世界をより良くするために闘っている12人の勇敢な女性を紹介します。

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 世界中の国々で、女性は差別と抑圧に苦しんでいます。人類社会は、腕力にモノを言わせて男性が支配する野蛮なものです。徐々に改善されているのかもしれませんが、理想には程遠いと思います。男女平等ランキングで、日本は144か国中111位であり、年々低下の一途を辿っていますね。

図(2016年:男女平等ランキング) 出典:朝日新聞

図(2016年:男女平等ランキング) 出典:朝日新聞

 女性が差別され抑圧されている社会ほど暮らしにくいものです。より良い世界を実現するために闘っている女性は大勢いますが、今回はその中から12人の勇敢な方を紹介いたします。

参照リンク:
These 12 Female Activists Are Making The World A Better Place Right Now

1)Asieh Amini「名誉殺人」

写真(Asieh Amini)

写真(Asieh Amini)

 イランでは、たとえ強姦されたとしても婚前に純潔を失った場合は、家族の名誉を傷つけた罰で死刑になることが多い。知的障害を抱えた19歳の女性が家族から繰り返し強姦され死刑判決を受けたとき、Aminiは彼女を助けるために立ち上がった。
 女性の尊厳や命よりも家族の名誉を重んじる慣習があるため、このような理不尽な事例が後を絶たない。Aminiは自国におけるおぞましい現実と闘うために人生を捧げてきた。ジャーナリストの彼女は常に身の危険にさらされているが、人々を啓蒙し女性たちの命を救っている。最近では、脅迫が凄まじくなってきたので、ノルウェーに移住して活動している。

2)Rashmi Misra「インドにおける教育」

写真(Rashmi Misra)

写真(Rashmi Misra)

 インドは急速な経済発展を遂げているが、教育環境は劣悪で教師の数も足りず、特に女児は置き去りにされている。女児は小学校にすら通えないケースが多い。Misraは自宅を教育の場として開放するとともに、インド各地で女性の教育に尽力した。貧しい家庭の子供に対する活動は国際的にも評価されている。起業家教育や投資教育を無料で施し、多くの女性たちを勇気づけている。

3)Nanfu Wang and Ye Haiyan「中国での性暴力」

写真(Nanfu Wang)

写真(Nanfu Wang)

 この二人は、中国での性暴力の実態を白日の下にさらす活動をしているため、権力側とぶつかることがしばしばだ。彼らの活動は妨害され、尋問や投獄の対象にされている。沈黙して身を守る方法もあるが、彼女らは社会の不正義を正すため真実を暴くことを選んだ。
 6歳の小学生女児たちが校長から受けていた性的虐待の事実を報告したこともある。活動家の動きを阻止するために町中に配置されている公安警察の実態を、隠しカメラで捉えたこともあった。
 取材結果を国外でドキュメンタリーとしてまとめ、世界的な評価を受けるに至っている。

4)Safa al Ahmad「サウジアラビアにおける言論の自由」

写真(Safa al Ahmad)

写真(Safa al Ahmad)

 サウジアラビアでは女性は様々な制限を受けている。Safa al Ahmadは、「アラブの春」を取材し映画化したが、それは違法行為だった。しかし、世論を喚起するために必要だと考え強行した。
 サウジアラビアには言論の自由がなく、フェイスブックに投稿しただけで逮捕されたり死刑になる若者が多い。言論弾圧の状況を変えるため、中東全体で起こっている民衆の蜂起をAhmadは記録・公表し続けている。様々な脅迫を受けながらも、彼女に降伏の文字はない。

5)Liya Kebede「エチオピアにおける安全な出産」

写真(Liya Kebede)

写真(Liya Kebede)

 エチオピアでは、年間800人以上の女性が、妊娠・出産がらみで命を落としている。衛生状態が悪く危険なのが原因だ。母親たちが直面している自国の状況に心を痛めたLiya Kebedeは行動を起こした。スーパーモデルでもある彼女は自分の名前を冠した基金を作り、初のWHO大使になった。
 その基金は、主にアフリカにおける医療教育へ力を入れており、安全な出産・安価な技術の提供・地域に根差した教育制度を目標にしている。そのおかげで、出産の成功確率が12か月で50%も上昇した病院もある。
 女性の健康状態をさらに改善するため、Kebedeはスーパーモデルという社会的地位を上手く活用している。The Huffington Postに記事を載せたり、Vogue や The Daily Beastで基金のことを語ったりしている。

6)Brittany Packnett「アメリカでの人種平等」

写真(Brittany Packnett)

写真(Brittany Packnett)

 アメリカでの人種差別問題は根強く、最近発生した警察による黒人射殺事件は象徴的である。Brittany Packnettは、社会正義を実現する運動の先頭に立ち、黒人の生活改善に取り組んでいる。人種間格差を改善する運動をより効果的に進めるには、黒人女性や性的少数者も巻き込むべきだ、というのが彼女の考えだ。

7)Sonita Alizadeh「アフガニスタンにおける子供の結婚」

写真(Sonita Alizadeh)

写真(Sonita Alizadeh)

