上げたが、住民による猛烈な反対運動の末、町長は処分場から手を引いた。
その後、候補地は一つも現れず、処分場が決まる見通しは全く立っていない。」

ナレーター:
「取材班は、岐阜県にある国の研究施設へと向かった。(瑞浪超深地層処分研究所)
ここでは、自治体の許可を得て、試験的に地下に空洞を作り、地層への影響を調べている。
エレベーターに乗り数分、地下300メートルに到着した。」

案内者:
「湿度は、構内は100%です。基本的に地下水が出ますので、湿度はほとんど100%だと思って頂いて結構です。」

ナレーター:
「花崗岩の岩盤をくり抜いて出来た地下空間。周りはコンクリートで固められているが、所々、地下水が溢れ出していた。
国はこうした場所に、高レベル放射性廃棄物を、放射能が漏れ出さないような容器に入れて埋める考えで、安全性についても確立されているとしている。
地下深く埋められた廃棄物は、その後、どのように管理するのか?」

NUMOの広報部長:
「埋め戻して、管理しなくてもいいよという所になって閉鎖ですね。ここまでが大体100年かな。あと管理として300年くらい一応は考えていますが、今のところは100年の予定です。」

質問:
「言葉は悪いかもしれませんけど、放置する段階がいつか来るということですか?」

NUMOの広報部長:
「おっしゃる通りです。」

写真(NUMOの広報部長)

ナレーター:
「放射能が自然と同程度のレベルに戻るまでに、数万年かかるとされる核のゴミ。しかし、国が管理を想定しているのは、わずか100年程度だという。」

小出氏:
「今の技術を以てすれば300メートルの地下に穴を掘って埋めるということは、不可能ではないと思います。しかしやったところで、そこでじっとしていて欲しいと願う期間が10万年とか100万年とかいう期間なのです。そういう長い期間にわたって、そこにじっとしていてくれるということを保証できる科学はないのです。だから私はやってはいけないと・・」

ナレーター:
「想定外との声もある福島での事故。しかしゴミの問題は、原発が生まれた40年前から存在していたにもかかわらず、先送りにされてきた。
そして、今、原発がかかえる根本的な問題から誰も目を背けることはできない。」

小出氏:
「多分一人ひとりのみなさんに、生きて行くということと密接に関係してる事柄だと私は思っていますので、そういう事に多くの人が気付いてくれるなら、廃絶できるだろうと思っています。」

スタジオでの追加説明要点:
(国は交付金をちらつかせて、自治体が、最終処分場の候補地として名乗りを上げるよう画策している。以下略。)
********************
書き起こし終わり

 この番組が放送された2011年当時は民主党政権であり、報道の自由度ランキングが高かったせいで、このような放送をマスコミが流していたのですね。

図(日本の報道の自由度ランキング推移:2017年) 出典:データを基に筆者が作成

 上のビデオを見れば、核のゴミの後始末がいかに深刻な問題か、お解りいただけると思います。日本は地震大国ですから、地層処分は無理ですね。このような現実を目にすると、原発の再稼働や輸出の議論などをする気になれません。論外だと思います。

写真(最大震度マップ) 出典:古地震.net

 福島原発事故後に、安倍政権は原発の再稼働や輸出を推進していますが、間違いなく原発マフィアの一味ですね。後先のことを考えない、目先の利益や享楽に身を投じるだけの堕落した人間性を垣間見る気がします。

 原発から出る核ゴミの後始末は地味なテーマだと思いますが、一人でも多くの人に興味を持ってほしいと思います。

他の関連ビデオリンク:

以上

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原発事故は現地住民の生活をどのように破壊したのか?棄民政策は戦前から続く日本の伝統か?

