コロナウイルスは空気感染するという不都合な真実とどう向き合うべきか?

空気感染とは何か?

空気感染とは、文字通り、同じ空間にいるだけで感染することを意味します。

マスクをも通過する1ミクロン以下の病原物質が空気中を漂い、それを吸い込むことで感染します。

2メートルのソーシャルディスタンス(社会的距離)など、気休めでしかありません。

空気感染する病原体は、人類が最も恐れるべき対象なのです。

空気感染と飛沫感染の違い

飛沫感染は、くしゃみや発声により口から出される飛沫が原因で感染することです。

三密状態ならば、飛沫は相手の顔にかかったりすることもあります。

飛沫が飛ばないように手で押さえても、その手でドアの取っ手や蛇口に触れば、病原菌が他人に移る可能性があります。

ですから、マスクの着用、三密回避、アルコール消毒の徹底などで飛沫感染の多くは予防できます。

しかし、空気感染は厄介です。

保菌者が呼吸でまき散らした病原体は、保菌者が部屋を去った後も空気中に存在し続け、後から入ってきた人に容易に感染してしまうのです。

空気感染する感染症はどれか?

空気感染するウィルスは、きわめて感染力が強いです。

例としては、結核・はしか・みずぼうそうが有名ですね。

これらは空気感染してしまうので、通常、感染自体は防げません。

感染して病気の発症を防ぐには、ワクチン接種が唯一の手段となります。

幸い、結核・はしか・みずぼうそうについては、有効なワクチンがありますので、そんなに心配は要りません。

これら3種のウィルスが今も存在するにもかかわらず人類がパニックに陥っていないのは、ワクチンのおかげです。

コロナウイルスも空気感染する

アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)は、コロナウィルスも空気感染することを正式に認めています。

つまり、結核・はしか・みずぼうそうと同等の感染力を持っているということです。

ソーシャルディスタンス・三密回避・アルコール消毒・マスク着用。

これらの対策は少しは効果がありますが、それだけでは感染は防げません。

人間との接触を完全に絶つのが唯一の方法。

有効なワクチンがないのですから、自衛措置は限られます。

空気感染に関する英語記事を解説

アメリカ疾病予防管理センターのホームページに、コロナウィルスの感染について解説が載っています。

一部を引用し邦訳いたします。

以下、引用英文

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COVID-19 can sometimes be spread by airborne transmission

  • Some infections can be spread by exposure to virus in small droplets and particles that can linger in the air for minutes to hours. These viruses may be able to infect people who are further than 6 feet away from the person who is infected or after that person has left the space.
  • This kind of spread is referred to as airborne transmission and is an important way that infections like tuberculosis, measles, and chicken pox are spread.
  • There is evidence that under certain conditions, people with COVID-19 seem to have infected others who were more than 6 feet away. These transmissions occurred within enclosed spaces that had inadequate ventilation. Sometimes the infected person was breathing heavily, for example while singing or exercising.
    • Under these circumstances, scientists believe that the amount of infectious smaller droplet and particles produced by the people with COVID-19 became concentrated enough to spread the virus to other people. The people who were infected were in the same space during the same time or shortly after the person with COVID-19 had left.
  • Available data indicate that it is much more common for the virus that causes COVID-19 to spread through close contact with a person who has COVID-19 than through airborne transmission.

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以下、邦訳

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コロナウィルスによる感染症は、空気感染によって拡散する可能性がある。

空気中に数分から数時間漂う微小飛沫にさらされた人が、ウィルスに感染する場合がある。

ウィルス感染は6フィート以上離れていても起こるし、感染者が部屋を出た後でもあり得る。

これは空気感染と呼ばれており、留意すべきは、結核・はしか・みずぼうそうも同様の感染の仕方をするということだ。

換気が不十分な密閉空間、歌唱や運動による激しい呼吸などの条件下では、6フィート離れた人にも感染したという証拠がある。

こういう状況では、コロナウィルスを含む微小飛沫の濃度が高まり、結果的に他人に感染すると科学者は考えている。感染者と同じ空間に滞在したり、直前まで感染者がいた部屋に入ると感染するのだ。

利用可能なデータによると、空気感染よりも濃厚接触による感染ケースの方がずっと多いことが分かっている。

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空気感染を予防するための対策

公共交通機関を避ける

不特定多数の人が利用する公共交通機関は、特に警戒すべきでしょう。

首都圏名物の満員電車、満員バスは避けるべきです。

満員じゃなくても避けるべきでしょう。

十分に換気をすればOK?

でも、雨が降っているときに窓は開けられません。

新幹線や航空機は窓を開けられません。

換気装置は付いていますが、安心できる状態かは分かりません。

用心しましょう。

在宅勤務

緊急事態宣言の頃はテレワークが流行っていましたが、いつの間に従来の通勤スタイルに戻りつつあります。

コロナウィルスは人との接触はもちろん、同じ空間にいるだけでも感染します。

同じオフィスに長時間一緒にいるのは避けるべきです。

テレワークが定着すると不要な管理職があぶり出されるかもしれませんが、それは仕方のないことです。

オンライン授業

学生さんは友達が出来にくくなり気の毒ですが、大教室に皆が集まる形式の授業は当面控えるべきでしょう。

オンライン授業を原則とし、通学は一部の例外に限るべきだと思います。

大規模イベントの回避

屋内に大人数を集めて行うイベントは危険です。

セミナー、展示会、懇親会・・・

従来から経済活動のツールとして重宝されてきましたが、オンラインで行うノウハウを確立すべきだと思います。

従来の対策

三密回避・アルコール消毒・マスク着用・積極的な換気・・・

これら従来の対策が大切なのは言うまでもありません。

まとめ:

コロナウィルスが空気感染する事実は流行初期には分かっていましたが、最近ようやく公になりました。

日本で今まで取られてきた対策は、飛沫感染だけを対象としています。

空気感染の事実が判明した以上、これからは考え方や習慣を変える必要があります。

現状はワクチンがありませんし、今後も出来ない可能性大です。

コロナウィルスは変異のスピードが速いので、追いつかないのです。

感染したら後遺症が残る可能性も指摘されています。

得体のしれないウィルスとは距離を取るべきです。

多くの無症状者が知らないうちに感染を広げるという特徴を持つコロナウィルス。

WHOの公衆衛生の専門家が「100年に一度あるかないか」と表現した厄介な代物です。

人間と違い、ウィルスは誰にも忖度しません。

隠ぺいや改ざんという悪知恵も通用しません。

コロナと共存するために、人間側がいかに変われるか?

今ほど柔軟性が求められている時はないと思います。

以上

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