 Sonita Alizadehが10歳の時、両親は彼女を花嫁として売り払おうとしたが、タリバンの襲撃騒ぎもあって、その話は流れた。10歳の彼女には結婚が何を意味するのか解らなかった。
 Alizadehが16歳の時、両親は再び彼女を売り払おうとした。彼女の兄の花嫁を買うため、9000ドルの資金を調達する必要があったからだ。
 彼女は独学をし問題意識を持つようになり、両親が住んでいるアフガニスタンに帰ることを拒否した。
 「売られる花嫁」という曲は、彼女がラップ調で歌っているものであり、同じ問題で悩んでいる女性たちの共感を呼んでいる。彼女は非営利団体の助けでアメリカに移り住み、奨学金で学校に通っている。
 歌を通して女性差別を訴える一方、男女平等へ向けた闘いを描いたドキュメンタリーも制作した。それは、例外なく高い評価を得ている。
 アフガニスタンでは、57%の女性が19歳前に結婚させられている。Alizadehの活動は、アフガニスタンの女性たちを立ち上がらせる可能性を持っている。

8)Melina Laboucan-Massimo「カナダにおける先住民の権利」

写真(Melina Laboucan-Massimo)

写真(Melina Laboucan-Massimo)

 カナダでは、アボリジニといわれる先住民族の女性が4000人以上行方不明、もしくは殺された疑いがある。こういった犯罪を裁き、アボリジニに対する抑圧を終わらせるため、カナダ政府は長期にわたって対策に取り組んできた。
 Melina Laboucan-Massimoは自分の妹が殺されたとき、警察の素っ気ない態度をみて怒った。その時、先住民族の権利確保に向けた彼女の闘いが始まったのだ。
 今では、先住民族の環境や文化の再生に向けた取り組みも行っている。トルドー氏が首相になったおかげで、先住民族問題の優先順位が上げられた。
 Melina Laboucan-Massimoの活動はまだまだ続くが、賛同者の数はどんどん増えている。

9)Mary Beard「インターネット上の嫌がらせ」

写真(Mary Beard)

写真(Mary Beard)

 どの国にも女性差別主義者は存在しており、そのため、女性がインターネット上で嫌がらせを受けるケースが多い。Mary Beardはこの傾向に終止符を打ちたいと考えた。
 文才がある女性が自分の考えをネット上で表明し、その結果嫌がらせを受けても、毅然として対処するケースは稀である。ほとんどの人が無視したり、ブロックするだけだが、Mary Beardは違った。彼女は、レイプ・爆破・殺人を匂わす嫌がらせメッセージを公開し、送り主たちを辱めた。さらに、嫌がらせを行う者に対する啓発活動にも取り組んでおり、高い効果が得られている。
 彼女のオンライン活動は、勇敢で陽気で独創的だという評価を得ている。

10)Esther Ibanga「女性主導の平和的抗議」

写真(Esther Ibanga)

写真(Esther Ibanga)

 ナイジェリアは多様な民族と宗教が入り混じっているため、何年もの間、争い事が絶えなかった。Esther Ibangaは大臣の要職にあり、フェミニストとしての価値観と信念を備えていた。
 彼女は、女性の間に垣根を無くす活動を始めた。出身や社会的背景が異なっても協力し合えるように教育を施した。目標は国内に平和をもたらすことだ。また、貧困問題や教育問題にも精力的に取り組んでいる。

11)Obiageli Ezekwesili「誘拐された少女たちの奪還」

写真(Obiageli Ezekwesili)

写真(Obiageli Ezekwesili)

 ボコハラムのテロリスト達によって誘拐され、いまだに行方不明になっている230人の少女たちを家族のもとに返そうという活動が行われている。誘拐された少女たちは、強制結婚、強姦、自爆テロ要因にさせられるなどの被害に遭っていると思われる。2014年に発生したこの大量誘拐事件の被害者たちのうち、脱出できたのはほんの一握りだ。
 Obiageli Ezekwesiliは、草の根活動を通じて協力者を動かし、国際的に注目を集めるまでになった。彼女は政府内部でも透明性を高める活動をしており、汚職や社会的不正義を正すべく邁進している。

12)Berta Caceres「環境問題への積極的行動」

写真(Berta Caceres)

写真(Berta Caceres)

 権力者たちと対峙するような活動を行うことは、どの国でも危険が伴う。2015年だけでも、世界中で185人の環境活動家が殺されている。企業による環境破壊活動に反対したのが原因だ。Berta Caceresも殺された一人だ。
 彼女はホンジュラスの先住民族居住区にダムを建設することに反対していた。違法で不必要なものだからだ。彼女は、民意を無視した環境破壊を企てている権力者たち(ヒラリークリントンも含む)に抗議し、その結果、自宅で射殺された。
 活動家たちの死は、政府や環境破壊行為に対する怒りを、より一層強いものにした。

以上

コメント

  1. keioko より:

    おはつです。しばらく前からフィードしています。
    現地ではアボリジニという語彙すら差別的として回避される傾向にあるようですが、それはともかく、ラテン語原産でオーストラリアと直接の関係はありません。しかしながら、先住民一般を、つまり =indigenous として用いられる訳ではないと思います。元記事でも indigenous と書かれているのに、わざわざカナダでアボリジニとは解せませんがどうなのでしょう。
    はっと内省する記事をたくさん読ませて頂いています。今後もたのしみ。

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