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 2017年3月31日に、福島原発事故による避難指示が解除された。年間20ミリシーベルト以下の地域であれば帰還してよいということだ。果たして、現地の様子はどうなっているのだろうのか?福島県飯舘村を現地取材した記事を見つけたので、その内容を紹介したい。

ジャパンタイムズの記事リンク
In Fukushima, a land where few return

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写真(除染作業で野積みされた廃棄物が飯舘村の風景を変えてしまった) 出典:KYODO

飯舘村のほとんどの地域で避難指示が解除されたが、人の姿はほとんど見られない。桜が満開でも家の中は空っぽだ。雑草が生い茂り、野生のイノシシの足跡が見られる。すでに別の地に居を構えている場合は帰還せず、古い家は取り壊すケースもある。

除染作業した場所の線量は、2011年の3月に比べかなり低くなっている。しかし、除染していない場所や、できない場所では線量が高いし、天候によって、その値は変動する。

2011年3月の福島原発爆発により放出された放射性物質は風によって流され、3月15日の夜、約45km離れた飯舘村で雨や雪と共に落下した。村民は高線量の中、何も知らずにそこに住み続け、政府が避難命令を出したのは1か月も後のことだった。

写真(飯舘村のモニタリングポスト。避難解除に先立って作られた)出典:KYODO

飯舘村の村長は、2012年の時点で、「5年以内に避難指示を解除し、この村を再生させる。」と村民に約束した。彼は一応、その約束を守ったことになる。新しい運動場、店、そして診療所もあるが、住民の姿は見当たらない。

人口6300人だった飯舘村は、かつて、日本でも有数の美しさを誇っていた。農業や牧畜が盛んだった。しかし、その面影を、現在は見ることができない。地表の多くは除染作業で剥がされ、牛も農家の姿もなく、トラクターは放置されたままだ。学校も空っぽ。唯一人がいるのは、老人ホームくらいだ。

写真(飯舘村にある閑散とした学校) 撮影:DAVID MCNEILL

飯舘村村長の弁:
「村は元通りにはならないだろう。別の方法を考えるしかない。」
「どうなるか分からないが、悲観的になっても始まらない。」
「二度と戻ってこない人たちもいるけど、故郷が無くなった訳じゃない。」

廃村するという選択肢が公の場で話し合われたことはないし、そんなこと言い出せる雰囲気ではない。2011年9月、民主党政権の大臣が「死の街」と発言した直後、辞任に追い込まれたことは記憶に新しい。

2015年9月に避難指示が解除された楢葉町は、除染を行い、新しいショッピングセンター、工場、幼稚園などを作ったものの、元の人口7400人のうち、せいぜい1500人程度しか戻ってこなかった。しかも、ほとんどが老人だ。

飯舘村に話を戻そう。除染費用は一世帯当たり2億円もかけたが、除染範囲は家の周り20メートルだけだ。飯舘村の3/4を占める森林は除染が出来ず、放射性物質が留まったままだ。風が吹けば放射性物質が舞い上がり、住宅地に降り注ぐことは避けられない。

住民の話:
「除染に大金かけても子供たちが戻ってくる訳でもないし、無駄金だよ。」

高濃度汚染地域にあえて住み続け、その結果、免疫系を損なった年配者もいる。子供が住める訳がない。

住民の話:
「かつては、自分たちで育てた野菜や畜産物を交換しながら助け合って暮らしていたが、もう望むべくもない。数百人くらい戻ってくるかもしれないが、老人ばかりだ。若者がいなければ村は存続できない。」

受け取った損害賠償金などを使い、数十キロメートル離れたところに家を買った人も多い。調査によると、帰還する意思がある人は30%にも満たないという。

住民の話:
「現状を考えると、やるせない気持ちになる。本音で話せる人が周りにいない。無理に話し合っても言い争いに終わることが多い。あいつはいくら金をもらったんだ?、みたいなことばかり考えている。欲求不満から他人につらく当たってしまい、そんな自分がイヤになる。」

飯舘村の村長の話
「原発事故以来、怒りと悲しみに暮れる住民と、政府・東電の間に入って調整してきた。政府は除染作業は終わったと言っているが、私としては足りないと思っているし、道路やインフラ整備の資金も必要だ。補償金で暮らす生活も、期間が長くなると抜け出せなくなってしまうので、そろそろ潮時かな。住民の帰還については、強制しているという印象を与えたくない。復興予算を使って、観光を盛んにしたい。避難解除はスタートに過ぎない。放射能の健康への悪影響については、考えは人それぞれだと思う。」

