ラ・ボエシの「自発的隷従論」を読む:奴隷根性に溺れる日本人へ贈る

自発的隷従とは?

自発的隷従とは、いわゆる奴隷根性のことです。

自分とは関係ないと思っている人もいるでしょう。

しかし実際、日本社会には奴隷根性が蔓延しているのです。

理想的な共産国家ともいえるくらい、独裁者にとっては有難い状況なのです。

この記事では、自発的隷従(=奴隷根性)について考えてみましょう。

「自発的隷従論」の概略紹介:

ラ・ボエシ(Étienne de La Boétie)は、フランスの思想家であり、16世紀に「自発的隷従論」(Discours de la servitude volontaire)を著しました。
この著作は、政治哲学や自由の理念において重要な文献の一つとされています。
以下、この著作の内容について概要を示します。

自発的隷従についての考察:
人々がなぜ自らの自由を放棄し、権力者に服従するのかを疑問に思い、その原因を探求します。そして、自由を放棄することが、人々を悲惨な状況に陥れることを指摘します。

自発的隷従の理由:
権力者による恐怖の存在を挙げます。権力者が恐怖心を煽り、人々を服従させることで、支配力を維持することができると指摘します。

自発的隷従が社会的契約説に反する:
社会的契約説では、人々が自由を放棄することで、権力者との契約を結ぶことになるが、自発的隷従においては、契約による服従ではなく、権力者による恐怖によって服従しているため、社会的契約説に反すると主張します。

権力者に対する非難:
権力者は人々を自らの利益のために支配し、人々が自由であることを脅かしていると指摘します。そして、人々は権力者に対して反抗することができることを示し、自由を取り戻すために行動することが必要であると主張します。

自発的隷従が維持されるために必要なもの:
権力者による恐怖だけでなく、民衆自身による自己検閲や、権力者による賄賂、取り巻き連中が特権により受け取る利益などが、自発的隷従を維持するために必要なものであると指摘しています。そして、これらの要因を乗り越えることができれば、自由を取り戻すことができると主張します。

自由を取り戻すための手段:
個人の反乱や暴力による手段は、自由を取り戻すためには効果的でないと指摘します。そして、より効果的な手段として、人々が団結し、権力者に対して拒否の態度を示すことが必要であると主張します。また、自由を取り戻すためには、個人の良心と正義感に基づく行動が必要であるとも述べます。

自発的隷従が持つ問題点について考察:
自発的隷従によって、人々が権力者に対して自己主張をすることができなくなり、自由が侵害されることを指摘します。また、自発的隷従によって、人々の能力や才能が無駄になってしまうことや、社会的不平等が生じることなどを問題視します。

自由とは何かについて考察:
自由とは、自分で自分をコントロールする能力であり、人間が自らの意思で行動することができる能力であると指摘します。そして、自由こそが人間が持つ最も貴重なものであり、それを放棄することは、人間の尊厳を侵害することになると主張します。

以上が、「自発的隷従論」の概要です。

この著作は、16世紀当時の封建制度下での人々の自由を問い、自由の理念を探求する貴重な文献として、政治哲学や自由主義思想の発展に大きな影響を与えました。

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

圧政に自ら従う奴隷根性は究極の悪徳:

圧政による生活の困窮は、ただ一人の権力者によって成し遂げられるわけではありません。

権力者のおこぼれに与る取り巻き連中が支え、さらに、取り巻き連中に自ら隷従する庶民たちが多数存在することで完成します。

自発的隷従を選択した者はみな、無気力で無責任で、問題意識はゼロ。

面倒くさい現実から目をそむけ、事なかれ主義であり、周囲の目ばかりを気にして流されるだけ。

現実と対峙できないので何も変えられず、創造的な仕事など望むべくもありません。

現在の日本は、この自発的隷従という名の奴隷根性が蔓延しており、民主主義制度が与えられているのに使おうともしない。

国政選挙で約半分の有権者が棄権するという体たらくぶり。

その結果、権力者から搾取され放題でも、怒らない。

陰で愚痴は言うことはあっても、怒れない。

具体的に行動を起こす勇気がまるでない。

このような究極の怠惰と悪徳が日本社会を劣化させ、生産性を落とし、世界の中での一人負け状態を生み出しているのです。

この先、日本はどうなるのでしょうか?

戦前と同じく、権力者の批判もせずに自滅の道を歩むのでしょうか?

16世紀のラ・ボエシが現在の日本の状況を見たら、なんと言うでしょうかね?

参考記事:
日本人が空気を読み、長いものに巻かれたがるのはナゼか?

以上

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