【健康被害の拡大】過ちをこれ以上繰り返さないために必要なことは何か?

写真(自民党の高市早苗議員) 出典:ANN

写真(自民党の高市早苗議員) 出典:ANN

 皆さんは、「予防原則」という言葉を聞いたことがありますか?意味を以下に記します。

「人間が人工的に作り出した物質(放射性物質、化学物質、遺伝子組み換え作物など)は、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、そのメカニズムは複雑で、科学的に100%確実に予測できない場合も多いのです。何らかの不確実性が存在したとしても、健康被害防止策を延期するという方針を採用してはなりません。深刻で取り返しのつかない被害が発生する可能性があるからです。以上の考え方を予防原則といいます。」

 予防原則に基づいた行動を常に徹底できればいいのですが、現実には難しいです。特に、営利を目的とした企業に自主的に道徳的に取り組むことを期待するのは無理です。世間的には一流と評価される会社であっても、目先の利益のためなら法律を守らないことは珍しくありません。会社という集団は視野が狭いのです。

 暴走しがちな企業をコントロールするのは、本来ならば政治の役目です。しかし、自民党は長らく財界の手先として動いて来たため、取り返しのつかない健康被害者を無数に生み出してきました。四大公害病はその典型ですね。以下は、ウィキペディアからの引用です。

引用初め
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水俣病
 1956年熊本県水俣湾で発生した有機水銀による水質汚染や底質汚染を原因とし、魚類の食物連鎖を通じて人の健康被害が生じた。

第二水俣病(新潟水俣病)
 1964年新潟県阿賀野川流域で発生した有機水銀による水質汚染や底質汚染を原因とし、魚類の食物連鎖を通じて人の健康被害が生じた。

四日市ぜんそく
 1960年から1972年三重県四日市市で発生した。主に亜硫酸ガスによる大気汚染を原因とする。

イタイイタイ病
 1910年代から1970年代前半に富山県神通川流域で発生したカドミウムによる水質汚染を原因とし、米などを通じて人々の骨に対し被害を及ぼした。
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引用終り

 薬害エイズ事件も、予防原則に従わなかったために被害が拡大した例ですね。

「薬害エイズ事件(やくがいエイズじけん)とは、1980年代に、主に血友病患者に対し、加熱などでウイルスを不活性化しなかった血液凝固因子製剤(非加熱製剤)を治療に使用したことにより、多数のHIV感染者およびエイズ患者を生み出した事件である。非加熱製剤によるHIV感染の薬害被害は世界的に起こったが、日本では全血友病患者の約4割にあたる1800人がHIVに感染し、うち約600人以上がすでに死亡しているといわれる。」(ウィキペディア)

 四大公害病も薬害エイズ事件も、企業・政治家・官僚・御用学者などが結託して都合の悪い情報を隠し、美味しい生活に固執したため、有効な対策を実施するのが遅れました。被害が大きくなり、誤魔化すことが不可能になって初めて重い腰を上げる、ということを繰り返してきました。

 健康被害を受けた者が非難の声を上げると、高級官僚からは敵呼ばわりされます。大切な天下り先を確保するのを優先するあまり、公僕としての意識は皆無のようです。当然、失敗から学ぶことはできず、人道上の過ちを何回でも繰り返します。愚か者ですね。

 2011年3月に発生した福島原発事故では大量の放射性物質が放出され、いまだに環境中へ放出が続いています。予防原則に従うならば、最低限、次のような対策を取らねばなりません。

①放射能レベルの正確な測定を行い、結果を全て公表する。
②外部被爆、内部被爆の危険について、最新の知見を国民へ提供する。
➂避難については、最低限、チェルノブイリ基準を適用する。

出典(明かり新聞)

出典(明かり新聞)


④避難先で不自由がないように、住居、仕事、収入については十分援助する。
⑤医療費については生涯無料とし、診断結果は本人へ丁寧に説明する。

 ある日突然、自分の住んでいる地域が放射性物質で汚染されてしまうという理不尽さを考えれば、上記①〜⑤は最低限必要なことです。贅沢でも何でもありません。しかし、原発マフィアという権力者たちは被害者の苦悩に無関心であり、むしろ、積極的に健康被害の拡大を推し進めています。以下に例を挙げましょう。

・放射線管理区域に相当する高線量地域(福島県に限らない)に何百万人も居住している状態を放置している。
・避難者への援助を打ち切り、高線量地域へ帰還せざるを得ないようにする。
・放射能汚染レベルの測定が不十分で、しかも、わざと数値を低く見せている。
・健康調査の対象範囲を狭くし、被曝による健康被害を小さく見せている。
・特定の医療機関だけに健康調査・診断を許可し、しかも、その結果を住民たちに教えない。
・根拠のない安全性をアピールし、東京オリンピックを誘致した。
・福島県の農産物を福島県内の学校給食に用いて、「安全性」をアピールしている。
・放射能汚染地域への企業進出や学校新設を許可している。
・安全性の確認ができないばかりか、放射性廃棄物の処理・管理方法も確立できていないのに、全国の原発を再稼働しようとしている。
・原発の新設や輸出を目論んでいる。
・その他いろいろ・・・

図(審査申請済の15原発) 出典:産経ニュース

図(審査申請済の15原発) 出典:産経ニュース

最後に:
 悪徳権力層の既得権益を守るのではなく、庶民の声に耳を傾ける政党を政権に就けなければ、民族滅亡への流れが止まることはないでしょう。有権者の賢明な判断が求められています。

以上

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