避難解除された地域に住んでいた数千人の住民たちは、来年、補償金の支給が打ち切られる。そのお金で、避難先の生活をしのいできたのだ。

今村前復興大臣の「自己責任」発言は、多くの住民の怒りを買った。お金という弱みを利用して、高線量地域へ強制帰還させる意図を感じたからだ。棄民政策と言ってもよい。

住民の話:
「政府は、原発事故が起こっても乗り越えられるということを示したいんだろう。全国の原発を再稼働するための環境整備だな。」

住民の話:
「村長への信頼は失われている。事故当時、彼は、高線量の数値を何とかして隠そうと躍起になっていたんだ。村長が会合を呼びかけても、参加者はわずかだ。会合を開いたという事実を作るためだけの会合さ。村長は村を救おうとしているが、実際は逆効果になっていると思う。」

写真:汚染土を詰めたフレコンバック(飯舘村)出典:KYODO

***********************

 以上の記事を読んで、どう感じただろうか?私の感想は以下の通り。

・物理的な住環境だけでなく、人とのつながりなど精神面もズタズタにされた。
・放射性物質という目に見えない悪魔は、人々の生活を再起不能にする。
・「避難解除されて良かった、良かった」という、政府とマスコミの演出はウソである。現場に行き、現地の人に直接話を訊かないと、本当のことは分からない。

 次写真のような発言をする政治家に対して、飯舘村の人々は殺意を抱いたことだろう。

 現地の人は、下のような能天気で無責任な発言をする総理大臣に不信感を抱いただろう。

写真(福島原発事故により大量の放射性物質が放出されたが、健康問題は発生しないと安倍総理は断言した。)

 福島原発事故では責任者が誰一人として裁かれていないのは驚くべき事実だ。その一方で、賠償・廃炉のために電気料金が引き上げられても、国民はあっさり受け入れてしまっている。

写真(強制起訴される東京電力元幹部3人)

最後に:
 日本の権力層は戦前から、自己中心的で無教養の人間で占められてきた。国民の政治的無関心も手伝って、この「伝統」は現代までしっかり受け継がれてきている。権力層にとって国民は消耗品でしかなく、自分たちの権益を守るための道具でしかない。権力者にはいち早く危険情報が届き、自分たちは安全な場所でのうのうと暮らし、その一方で、国民を危険地帯に放置する(戦地では死亡の最大原因は餓死であった)。危険情報を隠ぺいした結果責任は問われず、説明責任すら放棄し逃げ回る。そしてその醜態を、国民は、低い投票率、もしくは惰性の投票行動で承認し続けている。

 日本国民の悲劇は、まだ当分続きそうである。

以上

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福島原発事故について皆がダンマリしている時こそ、確かな情報を! ドイツ人小児科医による講演内容を紹介。

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写真(アレックス・ローゼン氏)

 IPPNW(=International Physicians for the Prevention of Nuclear War 核戦争防止国際医師会議)の理事会メンバーで、小児科医・医学博士でもあるアレックス・ローゼン氏が、福島原発事故による健康被害に関して講演を行いました。噂や扇動ではなく、すべて、科学的な根拠に基づいた話です。しかも、この公演では、日本政府や東京電力が公表したデータを用いています。それだけでも、原発事故の恐ろしさを十分に説明できるからです。

