成田悠輔氏の問題発言
成田悠輔氏(なりた ゆうすけ、1985年 ~)は、日本人の経済学者であり、アメリカのイエール大学でアシスタントプロフェッサー(助教、助手)を務めている(2023年2月現在)。
いわゆる冷笑系コメンテーターのひろゆき氏とよくつるんでおり、マスゴミへの登場回数も多い。
成田悠輔氏は、2021年11月に開催された日本内科学会の学術集会で、「高齢者は自分たちで集団自決をすることが大事」と発言した。
高齢者の医療費など社会保障問題解決の手段として、高齢者が自ら死を選ぶことが必要だという主張でをしたのだ。
そんな暴言に対する日本人の反応は最初鈍かったが、ニューヨークタイムズなどの海外主要各紙が取り上げて非常に問題視され、その騒ぎが逆輸入された形で日本国内でも物議を醸すようになった。
実は、成田悠輔氏の「老人集団自決論」は1回だけではなく、過去に複数回繰り返されている。
決してメタファー(隠喩)などではなく、彼の真意は誤解しようがない。
参考動画↓↓(見せたくないのか、非公開にしたものもある)
日本の社会保障問題解決の手段として「老人の集団自決しかない」と発言した成田悠輔氏。
以下、彼の発言がどうして間違っているか、その理由を考えてみよう。
倫理的に問題がある
成田氏の集団自決発言は、「老人には生きる意味が無く、死ぬべきだ」というメッセージを伝えており、人間の尊厳を踏みにじっている。
人間は基本的に自分が生きることを望んでおり、自ら命を絶つことは許容できない。
医療現場における延命治療中止の問題とも直結する問題だ。
人間の生死に関わる問題を、ニヤニヤしながら軽いノリで語ってはいけない。
このように成田氏の発言は、基本的な倫理観や原則を逸脱している。
老人には生きる権利がある
当たり前だが、老人には、若者と同じように生きる権利がある。
高齢になっても、人々は幸せに生きることができる。
長く生きれば、経験や知識を生かせる機会も増えていく。
高齢者に集団自決を強要することは、彼らの人生を終わらせ、その経験や知識を失わせることになる。
集団自決を求める権利は誰にもないのだ。
高齢者の存在価値を否定することで、高齢者に対する差別と偏見を助長している。
「コスパの悪い老人は社会のお荷物だから、さっさと自決を選べるシステムを導入しようぜ」という意見に賛同する単細胞人間は、実際のところ非常に多い。
生きる価値の有る無しを判断する基準などは、神にも作れない。
成田氏は、小学生に対しても老人集団自決論を説いている。
そして、そのような場を成田氏に提供することに何の抵抗も感じない大人たち・・・
実際、蜂蜜を求める蟻のように、成田氏の暴論に群がってくるのが日本の視聴者の平均値なのだ。
日本人の人権意識の弱さには、改めて呆れるばかりだ。
社会保障問題の解決にはならない
成田氏が指摘するように、高齢者の増加に伴う社会保障問題は存在する。
しかし、社会保障費の若年層負担増加を和らげるため、高齢者の抹殺という安直な手段を選択しても社会問題の解決にはならない。
自決させられる高齢者の苦痛はもちろんだが、倫理観を踏みにじって生きることになる若年層も不幸の道を歩むことになるからだ。
社会保障問題を解決するためには、社会の構成員がお互いに知恵を出し合い助け合うシステムが必要だ。
従来の常識や前例だけに頼り、その延長線だけで考えていたらシステムが破綻するのは当然なので、変えていかねばならない。
世界にも目を向け、広い視野で解決策を模索し、試行錯誤すべきである。
その際、目先の生産性や金銭的負担ばかりに目を奪われて、殺人という安直な手段に飛びついてはならない。
老人集団自決システムが導入された社会で、明るい未来を思い描きつつ楽しく暮らせる人がいるのだろうか?
いる筈がない。
老人になって働けなくなった者、病弱な者、身体障碍者などの社会的弱者がどのように扱われているかに、その社会の本質が現れる。
高齢者に集団自殺を求めるような社会は、若くて元気な者にとっても暮らしにくい社会なのである。
まとめ:
以上のように、成田悠輔氏の「老人は集団自決しろ」という発言は、倫理的にも、法的にも、社会的にも受け入れられるものではない。
成田氏の発言や考えは、高齢者も含めた全ての人々にとって害悪であり、生きる希望を奪い取り、尊厳を踏みにじることにつながる。
東京大学大学院やマサチューセッツ工科大学(MIT)Ph.Dなど、高度な学問に触れる機会が多かったと思われる成田悠輔氏。
しかし、その知識を世のため人のために生かす知恵は持っていないようだ。
年齢的にも若く社会経験が少ないせいもあると思うが、視野狭窄であり、社会の現実に対して無知である。
心ある人が彼を諫めたことも多々あったはずだが、それに耳を傾ける謙虚さを持ち合わせていなかったのであろう。
その結果が、国際的な日本の恥さらしである。
哲学なき知識は自滅への道にもつながり得る。
成田氏はまだ若い。
社会的に完全に抹殺されないうちに発言を撤回謝罪し、初心に戻って、地道で愚直な学術活動をして欲しいと思う。
参考記事:
【役に立たない老人は早く死ね?】曽野綾子氏は誰に対して暴言を吐いたのか?
以上