最初に、2016年4月28日付の毎日新聞記事を以下に引用します。
「環境省は28日、東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物に関し、放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8000ベクレル以下に下がった場合は指定を解除し、一般ごみと同様の処分を認める新ルールを正式決定した。解除は国と自治体が協議して決める。解除後の処分費用は指定廃棄物と同様、国が負担する。」
さらに、2017年3月26日付の毎日新聞記事によると、環境省は汚染土を公園用の土地造成に利用しようと企んでいるようです。すでに、重さ1トンのフレコンバックが700万袋も積み重なっており、これらを安く処分するための方法を考えているのでしょう。子供を含めた国民の健康など二の次なのです。
一般ごみと同様に処分するということは、焼却したり、埋め立てたり、リサイクルするということです。大気・土壌・水源などを通して汚染を広範囲に広げることにつながります。放射性物質は煮ても焼いても消えませんし、放射性セシウムは半減期が30年ですから、消えるまでには300年くらい待たねばならない代物です。
上記リンク先の環境省作成資料を見ると分かりますが、1キログラム当たり8000ベクレル以下という基準値は、外部被ばくだけを考慮して決めているようです。しかし、チェルノブイリ原発事故による健康被害で苦しんでいる人たちのほとんどは、内部被ばく、すなわち呼吸や食物摂取などを通して体内に取り込まれた放射性物質が原因になっています。国民の安全と健康を心配する気があるならば、内部被ばくの危険性を最大限考慮するべきです。
チェルノブイリ原発事故に伴い、ベラルーシでこの研究を行い発表したバンダジェフスキー博士によると、体重1キログラム当たり50ベクレルを超えると、心臓血管系・神経系・内分泌系・免疫系・生殖系・消化器系・排泄系で病的な変化が増加します。
人工的な放射性物質には、これ以下なら安全という閾値は存在しません。体重1キログラム当たり0ベクレルでなければなりません。
実際、放射線被ばくによる危険性は年齢が低いほど顕著になります。イメージをつかむために調査結果の一例を示します。
放射性物質による健康被害は癌だけではありません。様々な疾病の原因となります。ガンは一部に過ぎないのです。詳しくは下記リンク先の記事をご覧ください。
チェルノブイリ原発事故による健康被害:IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の論文紹介
上記YouTubeビデオの内容を箇条書きします。
・健康を損なっている子供たちの紹介
・子供たちは年に一回、詳細な診察を受ける。
・体育の時間に突然死する子が増えたので、健康状態に応じてグループ分けをしている。
・子供の体力が持たないので、授業時間が短縮されている。
・給食は、汚染の無い食事が無料提供されている。
・原発事故前に比べて子供たちの健康状態はかなり悪化し、体力が低下した。学習面でも影響が出ている。
・白血病や癌だけでなく、様々な疾病が増加した。
・ウクライナでは原発事故のあった年から、汚染地域の子ども達を毎年保養に出してきた。
・充実した保養プログラムは無償で利用できる
・チェルノブイリ法16条に基づき、被災者の健康データベースが管理・更新されている。
・現在、人が居住している場所で年間1mSvを超えるところはない。
・ある家族の紹介。母親はチェルノブイリ原発事故当時に、事故を知らされないまま被ばくし妊娠・出産にも影響が出た。
以下のビデオは閲覧注意です。
https://www.youtube.com/watch?v=Bkznw_BkEyA
原発事故で放出された放射性物質が健康に悪影響を及ぼすことは間違いありません。しかし、そのメカニズムは複雑であり、科学的に100%確実に予測できる訳ではありません。何らかの不確実性が存在することは事実ですが、だからといって健康被害防止策を延期するという方針を採用してはなりません。深刻で取り返しのつかない被害が発生する可能性があるからです。
このような考え方を予防原則といいます。
そもそも環境省が、指定廃棄物解除基準を従来より80倍も緩くした理由がわかりません。なぜ、予防原則を尊重しないのでしょうか?
下記ビデオは世界中に配信されています。
除染作業の時に放射性廃棄物を詰め込んだ黒いピラミッドは耐久性がないので、すでに破損し、環境に流出し再拡散しています。
これら黒い放射性ピラミッドの多くを「合法的に」処分するのが目的なのでしょうか?繰り返しになりますが、一般ごみと同様に処分するということは、焼却したり、埋め立てたり、リサイクルするということです。大気・土壌・水源などを通して汚染を広範囲に広げることにつながります。
原子力マフィアと言われる人たちは、安全よりも利権重視ですから何をしでかすか分かりません。これからも注視していく必要があります。
以上