以下に、YouTubeビデオのリンクを貼りますのでご覧ください。

福島原発事故による健康被害ー小児科医の報告 Part1 日本語字幕付

福島原発事故による健康被害ー小児科医の報告 Part2 日本語字幕付

公演内容の要点を以下に述べます。

要点始め
*********************
1)放射線と、それが健康に及ぼす影響についての基礎知識

・放射線とはどういうものか?
・よく使われる放射線の単位:ベクレル(Bq)、シーベルト(Sv)
・外部被ばくと内部被ばく
・放射線による被ばくは、細胞の損傷と突然変異を引き起こす。
・これ以下なら安全という閾値はない。
・抵抗力のない人や子供は影響を受けやすい。
・放射線核種と病気の関連
(ヨウ素:甲状腺ガン、セシウム:固形腫瘍、ストロンチウム:白血病、プルトニウム:肺ガン・肝臓ガン)

explosion of Fukushima No.1 nuclear power plant
福島第一原子力発電所の爆発

2)福島原発事故に関する事実

・爆発と、大量の放射性物質放出(東電の公開データより)
・福島事故による放射性物質の降下量分布

写真(福島原発事故による汚染の広がり) 出典:文部科学省

・放射性物質の約80%が太平洋へ流れた。陸地が2割で済んだのは風向きによる運である。
・放射性物質による土壌汚染調査の結果。
・吸引、経口摂取による内部被ばくの危険。
・チェルノブイリなら避難しているレベル地域に、多くの日本住民が住んでいる。
・学校、幼稚園、保育園の土壌から高い放射線が検出されている。
・子どもは土に触れる機会が多く、しかも放射能に敏感なので、健康への影響が心配だ。
・取り除いた汚染土壌が屋外に放置されている。これは放射性廃棄物なので、ドイツならキャスクに入れて保管しなければならない。
・こんな環境が子どもたちの通学路になっているのはヒドイことだ。
・モニタリングポストの数値は、実際より低い。
・放射性物質で汚染された飲食物(水道水、果物、野菜、魚介類、牛乳、米、お茶)。
・最大の危険は、長期間の、汚染食料による内部被ばくだ。
・日本では、この先100年も200年も放射性セシウムが地中に残留し続ける。
・WHOは過小評価をしている。

3)これから如何なる健康被害が予測されるか、また、既に起こってしまったか。

・WHOには、放射線に関する専門部署が無い。IAEAという原子力推進団体から提供されたデータを用いている。例えば、タバコの害についてフィリップモリスから提供された報告書を鵜呑みにしているのと同じだ。
・WHOは、放射線とその影響について、IAEAの承認なしには公表できない契約を結んでいる。このスキャンダルは、何十年も批判され続けている。

・WHOのレポートには問題点が多い。
「放出された放射性物質の量が過小評価されている(東電発表数値よりずっと少ない)」
「福島県外の人々への健康影響が無視された」
「測定用食料品サンプルの量と選択が不適切」
「原発利権者に健康被害の説明をさせている」

・福島原発事故後に乳児死亡率が上昇した。チェルノブイリのケースと似ている。
・甲状腺異常が増加した。平時なら、小児の甲状腺ガンは、あり得ないと言えるほど発生率が低いのだ。
・甲状腺以外のガンも増加リスクがある。しかも、福島県民だけの話ではない。
 (循環器疾患、視力障害、不妊症、遺伝子への影響)
・精神的影響(ガン発症の不安を抱えながら生きねばならない)は重大な問題だ。

4)個人として何ができるだろう?

・情報を集め、現状を知り、理解し、他の人に伝えることが重要だ。
・「汚染は大したことはない。原子力エネルギーは必要だ」という原子力業界のウソにダマされないこと。
・例えば山下俊一が、「笑っている人には放射能はやって来ない」「年100ミリシーベルトでも安全」と言っているが、信じてはいけない。
・政治家を含む原発利権者に対して批判的な質問をすること。根拠を説明させるのが大事。
・民衆の反対圧力が高まれば、これ以上逆らえないと政治家は気付く。
・日本は、自然エネルギー大国であり、再生可能エネルギーで100%まかなうことが可能だ。
・「原発が無くなるとエネルギーが不足する」というウソを信じてはいけない。
・福島県の子どもたちが沖縄で保養している実例紹介。
*********************
要点終わり

 日本各地の原発が再稼働に向けて動いているため、福島原発事故などは過去のものであると思っている人も多いと思います。日本の大手マスコミは、福島原発事故による健康被害について、ほとんど報道していません。「問題ない」「問題ない」という、原発マフィアたちのブラックプロパガンダだけを聞かされていると、誤解や・判断ミスをして、失敗の繰り返しにつながります。

図(審査申請済の15原発) 出典:産経ニュース

 原発利権集団(政治家、官僚、メーカー、電力会社、御用マスコミ、御用学者、IAEA、WHOなど)の言い分ばかりを鵜呑みにすることは危険です。原発利権組織と距離を置いているIPPNW(核戦争防止国際医師会議)などの情報も意識的に取り入れて頂きたいと思います。

関連記事リンク:
【福島原発事故による内部被ばく】東京は放射性物質まみれであり、安心して暮らせる場所ではない。

以上

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「かつて命が輝いていた町は、死の町になった・・」我々はこれを見ても、何度でも同じ過ちを繰り返すのだろうか?

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 2008年8月6日(水)、NHKで放送された番組を紹介します。ウクライナ出身の歌手であるナターシャ・グジーさんが登場し、話をしたあと、歌・演奏をします。
 下記、YouTubeビデオのリンクです。

以下、書き起こしを記します。

書き起こし始め
********************

写真(ウクライナ出身の歌手:ナターシャ・グジーさん)

「今日、8月6日は、60年以上前に、広島で悲劇が起こった日です。広島や長崎の悲劇が、まだ終わっていないように、20年以上前に起こったチェルノブイリの悲劇は、まだ終わっていません」

「今から22年前にチャルノブイリ原発が爆発しました。当時、私は6歳でしたが、お父さんが原発で働いていたので、家族全員で原発から、わずか3.5kmのところに住んでいました」

「事故が起こったのは夜中だったので、ほとんどの人たちが、そんなに大きな事故が起きたとは知りませんでした。そのため、次の日は普通に生活していました」

「子供たちが学校に行き、お母さんたちが、小さな子供たちを連れて、一日中、外で遊んでいました。そして、一日中、目に見えない放射能を浴びていました」

「事故のことを知らされたのは、その次の日でした。大したことが起きていません、 でも念のために避難してください、3日間だけ避難してください」

「3日後に必ず帰ってきますので、荷物を持たずに避難してください。そう言われて、 私たちは、みんな、荷物を持たずに町を出てしまいました」

「でも、3日たっても、一ヶ月たっても、そして20年たっても、その町には戻ることがありませんでした」

「子供の頃、毎日遊んでいた美しい森も、たくさんの思い出が詰まった家も、放射能のせいで壊されて、土の中に埋められました。」

「今、そこには、何にも残っていません。かつて、命が輝いていた町は、死の町になってしまいました」

「あの恐ろしい事故で私たちが失ったのは故郷だけではありません。とってもたくさんの人が亡くなっています。私の友達も、何人も亡くなっています。」

「そして当時、私と同じように子供だった人たちが、もう大人になり、結婚したり子供を産んだりしています。そして、新しく生まれてくる赤ちゃんたちの健康にも異常があります」

「人間は、忘れることによって、同じ過ちを繰り返してしまいます。悲劇を忘れないでください。同じ過ちを繰り返さないでください」

「そう願って私は歌を唄っています。この歌も、そんな気持ちでお届けしたいと思います。とってもかわいらしい曲なんですが、とても意味の深い歌詞を持っている曲です」

いつも、何度でも(作詞:覚和歌子)

呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも心踊る 夢を見たい
悲しみは 数えきれないけれど
その向こうできっと あなたに会える
繰り返すあやまちの そのたびひとは
ただ青い空の 青さを知る
果てしなく 道は続いて見えるけれど
この両手は 光を抱ける
さよならのときの 静かな胸
ゼロになるからだが 耳をすませる
生きている不思議 死んでいく不思議
花も風も街も みんなおなじ
ラララララララララ・・・・・・・・・
ホホホホルルルル・・・・・・・・
呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも何度でも 夢を描こう
悲しみの数を 言い尽くすより
同じくちびるで そっとうたおう
閉じていく思い出の そのなかにいつも
忘れたくない ささやきを聞く
こなごなに砕かれた 鏡の上にも
新しい景色が 映される
はじまりの朝の 静かな窓
ゼロになるからだ 充たされてゆけ
海の彼方には もう探さない
輝くものは いつもここに
わたしのなかに 見つけられたから
********************
書き起こし終わり

 2008年に放送された番組です。この後、2011年3月、日本は、福島原発事故という悲劇を繰り返してしまいました。放出された放射性物質の量は、チェルノブイリ原発事故をはるかに超え、放射線管理区域に何百万人という国民は放置されたままです。放射線測定も健康診断も限定的で、情報隠ぺいに励む原子力マフィアたち。妊婦や子供に対しても、容赦なく帰還推奨しています。非道徳的という言葉でも表わしきれない惨状です。

図(原発事故の避難基準) 出典:阿部憲一氏のフェイスブック投稿資料

関連記事リンク:
【福島原発事故による内部被ばく】東京は放射性物質まみれであり、安心して暮らせる場所ではない。

 「悲劇を忘れないでください。同じ過ちを繰り返さないでください」という、ナターシャ・グジーさんの思い・祈りは完全に無視されてしまったのです。

 日本人は今後、何度でも、同じ過ちを繰り返し続けるつもりなのでしょうか?

以上

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汚染地での農業は、原発施設で働くより危険なのをご存知ですか?それでも政府は自己責任と言うばかり。

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 初めに、2017年4月24日に行われた国会の決算委員会質疑をご覧ください。

 以下、必要部分のみを抜き出します。

書き起こし始め
**********************
(略)
○山本太郎君 (略)
「東電原発事故により広い範囲にばらまかれた放射性物質、この影響から人々の健康を守ることは国の責務です。食の安全、生産者の安全は守られているのか?
原発事故後、食品の放射性物質の暫定規制値、一キロ当たり五百ベクレルからスタート、野菜、穀物、肉、魚など、現在は一キロ当たり百ベクレルです。この基準値で人体への影響がないということは言い切れません。なぜなら、その基準値以下の農作物を何年も食べ続けたグループとそうでないグループを何年にもわたり比較し、人体にどのような影響があったかを分析した医学的、科学的臨床データはそもそも存在しないからです。つまり、科学的判断に基づくものではなく、政治的判断が色濃い数値を基準にし、安全と採用したものがこの数値です。」
(略)
「生産者が働く土壌には依然放射性物質が存在し、生産者が日々その職場である圃場で被曝を続ける。
農家の皆さんが汚染にさらされている事実に政治は無視を決め込むんでしょうか。元々問題ない程度の汚染だろう、生産者には関係ないよなど、間違ってもおっしゃらないでください。(略)
本日のテーマ、東電原発事故によりばらまかれた放射性物質による農業生産者の被曝についてです。
厚労大臣、放射線を扱う労働者を電離則で守られるよう事業者に対してルールがあるのはどうしてでしょうか?三十秒以内でまとめていただけると助かります。」

○国務大臣(塩崎恭久君)
「電離放射線障害防止規則、いわゆる電離則では、電離放射線を受けた労働者が白血病などのがんや皮膚障害などを発症するおそれがあることから、これらの健康障害を防止するため、事業者に対して被曝管理や健康診断などの措置を義務付けているところでございます。」

○山本太郎君
「ありがとうございます。事業者が働く人々を守るという規則を厚労省が所管されているということでよろしいですよね。
厚労省、もう一つお聞きします。一平方メートル当たり四万ベクレルの汚染は、電離則や原子炉等規制法で言う何に分類されますか?」

○政府参考人(田中誠二君)
「お答えいたします。
放射性物質の表面密度が一平方メートル当たり四万ベクレルを超えるおそれのある区域で放射線業務を行う場合には、当該区域は電離放射線障害防止規則に基づく管理区域ということになります。」

○山本太郎君
「ありがとうございます。一平方メートル当たり四万ベクレル、これは放射線管理区域だよというお話でした。
事業者は、電離則により、放射線管理区域などで働く労働者を守らなくてはなりません。その内容が十分であるかは置いておいて、電離則とは一般的に、事業者が放射線管理区域で働く人々の被曝を管理し、健康状態などもチェックするという規則。一平方メートル当たりで四万ベクレル、これは放射線管理区域。これを超える汚染の中で農家に作業をさせているのが国の実態です。
 農水副大臣にお聞きします。福島県内の営農再開、農業を再開していい基準、何なんでしょうか?」

○副大臣(礒崎陽輔君)
「山本委員にお答えいたします。
避難指示区域における営農再開については、内閣府において考え方が示されており、避難指示解除準備区域等において営農活動ができることとされております。
また、営農活動を行うに当たっては、農業者の安全を確保するため、厚生労働省の除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン等に基づいて行うこととされております。
なお、品目によっては出荷制限や作付け制限等が掛けられており、まず試験栽培により農作物の安全確認を行う必要があることから、福島県営農再開支援事業により試験栽培の支援を行っているところでございます。」

○山本太郎君
「ありがとうございます。
(略)
基本的には、避難区域などの解除をもてば営農の再開は可能であるというお話だと思います。航空機モニタリングで測定を行っていますからね、その後、地上の三百八十四地点も測定したんですよ、最近、みたいな。避難指示区域にあったのがそのうち百二十、このうち四月で解除になったのが百十二。かなり広い範囲で再開が可能になったという話だと思います。でも、これ、航空機により二キロメッシュの測定、二キロのメッシュですよ。その後、地上を幾つか測るといったかなりざっくりした話なんですよね。これ大丈夫なんだ、問題ない、内閣府、政府が決めたから、と農水省は言うんですけれども。
(略)
資料の六、福島県農民連の方々が実際に土壌の測定をした結果のデータがございます。農民連です、福島県。
これは、二〇一六年四月と五月、百六十二か所の果樹園を測ったところ、一か所を除いた全て、一平方メートル当たり四万ベクレルを超える放射線量だったそうです。(略)伊達郡国見町を御覧いただくと、空間線量が〇・二一マイクロシーベルト毎時、そんな場所でも実際土壌を測ると十七万六千三百ベクレル・パー平米の汚染だと。

この資料のほかの場所を見てみても、たとえ空間線量が低くても、放射線管理区域の一平方メートル当たり四万ベクレル、大きく上回る桁違いの汚染、数多く存在することが確認できるんですよね。空間線量だけでは安全の要件にはなり得ないこと、空間線量とともに土壌汚染も調べなければ意味がないことがはっきりとお分かりいただける資料だと思います。
(略)
ちなみに、この調査結果で、百六十二か所中百六十一か所が放射線管理区域以上、つまりは一平方メートル当たり四万ベクレルを超えていたって。しかも、これが調査された地域のほとんどが福島県の中通りなんですよ。福島県の中通りって、ほとんど避難区域とかに指定されなかった場所ですよね。中通りでの調査なんですよ、農民連による。この百六十二の場所の選定は、わざわざ高く出そうな場所を狙ったわけではなくて、単純に農民連の会員の圃場、果樹園を、福島市、伊達市、伊達郡国見町、桑折町でランダムにやったと。

このデータを提供していただいた農民連の会員の方、この四万ベクレル・パー平米を超えるところ、どういうエリアなんだよ、何度も環境省や厚労省に聞いても、『放射線管理区域などは原発やレントゲン室、研究室など特定の限られた区域の中だけで想定されていますので、たとえ数値がそうであったとしても、皆さんのいらっしゃるところは放射線管理区域とは呼ばないんです』というやり取りをこの間ずっと繰り返しやっているって。いいかげんにしてください、うんうんじゃないんですよ。そういうやり取りをさせていること自体がおかしいじゃないかって。

結局、空間線量が低くてもやっぱりベクレルで見ないと本当の汚染はなかなか分からない、そうおっしゃるんです。四万ベクレル超えると移住の権利を与える国もあると。なのに、何の防護もせず、何の権利もなく、ただ放置されているというのはいかがなものか。これは権利侵害にもなるんだろうと我々思っているわけです、そのように淡々とお話しくださいました。
(略)
農民連の皆さんは水田についても福島県の全域をやっていると。そのデータには個人名や住所まで全部入っちゃっているので、今回は、ごめんなさい、送れないんですけれども、中身を紹介すると、浜通りを抜かして九百三十五か所、計測のデータがあると。うち、七百六十三か所が四万ベクレル超え、放射線管理区域以上だって。水田は先ほどお伝えしたとおり耕起していますから、上と下、土は混ざっているんだけれども、中通りは調査したほとんどの地区の水田が四万ベクレルを超えるエリアだと。これ、ほっといていいんですかね。そんなものなんですかという話ですよね。

これ、はっきり言って、こういう地域で働かれている、農業されている方々、逆に言えば、原発の施設内とかで働いた方が安全だという話ですよ、事業者にもちゃんと健康管理してもらえるし。自己責任でやらせているんですよ、国はこういうことを。農水省、どうして変えようとしないんですか。使い捨てなんですか、農家の方も。

お聞きします。放射線管理区域と同等又はそれ以上で営農する農業生産者はどのような規則、法律で守られていますか?
(略)
農業法人で働く人々はいわゆる電離則、除染電離則で守られる可能性がある、そういう話ですよね。で、それ以外の人たちというのは特にないと。
(略)
個人でやられている方、圧倒的に多いんですよ。法人化していない家族経営は九八・四%、福島県で。それぐらいですよね。法人化していない組織経営は〇・四%。合算したら九九%近くの農家の皆さん、法人じゃないんだって、個人で農業を営んでいるって。これ言っている意味分かりますよね?事業者からも守られない。自己責任でやらせているじゃないですかって。いいんですか、こんなことやらせていてって。国で犯罪みたいなことをやっているじゃないですか。
一方の法律では放射線管理区域でしっかりと管理されなきゃいけないというルールの下に原発とかいろんなところでは守られていながら、農業者はほったらかしですか?本当に何て言えばいいのか分からない、こんなの。こんなの国無いのと一緒ですよ。無政府状態って言いません?こういうの。
(略)
********************
書き起こし終わり

 以上の質疑により、放射線管理区域で多くの農家が作業を行っていることが確認できました。この場合、吸引などにより放射性物質を取り込むので、内部被ばくの危険を考えねばなりません。

 例えば、セシウム137を毎日10ベクレルづつ摂取した場合、500日後には体内の総放射線量は1400ベクレルにも達します(1ベクレルとは、1個の原子が1秒間に崩壊する時の放射線の強さに等しい)。体重70キログラムの大人ならば、1キログラム当たり20ベクレルですが、体重20キログラムの子供の場合、1キログラム当たり70ベクレルになってしまいます。体重1キログラム当たりのベクレル数が多くなるほど心臓に悪影響を与えやすいことが判っています。

図(放射性セシウム量と心臓への悪影響の関係) 出典:バンダジェフスキー博士 「放射性セシウムと心臓」

 特に体重1キログラム当たり50ベクレルを超えると、心臓血管系・神経系・内分泌系・免疫系・生殖系・消化器系・排泄系で病的な変化が増加します。セシウム137は、体内の様々な臓器に偏在し濃縮されるのが原因です。人工的な放射性物質には、これ以下なら安全という閾値は存在しません。本来、1キログラム当たり0ベクレルでなければならないのです。

 チェルノブイリ原発事故に伴い、ベラルーシでこの研究を行い発表したバンダジェフスキー博士は逮捕・投獄され、拷問も受けています。日本では特定秘密保護法が成立しており、似たような人権侵害が起こる可能性が高いですね。つまり、内部被ばくによる健康被害は、原発マフィア側にとって都合の悪い事実だということです。

 安倍政権下では、放射性物質による汚染状況調査も健康被害調査もまともに行われていません。福島県内での甲状腺がん発生率が何百倍に増えても、原発事故との因果関係を認めようとしません。選挙で自民党へ投票する者や棄権をする者は、犯罪行為に加担していると認識すべきです。

以上

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